位相のやまとことばをさがす前に位相とは何かをはっきりさせておく必要がある。誰が訳したのか知らないが、位相はphase の訳語で、日本語では物理、数学、技術用語以外にはあまり使われない。おもしろいのは phase の物理、数学、技術用語の中国語訳は位相ではなく相位だ。おそらく日本語訳が先だろう。一方英語の phase は日常よく使われろ。調べてみるとわかるが phase は多義語だ。使われ方を見てみる。
物理、数学、技術用語
in phase, out of phase
phase shift
phase difference
singe phase, two phase, three phase(1相、2相、3相(モータ))
日常用語
1st phase, 2nd phase, 3rd phase, . . . . .
phase one, phase two, phase three, . . . . .
to phase out (使われなくなる、徐々に消えていく)
in phase, out of phase
は日本語でも<フェイズが合う、フェイズが合わない>でたまに聞くが、<位相が合う、位相が合わない>はまず聞かない。やまとことばでは
うまが合う、合わない
そりが合う、合わない
という言い方がある。
物理、数学、技術用語の位相の定義は
Wiki によると
”
位相(いそう、英語: phase)とは、繰り返される現象の一周期のうち、ある特定の局面のことであり、波動などの周期的な現象において、ひとつの周期中の位置を示す無次元量でもある。通常は角度(単位は「度」または「ラジアン」)で表される。
たとえば、時間領域における正弦波を
- y(t) = A sin(ωt + α)
とすると、(ωt + α) のことを位相と言う。特に t = 0 における位相 α は初期位相あるいは位相角と呼ばれる。あるいは単に、この正弦波の位相は α であるということも多い。いずれの定義を採用するにしても、上記の式のA: 振幅、ω: 角周波数、α: 位相の3つのパラメータにより、正弦波は完全に記述される。
また、位相差を求める際には同一基準の時間領域で行う。変位を用いて表した位相も同様である。 位相差は点同士、もしくは波同士に適用可能である。
例えば上式で表される波とy(t) = A sin(ωt + α+δ)で表される二つの波の位相差はδとなる。そして、このδがπの偶数倍の時、二波は同位相、πの奇数倍の時、二波は逆位相という。
”
数学用語が多く、わかりにくいところもあるが、わかって(なれて)しまえば簡潔でいい説明だ。やまとことばは少ない。
(ωt + α) のことを位相と言う
α: 位相
で少なくとも2つの定義(あるいは使われ方)がある。
<繰り返される現象の一周期のうち、ある特定の局面>の<局面>が phase に近いが漢語だ。
<ひとつの周期中の位置を示す無次元量でもある>の<位置を示す>も肝心だ。さらには<位置>も<示す>も肝心だ。<位置>の<位>は<位相>の<位>と関連がある。
<無次元量>がなじみがないが無次元量(Wiki)からの引用
無次元量(dimensionless quantity)
”
慣習により無次元量と呼ばれるが無次元量は次元を有しており、指数法則により無次元量の次元は1である。(中略)無次元量の数値は単位の選択に依らないので、一般的な現象を特徴付ける物理量として、物理学、工学、経済など多くの分野で広く用いられる。
(中略)
角度の単位は無次元量である。弧度法による単位(ラジアン)は円周上の長さと半径との比率であり、(後略)
”
の説明で大体わかったことにする。 <一般的な現象を特徴付ける物理量>の<一般的な現象>は<ある現象>の意とする。引用が長くなり、話が少しずれるが、
”
計数量
国際単位系(SI)と対応する国際量体系(ISQ)において、計数量(counting quantity)は通常は無次元量であるとみなされている[5]。ただし、上述の比として定義される無次元量とは異なり、計数量は長さや質量など他の基本量から組み立てられる量ではない[5]。
計数量の単位である日本語における数助詞(個、人、回など)や、これらと対応する英語におけるcount(s), turn(s), rotation(s) など、及びその他外国語で対応する単語などは、現在のSIにおいては一貫性のある組立単位 1 の書き換えとして位置付けられているが、これらを新たな基本量の単位とみなすべきである可能性が示唆されている[6]。
”
という解説最後の方にある。なぜここを引用したかというと
ω (角周波数)はこの類で
