Friday, March 27, 2015
<拡大-縮小 >のやまとことば、<すぼみ>について
<拡大-縮小 >のやまとことばを調べてみる。文字通りでは、<拡大>は<広(ひろ)げおおおきくする>、<縮小 >は<縮(ちぢ)め小さくする>になるが、実際にこう言うことはまずない。長すぎるのだ。それでは少しは端折って(はしょって)
拡大 - 広げる
拡大 - 大きくする
縮小 - 縮(ちぢ)める
縮小 - 小さくする
はどうか?いずれも比較的よく使うようだ。とくに<ひろげる>はこなれたやまとことばだ。一方<ちぢめる>は使い道がかぎられているようだ。
1次元(1D)、2次元(2D),3次元(3D)で調べてみる。
1D - 伸(の)ばす / ちぢめる。 <大きくする / 小さくする >はややおかしい。
2D - ひろげる / ちぢめる; 大きくする / 小さくする。
3D - ひろげる / すぼめる、ちぢめる; 大きくする / 小さくする。<ちぢめる>がややおかしい。
個人差があると思うが、大体以上のようになる。
また以上は他動詞で調べたが自動詞では
1D - のびる / ちぢまる。 <大きくなる / 小さくなる >はややおかしい。
2D - ひろがる / ちぢまる。大きくなる / 小さくなる。<ちぢまる>は<洗濯モノがちぢまる>と言う。
3D - ひろがる / すぼまる、ちぢまる; 大きくなる / 小さくなる。<ちぢめる>がややおかしい。
体言(名詞)化
1D - のび / ちぢみ。 <大きくなる / 小さくなる >はの体言化はダメ。
2D - ひろがり / ちぢみ、ちじまり。<大きくなる / 小さくなる >はの体言化はダメ。
3D - ひろがり / すぼみ、ちぢみ、ちじまり。<ちぢみ、ちぢまり>がややおかしい。<大きくなる / 小さくなる >はの体言化はダメ。
<すぼみ>について
動詞の<すぼむ>は<口をすぼめる>、<身(肩)をすぼめる>などで使われるが、さほどよく使われる動詞ではない。やや発音しにくいとことろもある。具体的に は(大きいもの)を<小さくする>、(広がったもの)をを<小さくする>の意で<広げる>のは反義語といえそうだが、<広げる>の反義語には<ちぢめる>、<せばめ る>、<(おり)たたむ>、やや意味が離れるが<閉(とじ)る>、<巻く>、<込(こ)める>などがある。
<ひろがり>は<空間のひろがり>、<意識のひろがり>などのように使い、いいやまとことばだと思うが、<すぼみ>はほとんど使われない。<空間のすぼみ>、<意識のすぼみ>はわるくない。
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参考に英語ではどうか?
広げる - to enlarge 自動詞(広がる)も to enlarge でいいと思うが自信がなければ to become (get) large(er)。 ラテン語系では to expand がある。
ちぢめる - to shrink、to shorten (1D)、自動詞(ちぢまる)も to shrink。 to shorten (1D)でもいいと思うが自信がなければ to become (get) short(er)。ラテン語系では to contract がある。
すぼめる、すぼむ(3D) - これは英語でも to shrink となる。
やや学問的になるが
広がる(3D) - to diverge ただし、これは正確には<中心から四方八方へ広がる>の意だ。
すぼむ(3D) - to converge ただし、これは正確には<中心に向かってすぼむ>の意だ。
sptt
Sunday, March 22, 2015
<みやび>と<ひなび>について
<みやび>と<ひなび>は名詞(体言)だが、そのままではあまり使われない。特に<ひなび>は聞いたことがない。大体は形容詞形や形容動詞形で使われる。<みやびやかな>、<ひなびた>。<みや>+<び>、<ひな>+<び>で対応し、<みや>、<ひな>は語幹のようだが、<ひな>は古語に近いが<ひな>だけで名詞(体言)(田舎の意)になる。一方<みや>は<みや>だけでもなんとなくいみは感じられるが<みやこ>、<みやびやかさ>、そして<みやび>としないとダメのようだ。
一方<ひなびる>、<ひなびた>はいいが<みやびる>、<みやびた>は聞かない。しかし大昔は<みやぶ>、<ひなぶ>とか<みやぶる>、<ひなぶる>いう動詞があったであろう。ただし連用形の体言化では<みやび>だけが残っている。ひなび(ダメ)、みやぶり(ダメ)、ひなぶり(ダメ)。だが、<ひなび>はあったほうがいいようで、けっして悪くはない。使えると便利だろう。また過疎地の田舎の復活に役立ちそう。
<みやび>、<ひなび>は抽象化名詞(体言)と言える。<みやびがある>、<みやびが感じられる>とは言えそうだが、<ひなびがある>、<ひなびが感じられる>はダメで<ひなびた感じだ>とでもなるか?<ひなび>には抽象化されているためか<ひなびた感じ>の感がうすいようだ。
<xx ぶ>、<xx ぶる>の動詞には
動詞 - 連用形の体言化
あそぶ - あそび
あぶる - あぶり
あらぶる - あらび(?)、あらぶり (?)
