Thursday, September 11, 2025

<悪 (わる) の>やまとことば

悪 (わる) が頭にくる言葉を並べてみる。アイウエオ順。


悪 (わる)   悪者  彼は相当の悪 (わる) だ。
悪あがき
悪ガキ
悪賢 (がしこ) い
悪がる
悪気 (わるぎ)   悪気 (わるぎ) はなかった
悪口
悪さ  悪さをする
悪ズレ
悪だくみ
悪知恵 (ぢえ)
悪のり
悪ふざけ
悪びれる
悪ぶる
悪者 (もの)
悪酔い

<悪 (わる)>は形容詞<悪い>の語幹だが、上記の<悪xx>は慣用句が多く、本来の<悪い>の意味が薄れているものがある。また、道徳的、倫理的な<善悪 (ぜんあく) >関連の言葉がないと言っていい。これは大きな特徴だ。

悪気 (わるぎ) ― 悪い気もち
悪口 ー 悪い口

ではない。

ーーーー

意地わる
性 (しょう) わる

<悪 (わる) い> は<悪 (わ) ろし> 由来だが、古いやまととこばとしては<悪 (あ)し>がある。

あしからず        文字通りでは<悪くない>だが、意図としては<悪いことをするわけではありません>。かなり持って回った言い方だ。 

(おり) あしくも
あしざまに言う ー 後から出て来る<悪態 (あくたい) をつく>のやまとことば版。

良しあし

漢語では<悪 (あく)>になる。上のやまとことば<悪し>、<悪しき>、悪しく>と関連ありそうだが、<悪 (あく)>は北京語では <è> (<エ)ではなく、あいまい母音の軽い口調の<ウ>)と発音するが、広東語では<ngok3 ンゴク、あるいは、オクで、中国語の古い発音を残すと言われる広東語からして、中国語由来だ。<悪 (あく) xx>の語は多い。


悪意 ー 悪い意図
悪運 ー 悪い運、運が悪い
悪化 (あっか)
悪行 (あくぎょう)
悪事 (をはたらく)  ー 悪いこと
悪質 ー 悪い質
悪臭
悪書 ー 悪い本
悪習 ー 悪い習慣
悪女 ー 悪い女
悪政 ー 悪い政治
悪性  悪性ガン
悪態 (あくたい) 悪態をつく
悪代官 (だいかん)、悪大名 (だいみょう) ー 悪い代官、悪い大名
悪たれ、悪たれ小僧
悪党
悪童  ー 悪い子
悪徳 (商人)
悪人 ー 悪い人
悪筆
悪文
悪弊
悪癖 ー 悪い癖
悪魔
悪名 (あくめい) 悪名高き
悪夢 ー 悪い夢
悪役
悪友 ー 悪い友 (達)
悪用
悪霊 (あくりょう)
悪例 ー 悪い例
悪路  ー 悪い道路

ーーーー

悪環境  ー 悪い環境
悪循環
悪条件  ー 悪い条件
悪天候  ー 悪い天気

<悪いxx>で置き換えられる語が多い。また、道徳的、倫理的な<善悪 (ぜんあく) >関連の言葉がないと言っていい<悪 (わる) >に対して、<善悪 (ぜんあく) >関連の言葉がある。

 悪意、悪行、悪事、悪徳

ところで、現代口語中国語では<悪>はあまり使われない、と言っていい。

悪 = 不好 bù hǎo
悪 = 坏 huái 坏事 、坏女、坏人

不好、坏はよく使われる。

ーーーー

険悪 (けんあく)
罪悪 (ざいあく)
邪悪 (じゃあく)
善悪 (ぜんあく)
粗悪 (そあく)
俗悪 (ぞくあく)
劣悪 (れつあく)

 

 sptt

 

Tuesday, September 9, 2025

計画のやまとことば もくろみ、くわだて、たくらみ、はかりごと

 

以前に<販売計画>のやまとことば> というポストを書いたことがある。最終的には<売り上げ見込み>を該当させた。だが<見込み>は計画というよりは予測、予想だ。

<計画>、<計画する>のやまとことばは何か。漢語系列では<企画>があるが和製漢語っぽい。企画はどちらかというとアイデア段階、新規開発段階での作業で、企画室、企画部が計画をつくることは少ないだろう。

