Thursday, August 22, 2024

お世辞ことばー2<おべっか>の語源

 

<お世辞ことば>については少し前にの中国語の<客套話>とからめて書いたが、どうも

お世辞ことば=客套話

ではないようだ。 客套話は日常よく使われる挨拶言葉、セットフレーズなのだ。

お世辞ことば、お世辞を言う

関連では

おべっかを言う  
へつらう 諂う
こびる  媚びる
おもねる 阿る ー 人の気に入るように振る舞う。へつらう。「上役におもねる」
取り入 (い) る

といったやまとことばがある。<諂う><媚びる>、<阿る>は当て字で、<諂う>、<阿る>は読める人は少ないから<ひらがな>でいい。

胡麻をする

は漢語の胡麻があるがほとんどやまとことばだ。

機嫌を取る

も機嫌と漢字があるが和製漢語のようだ。ネット中国語辞典出は出てこないー查無資料。

 

さてここでは<おべっか>をとり上げる。

おべっか:人の機嫌を取ろうとしてへつらったり、軽薄なお世辞を言うこと。

<おべっか>の語源はネット上ではいくつかあるが説得力は<いまいち>。

<おべっか>は<へつらう>の<へつ>由来ではないか。特に理由はなく、単純に<お>接頭辞、<か>接尾辞。 だがこれでは説得力が<まったくない>。

<べったり>という言葉がある。<おべっか>の意味では<追従>という漢語がある。文字通りでは<追いかけて従う>なので<べったり>の感がある。

べったり ー> おべった ー> おべっか

はどうか。 <おべっか>は促音なので関東方言。関西では<おべんちゃら>と言うようだ。 

<へつらう>をチェックしてみると
 
[初出の実例]「其れ諂(ヘツらひ)詐く者は、則ち国家を覆(くつかへ)す利(と)き器なり」(出典日本書紀(720)推古一二年四月(岩崎本訓))
 
というのがあり由緒あるやまとことばだ。 
 
<諂>の字は見慣れないが、<陥>の字は<陥れる、おとしいれる >に当てられている。いづれにしても、<詐く、あざむく>と合わせて使われているのでいい意味ではないだろう。

 「其れ諂(ヘツらひ)詐く者は、則ち国家を覆(くつかへ)す利(と)き器なり」は中国由来だろう。

さて、話は少し横道にそれるが、<お世辞を言う>、<機嫌を取る>関連の中国語には<討好>という言葉がある。

討好 (tǎo hǎo) : 為得到好感或討人喜歡而去迎合某

<討>はクセモノで<討人喜歡>で<人を喜ばせる>。対照的な<討嫌>という言葉もあり

討嫌 tǎo xián 惹人厭煩嫌惡;討厭 ー <人を嫌 (いや) な気分にさせる>

討厭は日常、ドラマでよく聞く。特に女性が言うのが多いようだ。

<嫌>の字は<嫌 (きら) う>、<嫌 (いや) な>で使われる。

 


sptt

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