Wednesday, March 25, 2020
一度、二度、三度、、ひとたび、ふたたび、みたび
1,2,3 のやまとことばは
ひとつ、ふたつ、 みっつ
ひとでは
ひとり、ふたり、三人(さんにん)、(みたり、は聞かない)、よったり
場所では
ひとところ、<ふたところ、みところ>は聞かない。
一度、二度、三度、 ひとたび、ふたたび、みたび
<たび>は度、同じ(ような)ことがくりかえされる、つまりはサイクルをあらわす。これは時系列だ。頻度は聞くが、度数はあまり聞かない。
見るたびに
来るたびに
日曜のたびに
失敗するたびに
成功するたびに
以上もサイクル性があるが、後に続く表現内容に制約がある。英だと Everytime xxxx。
一回、二回、三回、 ひとたび、ふたたび、みたび
一次、二次、三次、
一順、二順、三順
回、次、順はサイクルもあるが、順序もある。だが順序だとあとでで見るように汎用性の高い<め(目>がある。
一回め、二回め、三回め
ひとたびめ、ふたたびめ、はほとんど聞かない。みたびめ、よたびめは聞く。
一方やまとことばの
ひとまわり、ふたまわり、みまわり
はサイクルだ。そして
ひとまわりめ、ふたまわりめ、みまわりめ、はOKだ。
<ひとたび>は<ひとたびxxすると>という言い方がある。
<ふたたび>は<また、またぞろ>、再度(さいど)
さらには
たびたび、いくたび(いくたびも、いくたびか)、xxのたび、xxするたび
という言い方がある。
<ごと>は似ているようだが<たび>の代わりにならない。サイクル性がないようだ。
日ごとに
月ごとに
年ごとに
以上の例ではサイクル性ではなくステップ性(段階性)があるようだ。<ごと>はコンピュタワープロでは<毎>がでてくるが
毎日、毎月、毎年と<日ごとに、月ごとに、年ごとに>は違う。
毎日 - every day
毎月 - every month
毎年 - every year
場合によるが
日ごとに - each day
月ごとに- each month
年ごとに- each year
で間に合うか。
日ごとに日が長くなる。 Day time becomes longer and longer each day.
月ごとに収入が増えていく。 (My) income increases every month (each month).
年ごとにに老いていくのがわかる。 I recognize that I am getting older and older (aging) each year.
だが
日曜ごとに
見るごとに
失敗するごとに
成功するごとに
は可能で、これらもサイクル性があるが、後に続く表現内容に制約があり、<たび>とは違うようだ。
日曜ごとに洗濯する、電話する。 (単純、中立表現)
日曜のたびに洗濯する、電話する。 (習慣化か?)
花子は見るごとに綺麗(きれい)になる。 (なにか変だ)
花子は見るたびに綺麗(きれい)になる。
失敗するごとに学ぶところがある。 (単純、中立表現)
失敗するたびに学ぶところがある。 (習慣、因果関係?)
成功するごとにおごっていく(尊大になる)。
成功するたびにおごっていく。
この二つはほぼ同じニュアンスのようだが、上記の<単純、中立表現>は 文法上重要だ。
ことあるごとに <ことあるたびに>はOKだが少し違うようだ。
<ことごとく> はall (全部)ではなく every one of them だ。
(ひとつごと)、ふたつごと、みっつごと に分ける、まとめる
という言い方がある。等分グループ性(化)といえる。
グループ性では、やまとことばで
ひと組、ふた組、み組
ひと束(たば)、ふた束、み束
ひと抱え(かかえ)、ふたかかえ、(みかかえ)
ひとまとめ(まとまり)、(ふたまとめ、みまとめ)
ステップ性(段階性)の表現は漢語をつかえば文字通り
一段、二段、三段
一階、二階、三階
