<山の音楽家>という童謡がある。もとはドイツの童謡<Ich bin ein Musikante>だ。日本語とドイツ語を比べてみる。
http://www.mahoroba.ne.jp/~gonbe007/hog/shouka/ongakuka.html
「山の音楽家」
水田詩仙訳詞・ドイツ曲
わたしゃ音楽家 山の小りす
じょうずに バイオリン ひいてみましょう
キュキュ キュッキュッキュ
キュキュ キュッキュッキュ
キュキュ キュッキュッキュ
キュキュ キュッキュッキュ
いかがです
わたしゃ音楽家 山のうさぎ
じょうずに ピアノを ひいてみましょう
ポポ ポロンポロンポロン
ポポ ポロンポロンポロン
ポポ ポロンポロンポロン
ポポ ポロンポロンポロン
いかがです
わたしゃ音楽家 山の小鳥
じょうずに フルート ふいてみましょう
ピピ ピッピッピ
ピピ ピッピッピ
ピピ ピッピッピ
ピピ ピッピッピ
いかがです
わたしゃ音楽家 山のたぬき
じょうずに 太鼓(たいこ)を たたいてみましょう
ポコ ポンポンポン
ポコ ポンポンポン
ポコ ポンポンポン
ポコ ポンポンポン
いかがです
わたしゃ音楽家 山の仲間
じょうずに そろえて ひいてみましょう
タタ タンタンタン
タタ タンタンタン
タタ タンタンタン
タタ タンタンタン
いかがです
ドイツ語
いろいろバリエーションがあるが、基本的には同じような内容。
http://www.mamalisa.com/?t=es&p=1188
Ich bin ein Musikante
Ich bin ein Musikante
(German)
Ich bin ein Musikante
Und komm' aus Schwabenland ;
Wir sind auch Musikanten
Und komm'n aus Schwabenland
Ich kann spielen auf meiner Trompete ;
Wir können spielen auf uns'rer Trompete
Tä tä tärä tä tä tärä
Tä tä tärä tä tä
Ich bin ein Musikante
Und komm' aus Schwabenland ;
Wir sind auch Musikanten
Und komm'n aus Schwabenland
Ich kann auch spielen, Wir könn'n auch spielen.
Die Violine. Die Violine.
Sim sam-ser-lim, sim sam-ser-lim,
Sim sam-ser-lim, sim sam-ser-lim,
Sim sam-ser-lim, sim sam-ser-lim,
Sim sam-ser-lim, sim sim.
Ich bin ein Musikante
Und komm' aus Schwabenland ;
Wir sind auch Musikanten
Und komm'n aus Schwabenland
Ich kann spielen auf meiner Flöte ;
Wir können spielen auf uns'rer Flöte
Tü tü tü tü tü tü tü
Tü tü tü tü tü tü tü
Ich bin ein Musikante
Und komm' aus Schwabenland ;
Wir sind auch Musikanten
Und komm'n aus Schwabenland
Ich kann auch schlagen,
Wir könn'n auch schlagen.
Auf die Pauke. Auf die Pauke.
Herum bum bum, herum bum bum,
Herum bum bum, herum bum bum,
Herum bum bum, herum bum bum,
Herum bum bum, bum bum.
Und komm' aus Schwabenland ;
Wir sind auch Musikanten
Und komm'n aus Schwabenland
Ich kann spielen auf meiner Trompete ;
Wir können spielen auf uns'rer Trompete
Tä tä tärä tä tä tärä
Tä tä tärä tä tä
Ich bin ein Musikante
Und komm' aus Schwabenland ;
Wir sind auch Musikanten
Und komm'n aus Schwabenland
Ich kann auch spielen, Wir könn'n auch spielen.
Die Violine. Die Violine.
Sim sam-ser-lim, sim sam-ser-lim,
Sim sam-ser-lim, sim sam-ser-lim,
Sim sam-ser-lim, sim sam-ser-lim,
Sim sam-ser-lim, sim sim.
Ich bin ein Musikante
Und komm' aus Schwabenland ;
Wir sind auch Musikanten
Und komm'n aus Schwabenland
Ich kann spielen auf meiner Flöte ;
Wir können spielen auf uns'rer Flöte
Tü tü tü tü tü tü tü
Tü tü tü tü tü tü tü
Ich bin ein Musikante
Und komm' aus Schwabenland ;
Wir sind auch Musikanten
Und komm'n aus Schwabenland
Ich kann auch schlagen,
Wir könn'n auch schlagen.
Auf die Pauke. Auf die Pauke.
Herum bum bum, herum bum bum,
Herum bum bum, herum bum bum,
Herum bum bum, herum bum bum,
Herum bum bum, bum bum.
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ドイツ語の原詩は相当古くミンネジンガー(宮廷めぐり歌うたい)の歌で何百年も前の歌。一方<山の音楽家>は(第二次世界大)戦後の歌だ。
歌の内容はドイツ語、日本語とも簡単だが、日本語の方が格段にすぐれている。
ドイツ語 - <私は音楽家、シュバーベンからやってきました>
日本語 - <わたしゃ音楽家 山の小りす>
ドイツ語の方は人の音楽家だが、日本語では<小りす>になっている。ドイツ語の方は続いていろいろな楽器が登場してくるが音楽家は人なのだ。一方日本語の方は小(コ)リスに続いてウサギ、小鳥(コトリ)、タヌキが出てきて、それぞれにふさわしい楽器を演奏することになる。
ドイツ語でも日本語でも、この歌のいいところは楽器にしても動物(鳥、昆虫などでもいい)にしても適当に変えられるところだ。楽器の音も当然適当に変える。
シュバーベンはドイツの地名で山というよりは森のようだが、日本語の<森>はイメージが薄い。一方<山>はここでは<家の裏山>のような<山>のイメージがある。<わたしゃ音楽家 山のxxx>はごく簡単だが、大成功だ。
ドイツ語 - <私はバイオリンがひけます。私たちはバイオリンがひけます>
日本語 - <じょうずに バイオリン ひいてみましょう>
これは自己紹介の内容だが、ドイツ語の方は<わたし>に続いて<私たち>が出てくる。日本語の方はここでは<私たち>(同族の仲間)はでてこない。一方<じょうずに xx する>という紹介があり、これは最後の<いかがです? >と呼応している。ドイツ語の方はこのような呼応ななく、当該楽器の音が出てくるだけだ。日本語はこれまた大成功だ。
仲間については最後に<わたしゃ音楽家 山の仲間 じょうずに そろえて ひいてみましょう>を加えて<仲間>の雰囲気を出している。意味がややあいまいだ。複数(小リス、ウサギ、コトリ、タヌキ)とすると<わたしゃ>はおかしいが、<わたしたちゃ>では字余りになってしまう。
楽器名はいたし方ないが、<音楽家>を除けば残りは全てやまとことばだ。
sptt
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