確率は数学、統計用語で probability の訳。 Japan wiki の説明は次のとおり (抜粋)。
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大和言葉派としては「確からしさ」「多分さ」でいいと思うが、「確からしさ」は「確率」に比べて長すぎ、「多分さ」は口語的すぎるようだ。
私の提案は Probability の訳語として<らしさ>はどうかということである。
ドイツ語は Wahrscheinlichkeit (Probabilität という英語系もあるようだが) で「確からしさ」に近い。
Wahr -確かな
scheinlich -らしい
keit - さ
一方<可能性>という言葉もある。これは英語の Possibility に当たる。専門用語ではないので訳語という意味合いは薄い。
Possibility のドイツ語は Möglichkeit (Possibilität という英語系もあるようだが)。
Möglich -可能な
keit - 性 または上記の<さ>
したがって Möglichkeit は<可能さ>となる。
Möglich は動詞の mögen の形容詞形。mögen は英語の may に相当。
さて、<らしさ>を<らし>と<さ>に分けて調べてみる。
1) <らし>の用法、意味
古語では<らし>は動詞の後に付いて推定を表す助動詞。現代語では<らしい>となるが、動詞にも、形容詞にも、名詞にも付く。何詞か?
a) 動詞に付く場合
来るらしい
在るらしい
推定、推測の意味。
b) 形容詞、形容動詞(というもの) 付く場合
大きいらしい
静からしい
推定、推測の意味。
c) 名詞に付く場合
男らしい
女らしい
まことらしい
本当らしい
<男らしい>、<女らしい>は推定ではなく<ふさわしい><本来の属性をもっている>のような意味になっている。英語の like 。manlike, womanlike 。
<まことらしい><本当らしい>には推定、推測の意味がある。
総じて、<らし>の用法、意味では推定、推測の意味がある。
2)<さ>の用法、意味
a)形容詞や形容動詞(というもの)に付いて名詞化する。または程度(和語:ほど)、度合い、を表す。
形容詞
美しい --> 美しさ
みにくい --> みにくさ
大きい --> 大きさ
広い --> 広さ
深い --> 深さ
形容動詞(というもの)
静かな --> 静かさ
綺麗な --> 綺麗さ
大きな --> 大きさ
確かな --> 確からしさ
b)名詞に付いて
程度(和語:ほど)、度合い、を表す。
男らしさ
女らしさ
まことらしさ
本当らしさ
<さ>の用法、意味のなかには程度(和語:ほど)、度合いがあり、 これは「確率」を示している。
結論
1) <らし>の用法、意味では推定、推測の意味がある。
2) <さ>の用法、意味のなかには程度(和語:ほど)、度合いがあり、 これは「確率」を示している。
したがって、 <らしさ>は probability のやまとことば訳にふさわしく、「確からしさ」よりも短く、発音も容易。
さらに一般化すれば<可能性>(並行して<蓋然性>というほとんど使われない語も現れる)も<らしさ>でいいのではないか。
sptt