Friday, March 20, 2026

<宅 (たく) >の語源

 

<宅>についてはネット上で 

wiktionaryで

https://ja.wiktionary.org/wiki/%E5%AE%85



呉音: ジャク[ヂャク]
 

ほとんど聞かないが、私が住む香港の広東語では<zaak6 、チャーク または ツァークか>と発音するようだ。

一方、現代中国語(北京語)では<zhái>と発音する。家は<jiā>と発音する。

名詞

  1. (タク)居所住居
  2. (タク)家、家庭
  3. (タク)自分の家、家庭。
  4. (タク)自分主人
  5. (「お宅」の形で)「あなた」の婉曲表現。

いろいろあって、まぎらわしい。5は<お宅では>は尊敬語として<あなた (さま) の家では>になる。<お>がない<宅>では、主に年配の女性が使うようだが謙譲語として<自分の家>になる。拙宅という謙譲語もある。単なる家というよりは<住むむ家>になるか。

他に日常生活で使う語では、自宅、宅配便がある。

さらに、最近はこれも中国語由来のようだが<お宅族>という新語があ理、ついてていけない。

さて、<宅 (たく) >は上記のようにやまとことばではなく中国語由来。

wiktionary では語源説明がないが、中国では普通の家というよりは,,大昔は神聖な家であったようだ。だが 呉音: ジャク[ヂャク] とあるので、いつ頃日本で<宅 (たく) >として使われるようになったのか。

訓読みでは古代から

やか・やけ 

というのがあった。

<み宅 (やけ)>(多分<御宅 (やけ)>というのがあり、<宅 (やけ)>が家で、<み宅 (やけ)>は特別な家。

なぜ中国語由来の<宅 (たく) >を取り上げたかというと、最近携帯でよく見ている中国語ドラマで<宅家>という文字が出てきて、これを調べておもしろいと思ったからだ。ドラマの中での<宅家>の発音は北京語の<zhái jiā>で、何度も出てきた。何度も聞くうちに<zhái jiā>が耳で聞こえるようになった。この中国語ドラマは時代劇で、<倭寇>が出てくる。<倭寇>はAI 概览では

AI 概览
「倭寇」是指13至16世紀期間,活躍於朝鮮半島及中國沿海地區的武裝走私集團與海盜,成員早期以日本人為主,明朝中晚期則包含大量中國人,他們因明朝海禁政策而與沿海商賈勾結進行非法貿易與掠奪。隨後,戚繼光與俞大猷等明軍將領成功平定倭患,此詞在近代常被用作對日本侵略者的蔑稱。 
 
で、ドラマは<明朝中晚期則包含大量中國人>の時代のようだ。日本人と組んだ<悪徳>中国人役人が出てくる。そして現地に住みついた日本人の住む家を<宅家>らしいというのがわかった。「倭寇」の祖国は「倭国」と呼ばれていた。日本のことだ。「倭寇」は歴史も長く、主に中国人のニセ倭国人もからんだ「倭寇」があってたいそう複雑。この時期に<宅>の語が呉音: ジャク[ヂャク] で輸入されたのではないか?
 
Wiki
 
倭寇(わこう)とは、一般的には13世紀から16世紀にかけて朝鮮半島中国大陸の沿岸部や一部内陸、及び東アジア諸地域において活動した日本海賊や私貿易、密貿易を行う貿易商人に対する中国・朝鮮側での蔑称
 
 
sptt
 

 

 

Monday, March 16, 2026

xx合う 複合動詞

 

xx (動詞連用形) 合う>という言い方がある。合う>を使った複合動詞だ。この<合う>に together の意味がありそうだが、そうではない。together はむしろ<共 (とも) に>、<一緒に>だ。

愛し合う  ー to love each other

いがみ合う

打ち合う、たたき合う、なぐり合う ー to hit each other

落ち合う  ー to meet each other

かけあう   慣用表現 each other,  together の意味はない。

からまり合う  ー to tangle (each other, together)

