Monday, March 2, 2015
もったいない、もったいぶる
<もったいない>は日常よく使う。<もったいぶる>、これと似た意味の<もったいをつける>もたまに使う。やや古くは<もったいらしい>という形容詞があったようで、したがって<もったいらしく>という副詞もあったのだろう。
手もとの辞書によると<もったい>は<勿体>で漢語由来だ。<勿>は<XX( し)ない>の意で、おもに否定の命令に出て来る。例: 请勿xxx。<体>は<正体>の意。したがって、<勿体ない>は二重否定で、<正体がない、がない>で、理論的には<体(正体)>の意になるが、もったいない = 体(正体)では何のことだかわからない。<勿体ない> = <正体がない、がない>とはいったいどういう意味か?
<正体>は<正体を見せる>のように使われるので、この<正体>は単純な<真実、本当のモノ、コト>というよりは<普通は見えない、かくれている真実、本当のモノ、コト>だろう。<もったいぶる>はこれで説明できる。<実際はないのだが、真実、本当のモノ、コトがかくれているように見せる>のだ。ある種のテクニックで、クセになっている人もいるが、ほめられたクセではない。まあ、中身(中味)がない人とみなされる。
では<もったいない(勿体ない)>はどう説明したらいいのか? <もったいない>は<本来有効に使われるべきモノ、コト、人が有効に使われていない>状態を表わすようだ。<もったいないことをした>は<本来得られるべきものが、何かの事情で得られなかった>状況を表わすようだ。いづれにしても仮定法の世界だ。<普通は見えない、かくれている真実、本当のモノ、コト>を使えば<見えない、かくれている真実、本当のモノ、コト>が現れていない(いなかった)>、ということになる。
AがBに好意的なことをしようと申し出たとき、BはAに対して<それはもったいないことです>というかもしれない。これはどういうことか?<それは(あなたにとって)無駄なことになるかもしれません>のような意になるが、いこれはいわゆる謙譲表現だろう。
sptt
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