Saturday, April 13, 2024

バツが悪い、embarrassed、尷尬(gān gà)

 

<バツが悪い>は聞いたことはあるが使った記憶はない。多分意味がよくわからないので使う自信がないためだろう。

<バツ>の確かな語源はわからない。 バツマルの<×(バツ)>の語源は「罰点(バッテン)」とされ (Wiki) ているので、これが関係しているかもしれない。だが<罰点(バッテン)>自体<悪い>ことなので説明がつかない。イントネーションも少し違う。

場都合(ばつごう)の略という説があるが、<場都合>とは言わないので、いまいち。<場>はやまとことばで、<場が悪い>だと<状況が悪い>。<都合が悪い>だと<あいにくだが今日は都合が悪い>というような使い方で、意味が違う。<具合が悪い>は状況によっては<バツが悪い>に近い。さらには<体裁 (ていさい) が悪い>も<バツが悪い>に近い。

もう一つの語源説は<跋文 (ばつぶん) >の<跋 (ばつ)>で、この方が説得力がある。

跋文。北京語では bá wén と発音するが、広東語では bat man (イントネーション無視)。どこかの地域またはある時期は文=bun と発音する / していただろう。跋文の意味は本や長い文章の<あとがき>。内容を短くまとめたり、コメントを書いたりする。<まとめ>、<まとめる>の意とすると、<跋が悪い>は

まとまりが悪い

で<バツが悪い>の意と関連がでてくる。似たような言い方に<きまりが悪い>がある。この<きまりが悪い>は

1) <バツが悪い>に近い意味、はずかしい

2) <まとまりが悪い>、<おさまりが悪い>に近い意味

がある。また<きまっている> は<決まっている>以外に、口語的だが<その場にふさわしい>の意味がある。

以上、<バツ>、<まとまり>、<おさまり>、<きまり>は共通の部分がある。


英語では embarrassed というのがあり、これは聞いたこと、聞くことは少なくない。私も使ったことはあるが、短い upset でもいい。これは to upset の過去分詞で embarrassed と同じ用法だ。

さて中国語では、見ただけで恐ろしげな<尷尬(gān gà)>というのがあり、これはよくお目にかかる。

 

sptt


Friday, April 5, 2024

<よそ>とは何か?

子供のころ<よそ>というのをよく聞いた。

よそゆき ー 普段着とは対照的な<よそ>へ行くときの服。
よその家(うち)に行ったら行儀よくすること。
よそ様のものに手をだすな。
よそ様のことに余計な口を出すな。
よそ様の悪口をいうもんじゃない。
よそ見をするな。

その他<よそ>関連では

よそ者
よそ事 ー これは<よそ事>ではない。  (ひとごと、他人事)
どこかよそ(のところ)にしよう、行こう。 (別のところ)
うちではこうしているが、よそではどうしていいるのだろう?
よそよそしい ー <親しい>の反義語か。unfriendly。

内 (うち) と外 (そと) はかなり明瞭に対比ができるが、内 (うち) と<よそ>の対比は簡単ではない。<よそ>には基本的に<内>に対する<外>の意は薄い。<よそ>はコンピュータでは<他所>、<余所>が出て来るが、<よそ>を<他所>、<余所>と書くには抵抗がある。そもそも<よそ>に相当する漢字はないのだ。<よそ>はやまとことばだ。

 関連する言葉に他人行儀というのがある。これは和製漢語か?

 中国語では<客气>が他人行儀に相当し

不客气、别客气 (広東語では唔駛客氣、唔好客氣)

はお礼を言われた時の返答で<どういたしまして>相当で、原意は<他人行儀はなしです、いらない>。これはどこでもよく聞く。

韓国人や中国人には日本人は、一面では親しくなっても他人行儀なところがある、という。これは親しくなっても<よそ>の意識があるためだろう。親しくなっても<よそ様>なのだ。

 

<よそ>に似て非なる言葉に<よす>がある。だが<よそ>となにか関係がありそうでもある。<よす>は動詞で、現代語では

よさない(か)
よして(おこう)、よした方がいい。
よす
よすとき、よす場合には
よせば(いいのに)
よそう 

日本語の連用形には名詞(体言)用法はがあるが、<よす>の連用形<よし>の名詞用法はなさそう。<よし>は<良し>になってしまうのだ。もしあるとすると

<よし>は<よすこと> なのだが

今回は<やめ>にしよう。ー> 今回は<よし>にしよう。(ほぼダメ) 今回は<よすこと>にしよう。OK

 

 sptt


 

Tuesday, April 2, 2024

マネジメントのやまとことば

 

マネジメントのやまとことばとしては威厳に欠けるが<やりくり>、<きりもり>がある。家庭のマネジメントは主に金銭の<やりくり>、<きりもり>だが、零細、小企業になると金銭だけとは限らない。仕事と人の配分も重要な<やりくり>、<きりもり>だ。中企業、大企業ではマネジメントと言うようで、部署別、階層的にマネジメントされていて、それぞれにマネジャー(課長、部長)がいる。金銭関係は経理部任せだが、部署ごとの仕事と人の配分はマジャーの仕事だ。このマネジメントがうまくいかないと問題発生が多くなる。

英語の to manage は<やりくりする>、<きりもりする>の意で使われる。金銭、時間、仕事、従業員の配分をするのは to manage だ。また個人的に<少し困難なところもあるがなんとかする>を I can manage it. と言う。これもマネジメントだろう。<言うは易く>で、実際はなかなかむずかしい。一方<何とかなる>、<何とかなるさ>は責任感、実行力に欠け、状況任せで、多くは<何とかならない>結果になる。

<配分>は金銭、時間、仕事、従業員を<切って盛る>で<きりもり>に近い。似て非なるのにアレンジするがある。これは<ことがうまく運ぶように段取りをつける>相当か。

 

sptt