嫌い合う  ー to dislike each other

恋し合う  ー to love each other

殺し合う  殺し合い  ー to try to kill each other

探 (さぐ) り合う

示し合う  慣用用法がある。示し合わせてxxする

取り合う ー to try to to take something each other

にらみ合う

話し合う ー to talk together

見つめ合う ー see each other

持ち合う  ー to share

分け合う ー to share 

だいたいは一人対一人だが、多数対多数、一人対多数でもいい。多数の場合は together ガ使えるようだ。

 <合う>は文字でかくと<合う>と<会う>があるが<合う>は元来 to fit (with) で<似合う>、<会う>は元来 to meet (with) でいずれも each other, together の意味はない。これは面白いことだ。


sptt


心にxx、心をxx、心がxx

 

 前回のポスト<気にxx、気をxx、気がxx>の最後の方で

いくつかは<気>を<心>で入れ替えられるが、意味が違ってくる。また<心>の方はシリアスになるようだ

 と書いたが、どうもそれだけではない。おもしろい課題だ。

このポストが長くなってきたので、今回はこれまでとし、次回のポストで

<気>ガ主で<心>が従、付属となっている。これを逆転させて<心>ガ主で<気>が従としてチェックして、もう少し深入りしてみる。

結論めいたもの先に述べておくと

上の

1)<気>を<心>で入れ替えられるが、意味が違ってくる。また<心>の方はシリアスになるようだ。

 以外に、これも前回のポストで書いたが

2)<心>の方は慣用的な言い方ではないが、なんとかなるのだ。言い換えれば、<心>は<気>よりも汎用性が大きいのだ。

3)上の2)はおもしろい。<気>は <ki> で一音節,一方<心は>は <kokoro> と3音節で長い。 長いが言いずらいことはない。むしろ <kokoro> は響きがいい。

4)<気>はやまとことばのようであるが、中国語由来とも考えられる。

sptt Notes Grammar のポスト<気は心>では

<気>は大和言葉のように使われていいるが、元はれっきとした漢語であると書いている。これは間違いないだろう。だが相当大和言葉化されており、無意識では<気>は<き>の大和言葉だ。<気(け)>は<気(き)>と同じ。多分1)日本に入ってきた時が違う、2)中国語の方言、3)日本に入ってきてから変化した。現代北京語では気(qi)だが広東語では<hei>と発音する。<hei>は<kei>に近い。あるいは昔の(あるいは今でも)中国のある地域では<ke>に近い発音ではなかったか(ないか)。

と書いている。

5)調べてみたら、<気は心>シリーズの最近の”<気は心>か?-2“  (Nov, 2023) で

これまた予想外に<心>を<気>で入れ替えできるものは少ない。<気>と<心>は別物なのだ。違いを大雑把に比べてみると

 (1) <気>は短期的、刹那的。<心>は長期的、永続的。

<楽しい、うれしい>は <気>の現われ。<しあわせ>は<心>の現われ。

中国語では happy を<開心>と訳し、<幸福>は使われないと言っていい。<開心>には<心>の字が使われているが、総じて短期的、刹那的な<楽しい、うれしい>気分のことだ。

 (2) <気>は概して浅薄、薄っぺらだ。一方<心>は深刻、奥が深い。

 (3) <気>は英語の mind 相当。<心>は heart 相当。

以上から、<気は心>の一つの解釈として

気は表面的な意図で、心は隠れた深い思い。気 (意図) がないと始まらないが、大事なのは心だ。心の深さは表面的な意図とは関係ない。

と分析している。

さて<心にxx、心をxx、心がxx>のチェックしてみる。<気は心>シリーズでチェックしたことがあるが、今回は再チェック。

上で

これまた予想外に<心>を<気>で入れ替えできるものは少ない。

と書いているが、これは前回のポスト<気にxx、気をxx、気がxx>のチェックで再確認した。

心にxx(動詞)