ω =2πf
で f は普通の周波数。周波数の単位は<何回 / 秒>。一方 ω (角周波数)はこれ(f)に 2π を掛けたもので<何回2π / 秒>になる。この<単位>はラジアン / 秒になる。したがって ωt の単位は、ラジアンになり上のWikiの説明にあうが、ここはわかりにくいところだ。
普通の周波数 f が<何回 / 秒>だが、単位はなにか?秒は単位だ。<何回>の回、上の解説では
”
無次元量であるとみなされている。(中略)これらを新たな基本量の単位とみなすべきである可能性が示唆されている。
”
なので、<何回 / 秒>ノの定義は流動的なのだ。わたしの最近の新理解では、 ω (角周波数)=何回2π / 秒なので、 ωt の純単位はラジアンだが2πが常にあるので ωt の単位を<2πラジアン>とみなせる、というものだ。
さて位相のやまとことばの探索にもどる。
位相の位は位置の意だが位(い)は漢語だ。一方<居どころ>の<居(い)>はやまとことばだ。位は訓読みで<くらい>だ。<くらい>は位置や<居どころ>に関連があるが、それ以外に<どのくらい>では<量、または数>の意がある。さらには度合(degree)の意味がある。<位>自体が多義語なのだ。しかも位相を考えた場合<位置><居どころ>;<量、または数>;度合(degree)はいずれも関連がある。度合のやまとことばは何か?
<どのくらい?>は度合の疑問になり、<このくらい>、<それくらい>は度合の答えになる。したがって<くらい>は度合(degree)のやまとことば候補だ。<これほど>、<それほど>、<あれほど>、<ほどほど>の<ほど>も候補だ。以上のやまとことばを並べてみると
いる、ある
いどころ (居ずまい、、居すわる、という言い方がある)
かず(数)
くらい
ほど
一方位相の<相>のやまとばはなにか?漢語では上に出てきた<局面>以外に<相>の字を含む<様相>、<形相>、さらには様子がある。これらを参考にすると、やまとことばでは
さま
すがた
かたち
かげ(かげかたち)
が候補だ。 いろいろくみあわせてみたが意味がありかつ語呂のいいのがない。
<いすがた(居姿)>がまずまず。漢字にすると<居姿>で悪くない。だが度合(degree)の意味がない。もっとも
y(t) = A sin(ωt + α)
<A: 振幅、ω: 角周波数、α: 位相の3つのパラメータにより、正弦波は完全に記述される。>とあり、度合(degree)には振幅が必要で、正弦波の度合(degree)が位相の変化、移動で変わっていくのだ。
とりあえずの結論は
位相 = いすがた
少し長くなるがもっとやまとことばらしいのは
位相 = いどころすがた、いどころごとすがた
俗っぽくなるが
位相 = いどころざま
----ー
上記の解説で<物理、数学、技術用語>と書いたが、数学では topology の訳語に位相が使われているよるようだが、 topology はよくわけがわからないままま<トポロジー>も使わfれているようだ。
位相空間(数学) (Wiki)
”
数学における位相空間(いそうくうかん、英語: topological space)とは、集合にある種の情報(位相、topology)を付け加えたもので、この情報により、連続性や収束性といった概念が定式化可能になる。
”
本題の<位相(いそう、英語: phase)とは、繰り返される現象の一周期のうち、ある特定の局面のことであり、波動などの周期的な現象において、ひとつの周期中の位置を示す無次元量でもある。>と関連がなくはないが、 <トポロジー>位相は数学らしい一般化が高度に進んでいる。
ある種の情報=<トポロジー>位相
<トポロジー>位相は数学らしい一般化が高度に進んでいる。
話がますます混乱するが、物理用語の位相空間がある。Wikiの解説はごく簡単で頭の<概要>の始めの部分は
”
物理学における位相空間(いそうくうかん、英: phase space)とは、力学系の位置と運動量を座標(直交軸)とする空間のことである。数学における位相空間(topological space)と区別するために、相空間と呼ぶ流儀もある。
”
<相空間>では肝心の位置の<位>がないので片手落ちだ。また<相>は運動量とは直接関係ない。数学の方を<トポロジー位相空間>とし位相空間をもっぱら物理用語とすれば混乱はない。
形相(ぎょうそう)は読み方はが特別で区別しやすい。また日常使うのでなじみがある。 数学や物理できいたことがないので新鮮だ。
sptt
、
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