えらぶる - えらび(?)、えらぶり(?)
かぶる - かぶり
ころぶ - ころび
たかぶる - たかぶり
ならぶ - ならび
はこぶ - はこび
ほころぶ - ほころび
ほろぶ - ほろび (ほころぶ-ほろぶ、は関連がありそう。
よろこぶ -よろこび
がある。
<XX ぶる>は<XX のようにふるまう、みせる>で一般化できるものがある。<ぶりっこ>は説明がいらないようだが、<いい子ぶる>、語源はしらべていないが、<かまととぶる>が元の動詞形か。
<みやび>と<ひなび>に似た抽象化ということでは
わぶ(わびる) - わび
さぶ(さびる) - さび
がある。
<みや>関連語 - みやび、みやびな、みやびやかな、おみや(お宮)、みやびと。<みやげ>は<あげる>由来か?
<ひな>関連語 - ひなびた、ひなびる。ひな菊(?)、ひな祭り(?)、おひなさま(?)。<ひな>と<雛>は関連があるのか?
sptt
Monday, March 2, 2015
もったいない、もったいぶる
<もったいない>は日常よく使う。<もったいぶる>、これと似た意味の<もったいをつける>もたまに使う。やや古くは<もったいらしい>という形容詞があったようで、したがって<もったいらしく>という副詞もあったのだろう。
手もとの辞書によると<もったい>は<勿体>で漢語由来だ。<勿>は<XX( し)ない>の意で、おもに否定の命令に出て来る。例: 请勿xxx。<体>は<正体>の意。したがって、<勿体ない>は二重否定で、<正体がない、がない>で、理論的には<体(正体)>の意になるが、もったいない = 体(正体)では何のことだかわからない。<勿体ない> = <正体がない、がない>とはいったいどういう意味か?
<正体>は<正体を見せる>のように使われるので、この<正体>は単純な<真実、本当のモノ、コト>というよりは<普通は見えない、かくれている真実、本当のモノ、コト>だろう。<もったいぶる>はこれで説明できる。<実際はないのだが、真実、本当のモノ、コトがかくれているように見せる>のだ。ある種のテクニックで、クセになっている人もいるが、ほめられたクセではない。まあ、中身(中味)がない人とみなされる。
では<もったいない(勿体ない)>はどう説明したらいいのか? <もったいない>は<本来有効に使われるべきモノ、コト、人が有効に使われていない>状態を表わすようだ。<もったいないことをした>は<本来得られるべきものが、何かの事情で得られなかった>状況を表わすようだ。いづれにしても仮定法の世界だ。<普通は見えない、かくれている真実、本当のモノ、コト>を使えば<見えない、かくれている真実、本当のモノ、コト>が現れていない(いなかった)>、ということになる。
AがBに好意的なことをしようと申し出たとき、BはAに対して<それはもったいないことです>というかもしれない。これはどういうことか?<それは(あなたにとって)無駄なことになるかもしれません>のような意になるが、いこれはいわゆる謙譲表現だろう。
sptt
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