Baideu-baiku 

企画

企画是源自日语的动画术语,对应中文“策划”概念,指动画制作前期确定作品性质、公开方式及故事设定的规划环节,涵盖制作费用、人员配置等要素的正式企画书制定过程。

なので、やはり日语=和製漢語だ。<計画>もおそらく和製漢語だろう。中国語では簡体字で<计划 jì huà>。会社、工場ではよく使われる。

やまとことばでは<計画>に対して<もくろみ>、<企 (くわだ) て>、<計画する>対しては<もくろむ>、<企 (くわだ) てる>の動詞形がある。だが<もくろみ>、<くわだて>は会議では使いそうもない。<もくろみ>は囲碁用語由来。<くわだて>は<悪事をくわだてる>と否定的。Baide-baiku  では<中文 “策划” >とあるが、日本語では、順序が入れ替わって<策 (画策 かくさく) >。画策も<よからぬことを画策している>と否定的だ。<策士>も否定的。一方<計画>は中立と言えそう。

共産党指導 (支配) の中国では、もうやや古臭いが国家レベルで計画経済の<五年计划(五カ年計画)> が今も重要のようだが、和製漢語由来だ。

もくろみ>、<くわだて>、以外にも<たくらみ、たくらむ><はかりごと、はかる>があるが、もくろみ>を除けば、なぜかいずれもかなり否定的だ。これはある意味では日本人や日本文化の特性を表していると言える。

くわだてたくらみ、はかりごと

はいずれも<相手をだまして何かの目的を達成すること>を表している。基本的に日本人はこれを嫌う。時代や状況にもより(例えば戦国時代)、生きるために、生き残るために<相手をだまして何かの目的を達成する>必要がある場合はある。必要がなければ<くわだてたくらみ、はかりごと>は要 (い) らぬ、余計なことだ。


基本的に日本人はこれを嫌うが、見方をかえると、言葉の反面教師で、もくろみ>、<くわだて>、<たくらみ><はかりごと>という言葉あるということは、これらがそこそこの頻度でなされる、なされるのを見聞きするということだ。

計画は英語では plan で中立。strategy は<戦略>訳され、くわだてたくらみ、はかりごと>とは少し違う。战略も和製漢語っぽい。簡易日英辞典では

もくろみ ‐ plan
くわだて ‐ plan
たくらみ ‐ scheme
はかりごと ‐ scheme

と出てくるがニュアンスはかなり違う。to attempt、to plot は<もくろむ>、<くわだてる>に近い。漢語系列では

策略  ‐ strategy
画策  ‐ strategy

と出てくるが、これまたニュアンスはかなり違う。strategy では strategic alliance という言い方があるが、cautiously optimistic に似ている。いずれもことばにだなされて鵜呑みにしない方がいい。

否定的な英語では conspiracy (共謀) というのがある。


sptt

 

 

Sunday, September 7, 2025

<気は心>か?-3 日本語の<気>、中国語の<心>

 少し前 (2021) のポスト<気は心か >で


<気(き)>を含む重箱読みの例

気合い、気負い、気後れ、気落ち、気掛かり、気兼ね、気位い、気配り、気心(ごころ)、気さく、気障(ざわ)り、気立て、気違い、気遣(使)い、気詰(づ)まり、気取(ど)り、気晴らし、気まぐれ、気まずい、気短か、気難しい、気持ち、 気やすい、気弱(よわ)、気楽 (らく)

<心>で入れ替え可能なもの

こころ配り
こころ遣い
こころ持ち 

ぐらいで思ったより少ない。意味は大差ない。これからすると、<気は心>は<気=心>でもよさそう。だが、いろいろな解釈があると思うが<気は心>のいうところは<気=心>ではない。

"

上の趣旨は<気は心>の意味は<気=心>ではない、ということ。

<こころ持ち >は<こころ持ち大き過ぎる>といった使い方が普通。<気持ち>も<気持ち大き過ぎる>という使い方は可能。だが<気持ち>は普通<気持ちがいい>、<気持ちがわるい>のように使われる。<こころ持ちがいい>、<こころ持ちがわるい>は変だ。