心に浮かぶ
心に浮かべる
心に受けとめる  (受け止める、受け留める)
心に置く   <心おきなく>は慣用表現

心にかかる     <気にかかる>と言うのが普通
心に隠 (かく) す
ここに叶 (かな) う
心に決める

心に刺 (さ) さる
心に従 (したが) う
心に沁 (し) みる
心にしまう
心に沿 (そ) う
こころに染 (そ) まる
心にそむく

心に溜 (た) まる
心に誓 (ちか) う
心にとめる (止める、留める)   <気にとめる>という言い方がある。

心になじむ
心にない    心にもない
心に残る、心に残す

心に響 (ひび) く
心にひそむ
心に触れる

心にまかす  心に任 (まか) せる

心にわだかまる

 
何を<慣用的な言い方>と言うかがははっきりしないが、<元の意味からズレているもの>とすると<慣用的な言い方>は決して多くない。大半は<一般的>な言い方だ。おおむね文字通り解釈すればいい。<気にかかる>、<気にとめる>以外は、試してみればわかるが、基本的に<心>を<気>で置き換えられない。これは<気>は汎用性が低いと言える。

 

心をxx(動詞)


心をあかす   心のうちを明 (あ) かす、心をうち明ける、心をうち明ちかす
心を痛 (いた) める
心を動かす    <気を動かす>はまれ。一方、<気を働 (はたた) かす>とは言うが<心を働かす>はまれ。これは、ある意味では<気>は実用的、<心>は実用向きではないとも言える。

心を打つ
心を移 (うつ) す    <心を移 (うつ) す >とはあまり言わないが、<気が移る>、<気が移りやすい>、<移り気 (ぎ) >はよく聞く。<心を移す>と元に戻りそうもないが、<気を移し>てもまた元に戻りそうな感じがある。

心を売る   シリアスな表現だ。
心を置く。  <心置きなく>は慣用表現。ここでは意味を詮索しない。

心を買う    <気を買う>という言い方があるが、軽い感じだ。
心をかすめる
心をきたえる   <気をきたえる>はあまりきかない。<弱気をきたえる>とは言えそう。
心を決める   決心する
心を清 (きよ) める    <気を清める >とも言えそう。だが。<心を汚 (よご) す>とは言えるが<気を汚す>はダメ。
心をくすぐる   軽い感じだが<気をくすぐる>は聞かない。
心を焦 (こ) がす
心を込める   慣用表現  心を込めたxx、心の込もったxx。心を探 (さぐ) る、 心心を探 (さぐ) る、心の内 (うち) を探る

心を騒 (さわ) がす    <気を騒がす>とは言わないが<気が騒ぐ>とは言いそう。<心が騒ぐ>とも言いそう。

心を静 (しず) める   <気を静める>が普通。
こころを占 (し) める
心を染 (そ) める

心を正 (ただ) す
心を試 (ため) す、心を試される これもシリアスな表現だ。
心を尽くす
心を照らす
心をとかす(融かす)
心を解 (と) く   <心を開く>という言い方もある。 
心を閉 (と) ざす 、心を閉 (と) じる

心をはぐくむ  xxの心をはぐくむ  茶道の心をはぐくむ 
心を開く   これもシリアスな表現だ。
心をふくらます

心をまかす(任す)   心をまかせる
心を曲げる     <心を曲げる>と<気を曲げる>は別の意味だ。<気を曲げる>は<へそを曲げる>に近い。
心を見せる
心を満たす
心を乱 (みだ) す    <気を乱す>という言い方もある。
心をむしる
心を燃 (も) やす

心を焼く    <気を焼く>という言い方もありそうだが、意味が違う。
心をゆがめる
心をゆする (揺する)
心をゆさぶる (揺さぶる)
心をゆだねる
心を寄せる

心を分 (わ) ける    <同情する>の意になるか?
心を割 (わ) る    <心を解 (と) >、<心を開く>という言い方もある。

かなり多種の心理描写が出きる。<気>ではこうはいかない。

 

心+動詞、心+が+動詞

心あたたまる、心があたたまる
心痛む、心が痛む
心がいかれる    気がいかれる  いかれる = こわれる
心が痛 (いた) む
心うきうき、心がうきうきする
心が浮く  浮気
心がうずく
心がうめく
心が落ち着く
心がおどる  <心が躍る>と出てくるが<当て字的だ。<心踊る>


