<お世辞ことば>については少し前にの中国語の<客套話>とからめて書いたが、どうも
お世辞ことば=客套話
ではないようだ。 客套話は日常よく使われる挨拶言葉、セットフレーズなのだ。
お世辞ことば、お世辞を言う
関連では
おべっかを言う
へつらう 諂う
こびる 媚びる
おもねる 阿る ー 人の気に入るように振る舞う。へつらう。「上役におもねる」
取り入 (い) る
といったやまとことばがある。<諂う><媚びる>、<阿る>は当て字で、<諂う>、<阿る>は読める人は少ないから<ひらがな>でいい。
胡麻をする
は漢語の胡麻があるがほとんどやまとことばだ。
機嫌を取る
も機嫌と漢字があるが和製漢語のようだ。ネット中国語辞典出は出てこないー查無資料。
さてここでは<おべっか>をとり上げる。
おべっか:人の機嫌を取ろうとしてへつらったり、軽薄なお世辞を言うこと。
<おべっか>の語源はネット上ではいくつかあるが説得力は<いまいち>。
<おべっか>は<へつらう>の<へつ>由来ではないか。特に理由はなく、単純に<お>接頭辞、<か>接尾辞。 だがこれでは説得力が<まったくない>。
<べったり>という言葉がある。<おべっか>の意味では<追従>という漢語がある。文字通りでは<追いかけて従う>なので<べったり>の感がある。
べったり ー> おべった ー> おべっか
はどうか。 <おべっか>は促音なので関東方言。関西では<おべんちゃら>と言うようだ。
<へつらう>をチェックしてみると
[初出の実例]「其れ諂(ヘツらひ)詐く者は、則ち国家を覆(くつかへ)す利(と)き器なり」(出典:日本書紀(720)推古一二年四月(岩崎本訓))
というのがあり由緒あるやまとことばだ。
<諂>の字は見慣れないが、<陥>の字は<陥れる、おとしいれる >に当てられている。いづれにしても、<詐く、あざむく>と合わせて使われているのでいい意味ではないだろう。
「其れ諂(ヘツらひ)詐く者は、則ち国家を覆(くつかへ)す利(と)き器なり」は中国由来だろう。
さて、話は少し横道にそれるが、<お世辞を言う>、<機嫌を取る>関連の中国語には<討好>という言葉がある。
討好 (tǎo hǎo) : 為得到好感或討人喜歡而去迎合某
<討>はクセモノで<討人喜歡>で<人を喜ばせる>。対照的な<討嫌>という言葉もあり
討嫌 tǎo xián 惹人厭煩嫌惡;討厭 ー <人を嫌 (いや) な気分にさせる>
討厭は日常、ドラマでよく聞く。特に女性が言うのが多いようだ。
<嫌>の字は<嫌 (きら) う>、<嫌 (いや) な>で使われる。
sptt