さらには
一級、二級、三級
以上は大体上昇。
英語にならって
一歩、二歩、三歩
(ひとふみ、ふたふみ、みふみ、があってもよさそうだが、ほとんど聞かない。)
だがこれは前進だが、後ろ、右左、斜めでもいいが大体水平方向。
やまとことばでは
ひと押し、ふた押し、み押し
ひと踏み、ふた踏み、み踏み、があってもよさそうだが、ほとんど聞かない。
(ひと足、ふた足、み足、もあってもよさそうだが、ほとんど聞かない。
ひと山、ふた山、み山
サイクル性、グループ性、ステップ性のやまとことばについて考えてみるとおもしろいかもしれない(宿題)。
<め(目)>は順序をあらわす。1st, 2nd, 3rd は序数といい、これに相当するが、英語と違って<め(目>の一語を加えるだけでよく汎用性(一般性)が高い。
一度目、二度目、三度目、 (ひとたび目、ふたたび目)、みたび目
一回目、二回目、三回目、 (ひとたび目、ふたたび目) みたび目
一次、二次、三次、 ひとたび目、(ふたたび目)、みたび目
一順目、二順目、三順目、 ひとまわり目、ふたまわり目、みまわり目
一番、二番、三番、 ひとつ目、 ふたつ目、 みっつ目
一番目、二番目、三番目、 ひとつ目、 ふたつ目、 みっつ目
一着、二着、三着、 ひとつ目、 ふたつ目、 みっつ目
一等、二等、三等、 ひとつ目、 ふたつ目、 みっつ目
いわゆる数詞につく
一個目、二個目、三個目
一匹目、二匹目、三匹目
ひとり(一人)目、ふたり(二人)め、三人(さんにん)目
一枚目、二枚目、三枚目
囲碁 - 一目(もく)目、二目目、三目目
将棋 - 一手目、二手目、三手目
漢語が多いいようだがやまとことばにもつく。
ついたち、ふつか目、みっか目 <ついたち目>はなさそうだが、<ついたち目から遅刻した>という。
ひと晩、ふた晩目、み晩目 ひと晩目は可能か。
ひとり(一人)目、ふたり(二人)目、三人(さんにん)目、
<みたりめ>はきいたことがないが<よったりめ>はきいたおぼえがある。
ひと皿目、ふた皿目、み皿目 (いわゆる量詞表現か)
ひと組目、ふた組目、み組目
ひと口(くち)目、ふた口目、み口目 (量詞表現)
<ひとたび目、ふたたび目>はないが、みたび目、よたび目 . . . . .はある。
ひと目ぼれ (ふた目ぼれ以上はないようだ)
ひとこと、ふたこと目、みこと、ふたことみこと、(よつこと以上はないようだ)
<ひと>は<ちっよと>の意味で
ひとあわ(ふかせる)
ひと口
ひとたまり(もない) <たまり>はなにか?
ひと時
ひと眠り
ひとっ走り
ひと花(咲かせる)
ひとひねり
ひと眠り
<いっきに>のような意味で
ひと飲み
ひと吹き
ひと振り
の慣用表現がある。
追記
調べてみたら以前に(2018)<ひとたび、ふたたび、みたび、たびたび>というポストを書いている。同じような内容が多いが、参考にはなる。
sptt
Monday, March 16, 2020
縦横(たてよこ)の横(よこ)の語源
波(なみ)関連のやまとことばを調べているが、縦(たて)波、横(よこ)波というのがある。波はよく見るとふしぎな現象で、目に見えない波を含めると自然界のすべての現象に関連している。池や水たまりに小石を投げたときにできる波をじっくり観察すると縦(たて)波、横(よこ)波がある。時間の経過とともに周期的に動くのが大きな特徴。
縦(たて)波の<たて>は<立つ>由来だろう。では横(よこ)波の<よこ>の語源は何か?これはどこかで書いたが、中国語の<横>は主に<よこしま(邪)>の意で使われ、<左右>の<横>の意ではああまり使われない。やまとことばの<横、よこ>の語源はおそらく<よける>だろう。そしてこのもとの語は<よく>だろう。同じような意味の言葉を探してみる。
よける <- (よく)
さける <- (さく)
にげる <- (にぐ)
---
のける <- のく
どける <- どく (関東方言か?)