心が固 (かた) まる
心が傾 (かたむ) く 
心が腐 (くさ) る    心が腐っている
心がくもる (曇る)
(心が狂 (くる) う)    <気が狂う>が普通。
心が凍 (こお) る  心が凍りつく

心が冷 (さ) める
心が騒 (さわ) ぐ
心が沈 (しず) む    気が沈む
心がしめる (湿る)   気が湿る
心が澄 (す) む

心がすくむ      気がすくむ 
心が済 (す) む    気が済む、気が済まない <気>の方は慣用表現に近い。
心する、注意する、覚えておく ー 気にする、気に掛ける いずれも慣用表現。これも<心>の方が<気>より重みがある。

心がせく(急く)     気が急く

心が高まる      気が高まる
心がたるむ      気がたるむ
心が縮 (ちぢ) む、縮まる    気が縮む、縮まる 
心が咎 (とが) める   気が咎める   <心が咎める>はシリアス。<気が咎める>はやや軽い。

心がときめく

心がなごむ
心が濁 (にご) る 

心がはずむ
心が離 (はな) れる
(心が張る)    気が張 (は) る <気>は糸やロープのような線状のものとして捉えられている。気が張りつめる。<心が張る>はほとんど聞かない。


心が果てる    <心が果てる>はほとんど聞かない。<心が果てて>で<絶望して>になるか?

心が晴れる    <気が晴れる>とも言うが、意味は違う。
心が冷 (ひ) える
心がふくらむ
(心がふれる)   気がふれる = 気が狂う

心がまぎれる   <気がまぎれる>が普通か?
心が乱れる    <気が乱れる>とも言うが、意味は少し違う。

こころ安 / 休 (やす) まる
心がゆるむ    <気がゆるむ>が普通か?
心がゆれる
心が喜 (よろこ) ぶ
心が弱 (よわ) る  <気が弱る>とも言うが、意味は少し違うか。


心+形容詞

心苦しい
心無い
心無し
心細い
こころよい    
心易
(やす) い ー 気易 (やす) い


心+ が + 形容詞

が明るい ー 心が暗い 

が浅い ー 心が深い

が新 (あたら) しい ー 心が古い  気が新しい ー 気が古い いづれもあまり聞かない。 

 が熱 (あつ) い ー 心が冷 (つめ) たい、寒 (さむ) い   ( 気が熱い ー 気が冷たい、 寒い)

が大きい ー 心が小さい   気が大きい ー 気が小さい  <気が大きい>、<気が小さい慣用表現。<気が大きい>は<気が大きくなる>でも使う。

心が固 (かた) い ー 心がやわらかい
心が軽い ー 心が重い   気が軽い ー 気が重い  意味はかなり違う。<気が重い>は慣用表現。<xxするのは気が重い>で<できればxxしたくない>。

(心がきつい ー 心がゆるい)   気がきつい ー ゆるい  <気がきつい>はよく聞く。人の性格。 <ゆるい>は普通<ゆるんでいる>で使われる。

心が清 (きよ) い (きれい)   ー 心が汚 (きたな) い

(心が高い ー 心が低い   気が高い ―気が高い) いづれもあまり聞かない。
心が近い ー 心が遠い   ( 気が近い ― 気が遠い) <気が遠くなる>という言い方がある。

(心が長い ー 心が短い)    気が長い ― 気が短い
(心が早い ー 心が遅い、のろい)   気が早い ー (心が遅い、のろい)  <気が早い>も慣用表現。

心が広い ー 心が狭 (せま) い

心が貧 (まず) しい ー 心が富んだ (でいる)

心がやさしい (優しい) ー 心がきびしい (厳しい)  気が優しい>は慣用表現に近い。人柄 (ひとがら) 描写。

心がやさしい (易しい) ー 心がむずかし (難しい)   この二つははあまり聞かない。   <気がやさしい (易しい)>も聞かない。<気難しい>という言い方はある。これも慣用表現に近い。

心がよい / いい  ー こころが悪い  気がよい / いい  ―気が悪い  <気がよい / いい>は慣用表現。軽いが<心がよい / いい>の意だ。一方<心がよい / いい >はほとんど聞かない。

