前に書いた ”<たくさん>の語源” はやまとことばに捕らえられていため、かなりの無理、こじつけがあった。<たくさん>は漢語由来だろう。
前半の<たく>は贅沢(ぜいたく)、潤沢 (潤沢)の<沢(たく)>だろう。
贅沢、潤沢は前半の漢字< 贅>、<潤>に<たくさん>の意味がある。<贅>は見慣れない漢字で、書けない人が多いだろうが<贅(ぜい)をつくす>の<贅>だ。<潤>はやまとことば読みにすると<潤(うるお)う>だ。一方後半の<沢(たく)>はさんずいがありやまとことば読みは<沢(さわ)>で、<水がある所>の意か。<水がかれている>ところは<さわ>とは言わないだろう。以上の漢語から、連想がはたらくと<たく>に<たくさん>の意があることになる。
では<たくさん>の後半<さん>はなにか。
関西方言と思われるのに<ぎょうさん>という言い方があり、よく聞く。漢字は<仰山>だが、<仰ぎ見る山のように>で<たくさん>の感じはあり、まったくの当て字ともいえないようだ。<仰々しい>は<おおげさ>、<やりすぎ>の意で<贅沢>と通じるところがあるる。
問題は<さん>だが、<山(やま)>ではなく接尾辞の<様(さま)>由来の<さん>だろう。<様(さま)>は人につく敬語(敬称)だが<様子(ようす)>でもある。
以上でだいたい<つじつま>があう。
ところで<たくさんある>の<たくさん>と<もうたくさんだ>の<たくさん>は標準語(東京方言)ではイントネーションが違う。
これは耳が相当よくないと聞き分けらない。
sptt
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