Sunday, December 27, 2015

<いじめ>と<いやがらせ>について


A. <いじめ>について

<いじめ>は名詞(体言)で動詞が<いじめる>。<まる-める>動詞とすると、<いじまる>という自動詞があるはずだが、<いじまる>は聞かない。<いじめる>は<xx をいじめる>で純他動詞だ。

<まる-める>動詞の例では

からまる - からめる (からむ、からみ)
くるまる - くるめる (くるむ、くるみ)
たまる - ためる (たむ、ため) 溜(貯)める

があるが、片方しかない動詞もある。

XXX - 眺(なが)める (ながむ 、ながめ)
はさまる - XXX  (はさむ、はさみ)


<いじめる>は昔は<いじむ>と言っていたかもしれない。

さて<いじめる>の意味だが、<自分よりも弱いもの(動物、ひと)を力ずくで、いやがることをむりやり xx させてたのしむ>といった意味だ。<(相手が)いやがること>、<(自分が)たのしむ>があるのが特徴的だ。英語では to bully がほぼ相当するが、英語では名詞の<いじめ>も同形の bully だ。数えにくいし、直接目には見えず、さわることもできないので、文法的には不加算抽象名詞か。<いじめる>は人間特有の行為のようだ。心理的にもう少し詳しく言うと<自分よりも弱いもの(動物、ひと)を意図的に、意識して力ずくで、むりやり xx させてたのしむ>ということになる。

<いじ>関連では<意地が悪(わる)い>、<意地悪(わる)>がある。<意地悪をする> の行為は<いじめる>に近い。だが<いじめる>の<いじ>はこの<意地>に関連しているのか。<意地>は発音からすると漢語由来のようで、やまとことばではなさそう。一方<いじむ>の<む>、<いじめる>の<める>に<悪(わる)>の意はない。おそらく<いじめる>は<意地悪(わる)>の<意地>とは関係ないだろう。


<意地>関連では<意地が汚(きたな)い>、<意地汚い>、<意地を張る>、<意地っ張り>があるはが否定的な意味合いだ。中立なのでは<意地を通す>、<(男としての)意地がある>がある。<意地>がないのは<意地ない>ではなく<意気地(いくじ)がない>、<意気地なし>だが、この場合の<意地>、<意気地>は肯定的な意味になっている。人の心理は複雑だが、<意地>を使った表現も複雑だ。


B. <いやがらせ>について

<いやがらす>、<いやがらせる>という動詞はありそうだが、ほとんど聞かない。<いやがらせ>の動詞は<いやがらせをする>だ。<いやがらせをする>は<他人のいやがることをする>の意で、これまた人間特有の行為のようだ。これまた心理的にもう少し詳しく言うと<他人のいやがることを意図的に、意識して、わざわざする>ということになる。

<いや>の品詞は調べていないが、<xx は(が)いや>は何か。<xx は(が)いやだ>は<いや>を語幹として<だ>がついたいわゆる形容動詞。<いやな奴>の<いやな>、<いやになる>の<いやに>と形容動詞の活用になる。これは<xx は(が)好き>、<xx は(が)好きだ>の<好き>に対応する。

<いやみ>は<いやむ>という動詞がないので連用形の名詞(体言)用法というよりは<いやな味>の意か?<いやがらせ>の意と似かよったところがある。

いやみな奴
いやみで言う

というような使い方だ。


<いじめ>も<いやがらせ>も人間性にもとる好ましくない言動だが、しばしば耳にし、目にする。人間のサガか?世間一般のみならず国際間でもある。少ない方が住みやすい。


sptt




No comments:

Post a Comment