<気心 (きごころ) >は<気>と<心>の合成語。<気心が知れた仲>という言い方がある、一方<気が知れた仲>、<心が知れた仲>はほとんど聞かない。

 上の重箱読みの例は、名詞と形容詞で、動詞がない。もっとも

気負い ー> 気負う
気後れ ー> 気遅れする
気落ち ー> 気落ちする
気掛かり ー> 気に掛かる、気に掛ける、
気兼ね ー>  気兼ねする
気配り ー>  気配りする、気を配る
気障 (ざわ) り ー> 気に障 (さわ) る
気違い ー> 気が違う
気遣 (使) い ー> 気づかいする
気詰 (づ) まり ー> 気が詰まる
気取 (ど) り ー> 気取 (ど) る
気晴らし ー> 気を晴らす

と動詞表現は可能だ。

気短か ー> 気が短かい
気弱 (よわ) ー> 気が弱い
気楽 (らく) ー> 気が楽<楽だ>で形容動詞か。

日本語では<気>を使った表現は非常に多い。別のポスト

気にする、気にかける、気をつける  February 10, 2025
<気は心>か?-2  November 17, 2023

参照

さて、日常の中国語では<気>よりも<心>が活躍するようだ。

中国語の<心 xīn>。下記は二語で名詞のようだが、主に動詞として使う。名詞用法もある。

操心 cāo xīn   気を揉む、気を回す
担心 dān xīn  心配する、気に掛ける
恶心 ě xin   身体的に気持ちが悪い。呕吐感
放心 fàng xīn  気にかけない
费心 fèi xīn   気を使う
腐心 fǔ xīn     腐心する
关心 guān xīn  気に掛ける、気遣う
开心 kāi xīn  楽しい
苦心 kǔ xīn   苦心する
留心 liú xīn  (留神 liú shén)    注意する、気をつける
省心 shěng xīn  (いらぬ、不必要な)心配をしない
小心 xiǎo xīn  注意する、気をつける
疑心 yí xīn (懷疑) ー 疑い、疑う 名词与动词双重词性。作为名词时特指“猜疑的念头”,如“起疑心”;作动词时意为 “怀疑”,如 “疑心生暗鬼” (疑心暗鬼)動詞としては “怀疑”の方がよく使われるようだ。

<担心、放心、开心、小心>は日常会話での使用頻度が高い。

 その他

伤心 shāng xīn ”繁体写作“傷心”。该词兼具动词与形容词词性,核心含义为“心里非常痛苦,难过至极”

痛心 
tòng xīn 基本含义包括悲伤、愤恨与惋惜等情感表达

寒心(hán xīn)指因失望、畏惧等产生的复杂情感反应。失望而痛心

他にもいろいある。 

 

一方<気>、<x気>は日常会話ではあまり聞かない。

脾气 [bad temper, angry]∶ 易怒, 怒气
 
はよく使われる。 
 
气  shēng qì,包含多重含义:一)指因不满引发的愤怒情绪;二)指自然生命力或元气;三)为风水学术语,指推动万物生长的阴阳之气
 
とあるが、日常会話では 一)不满引发的愤怒情绪の意。
 
よくは調べていないが、中国語の<>は自然現象、人体 / 生理現象が元のようで<>とは区別できそう。
 

 sptt


 

Thursday, August 28, 2025

<猫も杓子も>の語源、杓子定規 (しゃくしじょうぎ)

 

