Wednesday, October 22, 2025

ほろぶ、ほろびる、ほころびる、<xxびる>動詞

 前回のポスト

おもしろい<xxける>動詞

に続いて、同じようにおもしろい<xxびる>動詞をチェックしてみる。


浴 (あ) びる 他動詞
いびる 他動詞
帯 (お) びる 他動詞
かびる (黴)自動詞
くびる (縊る)    くびれる
こびる 媚びる
さびる 錆びる (自動詞)  さびれる
しなびる 自動詞
すさびる 自動詞   すさんだ家並み、すさびた家並み
せびる 他動詞
ちびる  自動詞
伸びる 自動詞
延 (の) びる 自動詞  パンチを食らってのびた。
ひからびる 自動詞
鄙 (ひな) びる  自動詞
びびる 自動詞
ほころびる 自動詞
滅 (ほろ) びる 自動詞
詫 (わ) びる 他動詞

 

何がおもしろいかと言うと

1)<xxびる>動詞の代表とも言える<滅びる>関連の意味の語が多い。


かびる (黴びる)自動詞
くびる (縊る) 縊れる 自動詞
さびる (錆びる) 自動詞
しなびる 自動詞
すさぶ ー すさびる 自動詞
ちびる 自動詞
延 (の) びる 自動詞 パンチを食らってのびた。 ま延びする。
ひからびる 自動詞
鄙 (ひな) びる  自動詞
びびる 自動詞
ほころびる 自動詞

すべて自動詞だ。自動詞ということは積極的に何かをするわけではない。以上の多くは、漢語を使うことになるが、だんだん委縮していく感じを表す言葉が多い。

<媚びる (こびる)>は何か卑屈なところがある。

 

2)<わび、さび>

さびる (錆びる)
(詫 (わ) ぶ)  ー 詫びる 他動詞   (わびしい)

<わび、さび>は俳句の一大コンセプト。

3) 浴びる、帯びる

浴びる、帯びるは

水を浴びる、非難を浴びる

薄紫色を帯びる、敗戦色をおびる

で<を>をとるので他動詞が、内容的には

水を浴びる、非難をあびる

は受動的。 

薄紫色を帯びる、敗戦色を帯びる

は自動詞の<xxになる> に近い。

 

ーーーーー

大人びる

というのもある。<大人ぶる>とは違う。

ーーーーー

さらには

xxびれる


くびれる
くたびれる
さびれる
しびれる

悪びれる  ― これは上の<大人びる>に似たようなところがあるか。

 

xxぶれる

うらぶれる
落ちぶれる
つぶれる

がある。



sptt

 

Sunday, October 12, 2025

おもしろい<xxける>動詞

<xxける>動詞

動詞<xxく>とは関係ない<xxける>動詞の<ける>は慣用動詞語尾ともいえる。これはおもしろい語が多い。

あざける
おじける  おじる
おどける
こける
ずるける  ずるい   関連語<ずらかる>
とぼける  接頭辞<と>+<ぼける>
ねぼける  <寝る>の<寝、ね>+<ぼける>
ばける
ふける
ふざける
ふやける
ぼける

(追加予定)

 

sptt

Saturday, October 11, 2025

さんざめく


<昴 (すばる)>という歌の文句に

ああ、さんざめく、名もなき星たちよ

というのがある。
 
 さんざめく>をネット辞典でチェックしてみると 
 
 
さんざ‐め・く
[動カ五(四)]《「さざめく」の音変化。「ざんざめく」とも》
ひどく浮き浮きと騒ぎ立てる。にぎやかに騒ぐ。「弦歌―・くちまた
 
これでは歌の歌詞
 
ああ、さんざめく、名もなき星たちよ

にあわない。さらに「さざめく」をチェックしてみると
 
デジタル大辞泉 「さざめく」の意味・読み・例文・類語 
 
さざ‐め・く
 
[動カ五(四)]
 ざわざわと音をたてる。大勢の人が、にぎやかに音や声を立てて騒ぐ。ざわつく。
さんざめく。「弦歌―・くちまた」「笑い―・く」
 時を得て華やかに暮らす。時めく。

