Saturday, August 3, 2013

<考える>の語源


<考える>の語源について時々考える(思いをめぐらす)が結論は出ない。このポストは中間報告。

<かんがえる>の<える>は大和言葉だが<かんが>がよくわからない。文語だが<かんがみる(鑑みる)>という言葉がある。<かんが>+<みる>だ。<みる>は大和言葉の<見る>だろう。 <かんがみる>も<かんがえる>の意味に近いが<見る>があるので、<見る>感じがある。
<かんがえる>は現代語で、昔は<かんがう(ふ)>。 <かんが>+<みる>は<鑑みる>と書いてしまうと見えなくなるが、<かんがう(ふ)>の連用形<かんがい(ひ)>+<みる>だろう。だがこの<かんが>がよくわからない。<える(うる)>は可能の意か、または<得る>(手に入れる)の意だろう。


推定 1)

<かんが>の<かん>は大和言葉ではなく漢語の可能性が高い。大和言葉の<xxん>は限られているが、<xxん>の漢語は多い。また昔の日本人は耳がよく<xx>と<xxng>を明確に区別してたので、<かん>すなわち<kan>だ。<kang >は<かう>になる。

中文のコンピュータワープロの(http://dict.cn/en/search/)<kan>は

看,砍,堪,刊,坎,槛,勘,阚,侃,瞰,龛,戡,莰,凵

もっともそれらしいのは<看>(見る)。<看>は現代北京語で、昔は<見(現代北京語 jian)>。
<勘>も候補でコンピュータワープロの解説(現代中国語)は

Define :
1. to investigate
2. to survey
3. to collate


カンがいい>、<カンを働かす>の<カン>はこの<勘>だ。但し<第六カン>の<カン>は<第六感>で、<カンがいい>、<カンを働かす>はがいい>、<感を働かす>が間違いとは言い切れない。また<かんじん>は<肝心>。漢語由来の<カン>が多いので日本人の頭の中で<カン>は明確に区別されていないだろう。

kang >は<かう>だが<かんが(ga)>となっているので<kang>を一応調べてみる。

抗,炕,扛,抗 .... まだあるがそれらしいのはない。これはむしろ<gang>だろう。

刚,钢,纲,港,刚... まだあるがそれらしいのはない。念のため<gan>を調べてみる。

干,赶,感,敢,竿,甘,肝,干 ... まだあるが、関連ありそうなのは<感>と<敢>。

さらに<kuan><kunag><guan><guang>も調べてみる。現代日本語ではこれらもすべて<カン>となる。いつごろからこうなったのかは重要だ。

kuan - 款,宽,髋

kunag - 矿,筐,狂,框,况,旷 .... まだあるがそれらしいのはない。

guan -  关,管,官,观,馆,惯,罐,冠 ... まだあるがそれらしいのはない。

关(関),管,观(観)は関連ありそう。 しかも<g>のない<guan>だ。現代日本人で关(関),管,观(観)を<クワン>と発音するひとはなくすべて<カン>が。中国語では<kuan><guan>の区別(k と g)以上に<クワン>と<カン>の区別は重要でまったく違う発音。

guang - 光,广,逛,犷.... まだあるがそれらしいのはない。

一方現代中国語の<考(発音は kao 四声無視)>は依然として<考える>の意味はあるが、日本語の<考える>とは違う。よく耳にするのは<考虑>(考慮)と<考试>(試験)。<kao>は<かん>の<kan>、<かんが>の<kang>と発音上関係がないとはいいきれない。昔の日本人の耳には<kang>、<gang>は<かう(kau)> と聞きえたのだ。ちなみに現代広東語の<考>は<hau>と発音。

<かん>は漢語として問題は<かんがう(ふ)>の<かん>の次の<がう(ふ)>だ。 (現代語でいえば<かんがえる>の<かんが>の<が>だ)。

<かう(ふ)>は<交(まじ)わる>の意がある。行きかう、飛びかう。他動詞は<かわす>。言いかわす、取りかわす。

<かん>を<かう(ふ)>で<かんかう(ふ)>。濁音便で--> 濁音便で<かんがう(ふ)>となる

<かう(ふ)>にふさわしい<かん>を探すと<勘>になる。上で述べたが、<カンを働かす>のカンはこの<勘>だ。 <勘>はこの場合動詞ではなく名詞。中国は動詞も名詞も基本的に発音も同じ。だが逆にを働かす>という表現と<勘がえる>はどうも結びつけにくい。

感(gan)、関(guan)、観(guan)も候補。


結論としては

<かんがえる>の方も<かん(勘、漢語名詞>+<かう>の連用形<かい(がい)>+<える> --> かんがえる

意味としては<調べを交わして得る>。<える>は可能ともなるが、この場合は<得(え)る>だろう。


 推定 2)

かんがえる

<かん> +<かう>の使役<かえる>(交(まじ)える) - (濁音便 )-><がえる>。

 意味としては<調べを交(まじ)える>。

かんがみる

<かんがえ>+<みる> -> かんがみる

かんがえ(調べを(まじ)え)見る


 推定 3)

<かん>が漢語の<勘>でない場合。 

guan)がえる - 感を交(まじ)えて得る、感を交(まじ)える
guan)がえる - を交(まじ)えて得る、を交(まじ)える


 推定 4)  

<がえる(かえる)>は<加(くわ)える>

勘(を)くわえる
(を)くわえる
观(観)(を)くわえる


sptt




 

No comments:

Post a Comment