<猫も杓子も>の語源はいくつかあるようだが、ネットでチェックしていただくとして,ここでは自説を紹介したい。

猫の手は形やその手の動作は杓子に似ている。杓子シャクシと読み、ごはんを盛るときに使うシャモジのこと。ところで、シャモジは<xx文字>という言い方で、

お目文字
お目にかかることをいう女性語。

か文字
髪のこと

その他<xx字>というのもあり

ほの字
惚ほれること

御 (おん) の字
たいへん結構なこと、十分結構なこと

 一方<杓子>には杓子定規 (しゃくしじょうぎ) という言い方がある。この場合の<杓子>もシャモジのこと。<杓子定規>由来は私のとっては意外で

https://www.weblio.jp/content/%E6%9D%93%E5%AD%90%E5%AE%9A%E8%A6%8F

杓子定規の語の由来・語源

「杓子定規」は「杓子定規に使う」という趣旨言葉である。杓子は「しゃもじ杓文字)」のことであり、飯あるいは汁などをすくう道具である。その柄はたいてい湾曲している。そのような曲がった杓子を、定規として使おうとするなら、正しく線描できるはずがないそのようにそもそも正しくないものごと基準として用いる」さまを「杓子定規」と言った

ということだ。これからすると、私は<杓子定規>の意味をとり違えて使っていたことになる。<定規のように融通が利かない>と思い、使っていた。だが私のような人は他にもいるのではないか。一方<杓子>一般には弾力性があり、融通が利く。

さて、<猫も杓子も>に戻ると、意味は (関係がなさそうな人でも、特別でない、どこにでもいるような人でも)<だれもみな>。猫は動物なのでいいとして、杓子はおかしい。だが、ここで重要なのは<関係がなさそうな>で、猫は今は人気があるようだが、昔は特別でない、どこにでもいるような、だがどちらからというと目立たない動物だった。 杓子の方もごはんを盛るときだけに使う目立たない道具だ。杓子は擬人化でいいだろう。

 

sptt

 

 

 

Thursday, August 7, 2025

<そむける>の語源

 

<そむける>の語源は、ネットで調べて見ると

 《「背(そ) 向ける」の意》

 というのがある。

そうだろうか? <背 (を) 向ける>は何か取って付けた感じだ。

<そむける>の由来は<そむく>だろう。<そむく>の由来が<そむける>というのは考えにくい。文法的には

向く 自動詞 ー 向ける 他動詞

で<向く>自動詞なので<背が向く>。<背が向く>が<そむく>になるだろうか。

<向ける>は他動詞で、<そむける>も他動詞だ。

<そむく>は

1)そっぽを向く

という言い方があり。 

そっぽを向く ー> そっぽ向くー> そ向く

が考えられる。

2)<そむく>は漢字で書くと<背く>になるが<そむく>、<そむける>に元来<背>の意はないとすると、簡単に<そむける>の語源は<そむく>ではないか。

<そむく>の可能形として<そむける>がある。<そむくことができる>の意だが、めったに使わない。

<そむく>は、上のネットの<そむける>の語源説《「背(そ)向ける」の意》からすると

「背(そ) 向く」

になるが、上述にように、文法的には

向く 自動詞 ー 向ける 他動詞

だが<向く>は<を>がとれる自動詞だ。西を向く。だが<背を向く>は<背の方を向く>の意ではないだろう。

<そむく>は<xxに反対する、反抗する、逆らう>だが、原因、または結果して<対象から離れる>の意がある。<そむける>は<対象から、目や顔を離す>ことだ。 

<そむく>は自動詞。<そむける>は<そむく>の他動詞化。<ける>には上述の可能形と並んで (これは汎用的) 、他動詞化がある。だがこれは汎用的ではない。もともとは使役か。

空 (あ) ける 他動詞 ー 空く 自動詞
付 (つ) ける 他動詞 ー 付く 自動詞
続ける 他動詞 ー 続く 自動詞
届ける 他動詞 ー 届く 自動詞
やわらげる 他動詞 ー やわらぐ 自動詞


sptt

 

Monday, August 4, 2025

おもしろい<xxける>動詞

 