というのがある。 これもダメだ。
ああ、さんざめく、名もなき星たちよ
の<さんざめく>は、おそらく漢語由来の言い方
燦然と輝く 
につられて
燦然 (さんぜん)  ー> 燦然 (さんぜん) めくそして、歌詞としての字数制限から< さんざめく>となったものだろう。漢語とやまとことばの動詞語尾<めく>の融合といえよう。
 
sptt

<昴 (すばる)>という歌の文句に

ああ、さんざめく、名もなき星たちよ

というのがある。
 
 さんざめく>をネット辞典でチェックしてみると 
 
 
さんざ‐め・く
[動カ五(四)]《「さざめく」の音変化。「ざんざめく」とも》
ひどく浮き浮きと騒ぎ立てる。にぎやかに騒ぐ。「弦歌―・くちまた
 
これでは歌の歌詞
 
ああ、さんざめく、名もなき星たちよ

にあわない。さらに「さざめく」をチェックしてみると
 
デジタル大辞泉 「さざめく」の意味・読み・例文・類語 
 
さざ‐め・く
 
[動カ五(四)]
 ざわざわと音をたてる。大勢の人が、にぎやかに音や声を立てて騒ぐ。ざわつく。
さんざめく。「弦歌―・くちまた」「笑い―・く」
 時を得て華やかに暮らす。時めく。


というのがある。 これもダメだ。
ああ、さんざめく、名もなき星たちよ
の<さんざめく>は、おそらく漢語由来の言い方
燦然と輝く 
につられて
燦然 (さんぜん)  ー> 燦然 (さんぜん) めくそして、歌詞としての字数制限から< さんざめく>となったものだろう。漢語とやまとことばの動詞語尾<めく>の融合といえよう。
 
sptt
 
 

おもしろい<xxめく>動詞

 
<xxめく>動詞 
 
<春めく>、<秋めく> というい方がある。 なぜか<夏めく>、<冬めく>はあまり聞かない。
 
<xxめく>の<めく>は慣用動詞語尾ともいえる。おもしろい語が多い。擬音語、擬態語由来と思われるのが多いが、そうでないものもある。
 
あだめく  古語、ほぼ死語。ほとんど聞かない。
うごめく  動く
うめく 呻く  ウ、ウ、ウめく.。  うめき
きらめく  キラキラ  きらめき
ざわめく  ザワザワ  ざわめき
さんざめく   <さんざめき>はない。
<昴 (すばる)>という歌の文句に

ああ、さんざめく、名もなき星たちよ

というのがある。これは別途検討。

ときめく  ときめき
どよめく  ドヤドヤ  どよめき
謎 (なぞ) めく  謎めいたxx
はためく  ハタハタ  はためき  
ひしめく  ヒシヒシ  ひしめき
ひらめく  ヒラヒラ  ひらめき
ふるめく  古い
めくるめく  目くるめく   クルクル
よろめく  ヨロヨロ  よろめき
わめく   ワ、ワ、ワめく  わめき
 
動詞語尾<めく>は汎用性があり、自前の<xxめく>が可能。

嘘 (うそ) めいた本当の話
本当めいたうその話
難問めいた簡単な問題

 

  ーーーー
<ときめく>は古語でもある。 
 
 
とき-め・く 【時めく】
自動詞カ行四段活用

活用{か/き/く/く/け/け}

 


時流に乗って栄える。もてはやされる。


出典枕草子 花の木ならぬは


「師走(しはす)のつごもりのみときめきて」


[訳] (新年の飾りにするゆずり葉は)十二月の末だけもてはやされて。

 


格別に目をかけられる。寵愛(ちようあい)を受けて栄える。


出典源氏物語 桐壺


「いとやむごとなききはにはあらぬが、すぐれてときめき給(たま)ふありけり」


[訳] それほど高貴な身分ではない方で、際だって帝(みかど)の寵愛を受けて栄えていらっしゃる方があった。◆「めく」は接尾語。



 
この解説では<めく>は接尾語となっている。

sptt