Thursday, March 14, 2013

証明のやまとことば


sptt やまとことばじてん>第一回ポストで<導出について>といた。しばらく数学から離れていたので今回は数学の最重要作業と思われる<証明>のやまとことばについて考えてみる。<論証>(論理的な証明の略)という言い方もあるが
<証明>のほうが簡潔でいいし十分だ。

 <証明>のやまとことばは<あかし>だろう。<あかし>は耳で聞きいてもいい言葉だが、残念ながら数学の説明のなかで<あかし>が使われているのは見たことがない。<あかし>は大体次のように使われているようだ。 

1)無実の<あかし>をする(たてる)。 身のあかしを立てる
2)手品のたね<あかし>。

どうも1)は理性的というよりは心情的な使われ方、2)は権威が足りないようだ。

動詞は<あかす>で

無実をあかす。
身の潔白をあかす。 
たねをかせば、

さて、以上はひらがなを用いたが、コンピュータワープロの漢字変換では

あかし --> 証
あかす --> 明かす

となり<あかし>、<あかす>で<証明>となる。

なぜ<あかし>が耳で聞きいてもいい言葉なのかは <a-ka-shi>という開口音<a>の多い発音と <あかるい(a-ka-ru-i)>、<あきらか(a-ki-ra-ka)>といった意味の語との連想からだろう。<身のあかしを立てる>もいいやまとことば表現で、この場合<あかし>は<正しさ>になり、<証明>にまさるより根源的な言葉だ。



sptt

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