 人の性格を表すものが多い。

一方感情を表すものは、日本語では何か変だ。


心がうれしい
心が悲しい
心がさびしい
心がさみしい
心が楽しい

 

だいぶ長くなってきたが(ここまで読み進めた人は少ないだろう)、さらに続ける。

 心+の+xx

心の動 (うご) き
こころのうさ
心のうずき
心の内 (うち)
心の奥 (おく)

心のかたすみ、 心の隅 (すみ)
心のかて (糧)
心のきずな

心の支 (ささ) え
心のしみ
心のすき、すき間 (ま)
心の外 (そと)

心のはずみ
心の働 (はたら) き
心の張り   <気を張る>というが、<心の張りを失う>というのも聞いたことがある。
心のひだ
心のほてり

心の迷 (まよ ) い

心の病 (やまい)    <気の病>というのもあるがやや軽い。
心のよすが
心のよりどころ

こころのわだかまり

 

 まだまだいろいろありそう。

 

演歌と<心>

演歌が特に好きというわけではないが、演歌は圧倒的に<気>よりも<心>が歌われていると言っていい。<演歌の心>というのもあるか? 歌の題名候補。

心の酒、心の酒場
心の港
心の止まり木
心の雨
心の涙
心の嘆 (なげ) き

未練 (みれん) ごころ
恋ごころ

 

ザっと思いめぐらしてみたが、<(もの) 悲しい>ものが多いようだ。円満な家族や成就した恋愛の歌は少ないようだ。

 

復習とまとめ

冒頭で

1)<気>を<心>で入れ替えられるが、意味が違ってくる。また<心>の方はシリアスになるようだ。

 以外に、これも前回のポストで書いたが

2)<心>の方は慣用的な言い方ではないが、なんとかなるのだ。言い換えれば、<心>は<気>よりも汎用性が大きいのだ。

<気>と<心>は別物なのだ。違いを大雑把に比べてみると

 (1) <気>は短期的、刹那的。<心>は長期的、永続的。

<楽しい、うれしい>は <気>の現われ。<しあわせ>は<心>の現われ。

中国語では happy を<開心>と訳し、<幸福>は使われないと言っていい。<開心>には<心>の字が使われているが、総じて短期的、刹那的な<楽しい、うれしい>気分のことだ。

 (2) <気>は概して浅薄、薄っぺらだ。一方<心>は深刻、奥が深い。

 (3) <気>は英語の mind 相当。<心>は heart 相当。

以上から、<気は心>の一つの解釈として

気は表面的な意図で、心は隠れた深い思い。気 (意図) がないと始まらないが、大事なのは心だ。心の深さは表面的な意図とは関係ない。

と書いたが 、今回の再チェックで

<気>点、線、<心>は面、固まり (立体)と捉えらないこともない。

例) コジツケ的なものもあるが

心のすき、すき間 (ま)    <すき>、<すき間>は開いた空間で、点や線ではない。

(心をつける)   <気をつける>というが、<心をつける>とは言わない。<つける>は<付ける、着ける>で、<つける>モノ、つけるところは点が想像される。

(こころがつく)   <気がつく>というが、<心がつく>とは言わない。これも<つく>は<付く、着く>で、<つく>モノ、つくところは点が想像される。

(こころがつく)   <気がつく>というが、<心がつく>とは言わない。<つく>は<付く、着く>で、<つく>モノ、つくところは点が多い。

心が固 (かた) まる、心が固 (かた) い ー 心がやわらかい

<固 (かた) まる>、<固い>は通常立体、かたまり上のモノにつての状態、性質を表す。<気が固い>、<気がかたくなる>と普通言わない。<気がかたくなな>とは言いそう。

心がふくらむ   これは頭で想像できるが、<気がふくらむ>は想像が難しい。線、ロープは巾を太くできるが<ふくらむ>感じではない。

心の奥 (おく)、心のかたすみ、心の隅 (すみ) (気の奥、気のかたすみ、気の隅はダメ

場所は小さいが線状ではなく面状、立体状の場所だ。

(心が長い ー 心が短い)    気が長い ― 気が短い  

長い、短いは普通線状のモノについていう。

心の張り   <気を張る>というが、<心の張りを失う>というのも聞いたことがある。

 

