<考える>の語源に続いて<おぼえる>の語源について考えてみ
る。<おぼえる>は漢字でかくと<覚える>で少なくとも二つの意味がある。
1)記憶する
2)やや古くさい言い方だが<寒さを覚える>、<痛みを覚える>などの使い方で、現代風には<感じる>とほぼ同じ。
推論-1
前に<える>関連の別ポストで次のように書いて検討課題として残した。
”思う(古くは、おぼゆ、おもほゆ) - おぼえる(覚える、と漢字を使うと見えなくなる)
思う - 思いえる --> 思える
(可能)
<思う>は五段活用だが<おぼゆ>、<おもほゆ>
何活用か?<おぼわず>、<おもほわず>だと五段活用、<おぼえず>、<おもほえず>とも言いそうで、下一段活用になる。思える
(可能)、<思わせる>は使役になる。
おぼえる - 思(ひ)える、思って得る (?)
(別途検討)
”
<おぼえる>と関連がありそうなのは<思える
(可能)>。<おもえる>、<おぼえる>で一語の違い。あるいは<m>と<b>の違いだ。発音の転移が起こってもおかしくない(*)。しかし<思える
(可能)>と<記憶する>や<感じる>との意味の転移はどうか?
(*) さみしい - さびしい、せまい - せばめる、せばまる
<おぼえる>を可能の<思える>ではなく、<思(ひ)える(思って得る) <-- <おぼい(ひ)える>の変化とすると、これは<記憶する>や<感じる>に通じる。前者は大和言葉、後者は漢語由来だ。<感じる>は<感ずる>、<感>+<する>。
おぼい(ひ)える --> おぼえる、変化は容易だ。
推論-2
<帯(お)びる>という言葉がある。古語は<帯(お)ぶ>。意味は<何かを持つ、何かの特徴を持つ>で、あまり使わないが、<おびる>自体すでに<持つ>という意味があり、重要語だ。古いが<剣を帯びる(佩びる)>、<赤みを帯びる(佩びる)>というい方もある。
おぶ --> おびえる
--> おぼえる、と変化。<おぶ>はモノだけでなく抽象的なコトも<おびえる>(持てる)。<おびえる>には別の意味(<あびやかす>のグループ)が、混乱を避けて<おぼえる>となった。
sptt
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