のがれる <-(のがる) <-(のぐ)
しのぐ <-(し+のぐ)
---
よせる <-(よす)
<よける><さける>場合は大体<横><横斜め>に動く、動かす。 <よせる>は意味がずれるが<横><横斜め>に動く、動かすことが多いようだ。<にげる>場合は大は後ろにさがる。<逃げまわる>は文字通りでは<斜めに動き続ける>。また<にげる>は自動詞で<xx からにげる>。一方<よける><さける><よせる>は他動詞で<xx をよける、さける、よせる>。
<動く、動かす>と書いたが<よける><さける><よせる>は他動詞だ。これは
(自分の身を) xx から<よける><さける>
(自分の身を)<よせる>
場合は<動く>になり、日本語の隠れた再帰表現といえる。
のける <- のく
どける <- どく
は<そこのけ、そこのけ>の意味は
そこからのけ、そこをのけ、
が可能で自動詞、他動詞兼用となる。だがこれも
そこから(その身を)のけ
と考えれば、あるいは無意識的にそう考えた発話と見れば<他動詞の再帰表現>‐>自動詞、となる。
<のがれる>は<危機から逃れる><危機を逃れる>で自他兼用のようだが、これまた
(わが身を)危機から逃れる
と無意識的にそう考えた発話と見れば<他動詞の再帰表現>‐>自動詞、となる。
sptt
Thursday, March 12, 2020
位相(フェイズ、phase)のやまとことば
位相のやまとことばをさがす前に位相とは何かをはっきりさせておく必要がある。誰が訳したのか知らないが、位相はphase の訳語で、日本語では物理、数学、技術用語以外にはあまり使われない。おもしろいのは phase の物理、数学、技術用語の中国語訳は位相ではなく相位だ。おそらく日本語訳が先だろう。一方英語の phase は日常よく使われろ。調べてみるとわかるが phase は多義語だ。使われ方を見てみる。
物理、数学、技術用語
in phase, out of phase
phase shift
phase difference
singe phase, two phase, three phase(1相、2相、3相(モータ))
日常用語
1st phase, 2nd phase, 3rd phase, . . . . .
phase one, phase two, phase three, . . . . .
to phase out (使われなくなる、徐々に消えていく)
in phase, out of phase
は日本語でも<フェイズが合う、フェイズが合わない>でたまに聞くが、<位相が合う、位相が合わない>はまず聞かない。やまとことばでは
うまが合う、合わない
そりが合う、合わない
という言い方がある。
物理、数学、技術用語の位相の定義は
Wiki によると
”
位相(いそう、英語: phase)とは、繰り返される現象の一周期のうち、ある特定の局面のことであり、波動などの周期的な現象において、ひとつの周期中の位置を示す無次元量でもある。通常は角度(単位は「度」または「ラジアン」)で表される。
たとえば、時間領域における正弦波を
- y(t) = A sin(ωt + α)
とすると、(ωt + α) のことを位相と言う。特に t = 0 における位相 α は初期位相あるいは位相角と呼ばれる。あるいは単に、この正弦波の位相は α であるということも多い。いずれの定義を採用するにしても、上記の式のA: 振幅、ω: 角周波数、α: 位相の3つのパラメータにより、正弦波は完全に記述される。
また、位相差を求める際には同一基準の時間領域で行う。変位を用いて表した位相も同様である。 位相差は点同士、もしくは波同士に適用可能である。
例えば上式で表される波とy(t) = A sin(ωt + α+δ)で表される二つの波の位相差はδとなる。そして、このδがπの偶数倍の時、二波は同位相、πの奇数倍の時、二波は逆位相という。
”
数学用語が多く、わかりにくいところもあるが、わかって(なれて)しまえば簡潔でいい説明だ。やまとことばは少ない。
(ωt + α) のことを位相と言う
α: 位相
で少なくとも2つの定義(あるいは使われ方)がある。
<繰り返される現象の一周期のうち、ある特定の局面>の<局面>が phase に近いが漢語だ。
<ひとつの周期中の位置を示す無次元量でもある>の<位置を示す>も肝心だ。さらには<位置>も<示す>も肝心だ。<位置>の<位>は<位相>の<位>と関連がある。
<無次元量>がなじみがないが無次元量(Wiki)からの引用
無次元量(dimensionless quantity)
”
慣習により無次元量と呼ばれるが無次元量は次元を有しており、指数法則により無次元量の次元は1である。(中略)無次元量の数値は単位の選択に依らないので、一般的な現象を特徴付ける物理量として、物理学、工学、経済など多くの分野で広く用いられる。
(中略)
角度の単位は無次元量である。弧度法による単位(ラジアン)は円周上の長さと半径との比率であり、(後略)
”
の説明で大体わかったことにする。 <一般的な現象を特徴付ける物理量>の<一般的な現象>は<ある現象>の意とする。引用が長くなり、話が少しずれるが、
”
計数量