 <心の張り>は面。例えば、湖が厳冬時に一面が凍りつような感じが強い。一方<>は縄、ロープ、糸がピンと張った感じだ。

 

また慣用表現の<気は心>のもう一つの解釈として

<気>は隠れている<心>の心情、やまとことばで言えば<心持ち>が表に出てきたモノとも解釈できる。<心>、すなわち隠れている<心>の元来の意味の<心持ち>が重要であって、これは本質的、永続的である。一方<気>は表に出てきたモノ (<気持ち>とも言えるか)で眼に映る。だが、気と心は<表裏一体>というか、<表、中身一体>で、表の出てきた<気持ち>で本質的、永続的<心持ち>が推測できる、と解釈したらどうか?

 

 sptt



 

Thursday, March 12, 2026

気にxx、気をxx、気がxx

 

前々回のポスト

<お目にかかる>と<お目にかける> 

の最後野方で<追記>として

<目>は具体的、身体の一部で<目に見える> が、<気>は抽象的で目に見えない。

として

気+に xx (動詞)
気+を xx (動詞)

という言い方をチェックしてみたが

目+に xx (動詞)
目+を xx (動詞)

という言い方に比べてはるかに多い。おもしろい慣用表現も多い。 このポストでは、さらに

気+が xx (形容詞 (一部形容動詞) 、動詞) 

を加えて総合的にチェックしてみることにした。 やまとことばのおもしろい慣用表現の宝庫とも言える。

 
<気+にxx(動詞)>という言い方

気に入 (い) る

気にかかる 
気にける   気にない
気に食 (く) う   気に食わない
気に障 (さわ) る
気にする    気にしない
気に沿 (そ) う   気に沿わない 
気に留 (と) める  ー <心に留 (と) める>という言い方もある 
気になる   気にならない
気に病 (や) む 

上記の否定な言い方は肯定よりも使用頻度が高いだろう。

<気+をxx(動詞)>という言い方

気を入れる  気合を入れる
気を入れ直す ー 心を入れ直す
気を失う
気を落とす   気を落とさない
気をきかす (利かす)
気を配 (くば) る  気配り ー 心配り
( 気を込める) ー 心を込める
気を静 (しず) める
気をそぐ
気をそらす
気を散らす
気をつける
気を取り直す
気を抜く
気を吐く
気を晴らす
気を引き締 (し) める
気を引く
気を紛 (まぎ) らわす
気を回 (まわ) す
気を乱 (みだ) す    これは自分で乱す
気を乱 (みだ) される  これは他人に乱される
気を揉 (も) む
気を休める ー 心を休める
気を許 (ゆる) す  油断する ー 心を許 (ゆる) す
気をゆるめる
気を良くする
気を悪くする

動詞は他動詞だ。いくつかは<気>を<心>で入れ替えられるが、意味が違ってくる。また<心>の方はシリアスになるようだ。

<気+がxx>という言

い方

<気+がxx (形容詞、一部形容動詞)>

気が荒い ー 気がおだやかだ (形容動詞)
気がある ー 気がない  太郎は花子に気があるようだ。太郎はとんとその気がない。
気が大きい ー 気が小さい
気が多い

fickle {adj.} 気が多い (also: 変わりやすい, 気まぐれな, 浮気, 浮薄, 飽きっぽい, 飽き易い, 儚い, 気紛れな, 気まぐれな) ...



気がおおらかだ (形容動詞)  心がおおらかだ
気がおかしい 
気が重い ー 気が軽い
気がきつい  ー 気がやさしい、気がおだやかだ (形容動詞)
気が強い ー 気が弱い
気が遠くなる
気が長い ー 気が短い
気が早 (はや) い
気が広い ー 気が狭 (せま) い   心が広い ー 心が狭い
(気が難 (むずか) しい) 気難しい
気がやさしい
気がよい


