かなり前のポスト<感覚動詞-<感じる>の語源>で次のように書いた。
”
<見せる> は<見る>の使役形で、相手に自分が<見える>ようにさせる(してもらう)ことで、英語の <Let me see (it).>だが、英語では to show という別な動詞があり、これをよく使う - <Please show it to me.>。
<(を)聞く>は英語では< to listen to>。<(が)聞こえる>は <to be heard>ともいえるが、普通は自己中心的な <to hear>、<I hear xxx>だ。
”
ところで、日本語に<聞かせてあげる> という表現がある。基本的には<言う>、<話す>と同じような意味だ。これを使うのは、お母さんが子供に、小学校の先生が生徒に、のような場合に限られているようだ。いわば少し年齢が上の幼児語だ。
<聞かせてやる(やろう)>という言い方もある。幼児語ではないが、これまた使う場面は限られているようだ。<聞かせてあげる>、<聞かせてやる(やろう)>は言い手と聞き手の間に<上から下に向かって言う>というような関係がある場合に限られ手ているようだ。
まれに念を入れて<話して聞かせてあげる>、<話してきかせてやる(やろう)>と言う場合もある。
現代中国語(普通語、北京語)で<言う>は大体<告诉(ピンインは gao su)>が相当し<告诉你> と<你>付きでよく使われる。
一方私の住む香港の広東語では<我話啤你聴 >が普通によく使われる。<啤(正しい字かどうかは?マーク)>は日本語の<あなたに、君に>の<に>に相当。いわば助詞だ。したがって意味は<あなたに話して聞かせてあげる>となる。主語の<我(わたし)>を加えると<わたしはあなたに話して聞かせてあげる>となるが、日本語ではまずこうはいわない。女性なら場合によって<わたし、あなたに話して聞かせてあげる(わ)>とは言いそうだ。いずれにしても日本語はかなり長い。ちなみに<我話啤你聴 >はどう発音するかと言うと<ngo-wa-pei-nei-ten>で、5音節ですむ。 <わたしはあなたに話して聞かせてあげる>はなんと19音節にもなる。また広東語にも普通語(北京語)のピンインみたいなものがあるが、<ngo-wa-pei-nei-ten>はそれではなく私が勝手に発音をまねて書いてみたもの。なお、ngo は<んお>の発音に近いが香港の若い人の発音は (ng)o で限りなく <o (お)>の発音に近い。本場の広州ではまだ ngo がのこっている。また広東語にも普通語(北京語)にもピッチ(音声高低)があるが、これも無視している。ピッチを無視して平板な<(ng)o-wa-pei-nei-ten>では通じないおそれがある。普通語(北京語)は4声だが広東語は最低6声といわれていて、相当耳がよく、また何度か失敗を重ねないとまねができない。我話啤你聴<(ng)o-wa-pei-nei-ten>はおそらく、wa は低く、ten はかなり高く発音されているようなので、これをまねする必要がある。
ten
pei
(ng)o nei
wa
上記はあくまで私の推測。興味のある人は辞書をひくなり、広東語が母国語の人に聞いて確認してください。
sptt
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