<xxける>動詞はたくさんあるが、おもしろいものが少なくない。 アイウエオ順にならべてみると

あざける 他動詞
いじける 自動詞
おじける  (おじる)  自動詞
おどける 自動詞

かまける 自動詞  仕事にかまけて、家庭をおろそかにする
こける 自動詞  づっこける
ころげる、ころがる  自動詞 ー ころがす 他動詞  笑いころげる

しょげる 自動詞   しょげかえる
しらける 自動詞
すすける 自動詞
ずるける 自動詞

たいらげる 他動詞
たまげる 自動詞  方言か?
だらける 自動詞
たわける 自動詞

なまける  他動詞 他動詞 ー 届く 自動詞
にやける 自動詞

はげる  自動詞 ー はがす 他動詞  頭がはげる、ペンキがはげる
ひしゃげる、ひしゃぐ  自動詞
ふける (老いる)  自動詞
ふざける 自動詞 
ふやける 自動詞
ぼける 自動詞
ほどける 自動詞 ー ほどく 他動詞
ぼろける 自動詞   ぼろけた家、ぼろけた車

むける 自動詞 ー むく 他動詞  一皮 (ひとかわ) むける、リンゴん皮をむく
もげる 自動詞 ー もぐ 他動詞  リンゴをもぐ、もぎとる

 

共通事項

1)人の否定的、非難的、ほめられたものではない言動を示す自動詞が多い。

あざける
いじける
おじける
おどける
かまける
しょげる
ずるける
だらける
たわける
なまける
にやける
はげる
ふける (老いる)
ふざける
ぼける
ぼろける

2)必要以上の弛緩 (リラックス)、主に人の言動関連 (重複あり)

おどける
しらける
だらける
たわける
なまける
にやける
ふざける
ぼける

3)上の 2) に関連するが  正常、本来からの離脱  (重複あり)

かまける
こける  づっこける
ずるける
だらける
たわける
なまける
はげる
ひしゃげる
ふける (老いる)
ふやける
ぼける
ほどける
むける (皮がむける)
もげる

 

SPTT



Saturday, August 2, 2025

こる、こりる、こらす、こらしめる

 

<こる>、<こりる>、<こらす>、<こらしめる>は関連語だろうがややこしそう。 ここではあえて当て字に近い漢字を使わずに話を進める。

こる

肩がこる
将棋にこる

<xxをこる>とは言わないので自動詞だ。<肩がこる>はいかにも自動詞だが、<将棋にこる>は対象があるので他動詞的だ。だが<将棋をこる>とは言わない。

<肩がこる>は<肩が固まる>感じだ。<将棋にこる>もこじつければ<将棋に固まる>感じだ。

<こり症>の<こり>は<こる>の連用形の体言 (名詞)用法。

肩のこりがひどい。

も同様。

 

こりる

続いた二度の失敗にこりて、三度目はあきらめた。
幾度もの失敗にこりずに続けた。
もうこりごりだ。

<こりる>の意味は、難しく

Wiki 辞典では

ひどい目にあったために再びしようとする気力が無くなる。

というやや長い解説がある。

英語訳は、ネット辞書では適当なのが見当たらない。基本的には、あるいは一般的には、一度、あるいは幾度やってもうまくいかず<やるのがいやになる>といった意味だろう。

 

こらす 他動詞

<こらす>は少なくとも二つの違った意味がある。

1)目をこらす

目をこらしてもっとよく見ろ。

<ある特定の場所に固定してよく見る、見続ける>といった意味だろう。

2)意匠をこらした作品

十分に力を入れる。心を入れる。

自動詞<こる>の他動詞版といえる。

 

こらしめる 

Wiki辞典、その他では

悪いことをした人に制裁 (罰) を加え、二度としないようにさせる。

太郎は人の迷惑になることばかりしているので、少しこらしめてやる。

<こらしめる>は<こらす>の使役形に見えるが<こらす>の意味とはかけ離れている。<こらす>の使役形は<こらさす>もあるが、これは<こる>の使役形にもなりうる。

こる

肩がこる -> 肩をこらさす
将棋にこる ->(太郎を)将棋にこらさす

こらす

目をこらす ー> 目をこらさす
意匠をこらす ー> 意匠をこらさす

<こらしめる>はどこからぃたのか?

意味が通じるのは

<こりる>の

ひどい目にあったために再びしようとする気力が無くなる。

 で、これを少し言い換えると

ひどい目にあわせて、再びしようとする気力を無くする。

 これは<こりさせる>。だがこれは<こらしめる>に通じる。


sptt