<気+がxx(動詞)>


気が合う
気が荒れる
気が浮 (う) く   浮気 (うわき)
(気がおくれる)   気おくれする
気が収まる    気が収まらない
気が落ち着く
気がきく  ー 気がきかない   <気がきく>は<気が利く>と出てくるが<気が効くく>ではないか? <効く>は<何かの効果をもたらす>だが、広くは<働く>だ。
気が気でない
気が狂 (くる) う
気が騒 (さわ) ぐ
気が沈 (しず) む
気が静 (しず) まる
気がしめる    湿 (しめ) っぽい
(気がすぐれる)  ー 気がすぐれない
気がすさぶ
気が済 (す) む ー 気が済まない
気が進む ー 気が進まない
気がすわる (据わる)   気がすわっている
気がせく (急く)    <せっかち>は<急く>由来か?
気が削 (そ) がれる
気が立つ
(気がちがう)    気ちがい
気が散る
気が咎 (とが) める  心が咎める
気がなごむ
気がはやる
気が張 (は) る
気が晴れる ー 気がくもる
気が触 (ふ) れ合う   心が触れ合う 
気がふれる
気がまぎれる   心がまぎれる
気がまわる  ー 気がまわらない   そこまでは気がまわらない
気が乱 (みだ) れる
気がめいる (滅入る)
気が向く
気が休まる   心が休まる  
気がゆるむ


動詞は自動詞または他動詞の受身だ。以上は主に心理、感情表現だが、<気+が+自動詞>に心理、感情の慣用表現が多いのは<やまとことば>の特徴といっていい。

 

ところで<気>に相当する英語はなにか?

 dictionary.cambridge

簡単には

気 ; 心の働き, 精神. spirit · mind , heart. 気を失う to lose consciousness. やる気を出す to feel motivated ; 気持ち, 感情. intention · mood. 気が変わる to change ...

 <心>は ほぼ = heart 

<精神>はやまとことばではないが. まあ = spirit。   spirit はラテン語由来の英語だ。

とすると 

気 = mind  mind は純英語。heart も純英語。

逆に mind の日本語訳は

 dictionary.cambridge

簡単には

MIND翻譯:(意識、感情、記憶をつかさどる)心、精神, ~を嫌だと思う, ~を気にする, ~に気をつける, 頭(あたま), 知能(ちのう)

これだと

mind = (意識、感情、記憶をつかさどる)心、精神

で心 (heart) 、精神 (spirit) になってしまって説明にならない。

<気>は、上で取り上がた<気にxx、気をxx、気がxx>の数多くの例から、大雑把 (おおざっぱ) には

心理、感情の状態と言える。一部は人の性格。

さてまた、 上で取りあげた<気にxx、気をxx、気がxx>は慣用表現で、いわばセットフレーズだ。言い換えると、元の言葉の意味からズレて居るものが少なくない。ここでは

<気+がxx (形容詞、一部形容動詞)>をとりあげる。

気が荒い ー 気がおだやかだ (形容動詞)

荒い rough, wild

おだやかな / だ   mild, gentle, calm

The mind, the personal character is rough  / mild, gentle, calm.

これらは元の言葉の意味からズレていない。

気がある ー 気がない  太郎は花子に気があるようだ。太郎はとんとその気がない。 

これは慣用表現だ。

太郎は花子に気があるようだ。 Taro seems to have a special mind to Hanako.

太郎はとんとその気がない。 Taro does not seem to  be willing to do so. 

xxする気がある:to have an intention to do xx

気が大きい ー 気が小さい

気が大きい broad-minded, generous だが

馬券が連続して三度も的中したので、気が大きくなっている。というい方がある。 

怖いもの知らず  reckless

<気が小さい>は慣用表現と言えよう。  timid  おくびょうな

気が多い  fickle,to show an interest in too many things

気がおおらかだ (形容動詞)  心がおおらかだ

having a generous mind, big‐hearted.