国際単位系(SI)と対応する国際量体系(ISQ)において、計数量(counting quantity)は通常は無次元量であるとみなされている[5]。ただし、上述の比として定義される無次元量とは異なり、計数量は長さや質量など他の基本量から組み立てられる量ではない[5]。
計数量の単位である日本語における数助詞(個、人、回など)や、これらと対応する英語におけるcount(s), turn(s), rotation(s) など、及びその他外国語で対応する単語などは、現在のSIにおいては一貫性のある組立単位 1 の書き換えとして位置付けられているが、これらを新たな基本量の単位とみなすべきである可能性が示唆されている[6]。
”
という解説最後の方にある。なぜここを引用したかというと
ω (角周波数)はこの類で
ω =2πf
で f は普通の周波数。周波数の単位は<何回 / 秒>。一方 ω (角周波数)はこれ(f)に 2π を掛けたもので<何回2π / 秒>になる。この<単位>はラジアン / 秒になる。したがって ωt の単位は、ラジアンになり上のWikiの説明にあうが、ここはわかりにくいところだ。
普通の周波数 f が<何回 / 秒>だが、単位はなにか?秒は単位だ。<何回>の回、上の解説では
”
無次元量であるとみなされている。(中略)これらを新たな基本量の単位とみなすべきである可能性が示唆されている。
”
なので、<何回 / 秒>ノの定義は流動的なのだ。わたしの最近の新理解では、 ω (角周波数)=何回2π / 秒なので、 ωt の純単位はラジアンだが2πが常にあるので ωt の単位を<2πラジアン>とみなせる、というものだ。
さて位相のやまとことばの探索にもどる。
位相の位は位置の意だが位(い)は漢語だ。一方<居どころ>の<居(い)>はやまとことばだ。位は訓読みで<くらい>だ。<くらい>は位置や<居どころ>に関連があるが、それ以外に<どのくらい>では<量、または数>の意がある。さらには度合(degree)の意味がある。<位>自体が多義語なのだ。しかも位相を考えた場合<位置><居どころ>;<量、または数>;度合(degree)はいずれも関連がある。度合のやまとことばは何か?
<どのくらい?>は度合の疑問になり、<このくらい>、<それくらい>は度合の答えになる。したがって<くらい>は度合(degree)のやまとことば候補だ。<これほど>、<それほど>、<あれほど>、<ほどほど>の<ほど>も候補だ。以上のやまとことばを並べてみると
いる、ある
いどころ (居ずまい、、居すわる、という言い方がある)
かず(数)
くらい
ほど
一方位相の<相>のやまとばはなにか?漢語では上に出てきた<局面>以外に<相>の字を含む<様相>、<形相>、さらには様子がある。これらを参考にすると、やまとことばでは
さま
すがた
かたち
かげ(かげかたち)
が候補だ。 いろいろくみあわせてみたが意味がありかつ語呂のいいのがない。
<いすがた(居姿)>がまずまず。漢字にすると<居姿>で悪くない。だが度合(degree)の意味がない。もっとも
y(t) = A sin(ωt + α)
<A: 振幅、ω: 角周波数、α: 位相の3つのパラメータにより、正弦波は完全に記述される。>とあり、度合(degree)には振幅が必要で、正弦波の度合(degree)が位相の変化、移動で変わっていくのだ。
とりあえずの結論は
位相 = いすがた
少し長くなるがもっとやまとことばらしいのは
位相 = いどころすがた、いどころごとすがた
俗っぽくなるが
位相 = いどころざま
----ー
上記の解説で<物理、数学、技術用語>と書いたが、数学では topology の訳語に位相が使われているよるようだが、 topology はよくわけがわからないままま<トポロジー>も使わfれているようだ。
位相空間(数学) (Wiki)
”
数学における位相空間(いそうくうかん、英語: topological space)とは、集合にある種の情報(位相、topology)を付け加えたもので、この情報により、連続性や収束性といった概念が定式化可能になる。
”
本題の<位相(いそう、英語: phase)とは、繰り返される現象の一周期のうち、ある特定の局面のことであり、波動などの周期的な現象において、ひとつの周期中の位置を示す無次元量でもある。>と関連がなくはないが、 <トポロジー>位相は数学らしい一般化が高度に進んでいる。
ある種の情報=<トポロジー>位相
<トポロジー>位相は数学らしい一般化が高度に進んでいる。
話がますます混乱するが、物理用語の位相空間がある。Wikiの解説はごく簡単で頭の<概要>の始めの部分は
”
物理学における位相空間(いそうくうかん、英: phase space)とは、力学系の位置と運動量を座標(直交軸)とする空間のことである。数学における位相空間(topological space)と区別するために、相空間と呼ぶ流儀もある。
”
<相空間>では肝心の位置の<位>がないので片手落ちだ。また<相>は運動量とは直接関係ない。数学の方を<トポロジー位相空間>とし位相空間をもっぱら物理用語とすれば混乱はない。
形相(ぎょうそう)は読み方はが特別で区別しやすい。また日常使うのでなじみがある。 数学や物理できいたことがないので新鮮だ。
sptt
、