気がおかしい   crazy

気が重い ー 気が軽い

気が重い   to be depressed、in low spirits, sluggish

気が軽い  in high spirits ではない。

<気が軽くなる>は to feel (become) relieved で、<気が軽い>は<気が軽くなった>状態なので、同じく to feel relieved でいいだろう。

気がきつい  the mind is tough, tough-minded  ー 気がやさしい 、気がおだやかだ (形容動詞)  be kind, generous

気が強い ー 気が弱い

気が強い ー to have a strong mind, brave;  勝気 (かちき) な

気が弱い = <気が小さい>timid おくびょうな;  introvert (内気な)

気が遠くなる  身体的には<気を失う> to faint, to lose consciousness, to pass away

慣用表現では

気が遠くなる話だ。a far away story, a story going far away

気が長い patient  ー 気が短い  inpatient

 気が早 (はや) い ―  (気が遅い、気がのろい、とは言わない)

気が広い ー 気が狭 (せま) い  心が広い  ー  心が狭い   broad minded ― narrow minded

(気が難 (むずか) しい) 気難しい     to be difficult to please, bad-tempered

気がやさしい   having a generous mind, having a kind mind

気がよい   to be good-natured, be of good-nature

<気がよい>は慣用表現。

気を良くする
気を悪くする

気分が良くなる
気分は悪くなる 

 

追加

気が細い ー 気が太い

という言い方はありそうだが、

気が小さい ー 気が大きい
気が弱い ー 気が強い 

という言い方が普通だ。なんでもある、というわけではな。

ありそうでないのは

気が細い (fine) ー 気が太い (bold)

lazy         hard working
気がなまける    気がよく働く (これはなんとかなりそう)

clean            dirty
気がきれい、清 (きよ) い   気がきたない、よごれている

clever, bright     stupid
気がかしこい    気が愚 (おろ) かだ、バカだ

sweet           bitter
気が甘い      気が苦 (にが) い

lucky                  unlucky
気が / はついている、気は運がいい   気が気が / はついていない、気は運がわるい 

good                 bad
気がいい、良い (慣用表現あり)   気が悪い

happy        unhappy
気が楽しい     気が楽しくない

hard       soft
気が固い     気が柔らかい

kind                                                      unkind
気がやさしい (慣用表現ではないが、問題ない)   気が冷たい

warm / hot        cold
気が暖かい、気が熱い    気が冷たい

thin              thick
気が薄い   気が厚い

shallow         deep
気が浅い   気が深い

easy                      difficult
気がやすい ー> 気やすい   気が難しい -> 気難しい

fat, quick                                         slow
気が早い (慣用表現あり)  ―  (気が遅い、気がのろい)

thin                    thick, dense
気が薄い   気が濃い

flat                      rough、hilly, mountainous
気が平たい   気がデコボコだ


切りがなさそうなのでここで切あげる。 

ところがである、<心>使ってみると

心が細い ー 心が太い

心が細い (fine) ー 心が太い (bold)

clean            dirty
心がきれい、清 (きよ) い   心がきたない、よごれている

sweet           bitter
心が甘い      心が苦 (にが) い

good         bad
心がいい、良い    心が悪い

happy      unhappy
心が楽しい     心が楽しくない

hard       soft
心が固い     心が柔らかい

kind                unkind
心がやさしい   心が冷たい

warm / hot           cold
心が暖かい、気が熱い    心が冷たい

thin              thick
心が薄い   心が厚い   普通は<情 (じょう、なさけ) が薄い>、<情が厚い>

shallow         deep

心が浅い   心が深い

easy                      difficult
心がやすい ー> 心やすい   (心が難しい -> 心難しい)

fat, quick               slow
心が早い     (心が遅い、心がのろい)

thin                    thick, dense
心が薄い   心が濃い

flat                      rough、hilly, mountainous
心が平たい   心がデコボコだ

 

でなんとかなるものが多い、ただし慣用的な言い方ではないが、なんとかなるのだ言い換えれば、<心>は<気>よりも汎用性が大きいのだ。ここが肝心。

上で

動詞は他動詞だ。いくつかは<気>を<心>で入れ替えられるが、意味が違ってくる。また<心>の方はシリアスになるようだ

 と書いたが、どうもそれだけではない。おもしろい課題だ。

このポストが長くなってきたので、今回はこれまでとし、次回のポストで

<気>ガ主で<心>が従、付属となっている。これを逆転させて<心>ガ主で<気>が従としてチェックしてみる。としたが、もう少し深入りしてみる。

 

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