このポストは ”<to give up> と<あきらめる>" の第二弾。ただし今回はドイツ語の<nachgeben>を参照にする。
nachgeben をインターネット独英辞典(Collins German-English Reverso)でしらべると
nachgeben
nach+ge•ben, sep irreg
nach+ge•ben, sep irreg
1 vi
a
[Boden, Untergrund] to give way ( +dat to)
(=federn) to give (fig)
[Mensch] to give in or way ( +dat to)
(=aufgeben) to give up or in
(=federn) to give (fig)
[Mensch] to give in or way ( +dat to)
(=aufgeben) to give up or in
b (Comm)
[Preise, Kurse] to drop, to fall
[Preise, Kurse] to drop, to fall
2 vt
(=noch mehr geben)
darf ich Ihnen noch etwas Gemüse nachgeben? may I give you a few more vegetables?
er ließ sich ($) Fleisch nachgeben dat he had another helping of meat
つまりは第一義として一番目に<to give away>、そして二番目に<to give up, in>がでているのだ。 to give away、それに to give in は日本語では<ゆずる>、to give up は<あきらめる>だ。ドイツ語では、あるいはドイツ語が母国語の人たちの頭の中では<ゆずる>も<あきらめる>も大差はないのだ。これは私にとっては大きな発見だ。nachgeben の geben は英語の to give と同源で、よく使われる動詞だが基本的な意味は<与える>だ。一方前にある nach は接頭辞だが元来前置詞、副詞で<xxの後(あと)で(に、へ、から)>、<後(うし)ろで(に、へ、から)>が基本的な意味だ。話は込み入ってくるが、<後(あと)>は位地(空間)と時間の両方に関係し、<後(うし)ろ>はだいたい位地(空間)に関係する。
簡単な組み合わせだが、nachgeben は
あとで 与える
あとに 与える
あとへ 与える
あとから 与える
うしろで 与える
うちろに 与える
うしろへ 与える
うしろから 与える
以上のうちで<ゆずる>、<あきらめる>と関係があるのはどれか?どうもすぐには答えが出てきそうにない。なぜかと言うと<与える>は他動詞で<何かを与える>の<何か>がないと具体化しないのだ。<後(うし)ろ>はだいたい位地(空間)に関係し、今検討している<ゆずる>、<あきらめる>とはあまり関係なさそうなので、以下は冗長さをさけるため<後(うし)ろ>はの方は省いておく。
あとで 金を 与える
あとに 金を 与える
あとへ 金を 与える
あとから 金を 与える
ドイツ語の nachgeben は分離動詞なので、日本語の方も分離してみた。以上のうちで<ゆずる>、<あきらめる>と関係があるのはどれか?これまたどうもすぐには答えが出てきそうにない。<与える>は他動詞だがやや複雑で<誰々にで何かを与える>の<誰々>がないと具体化しない場合がある。手品のようだが<誰々>を加えてみる。
あとで 太郎に金を 与える
あとに 太郎に金を 与える
あとへ 太郎に金を 与える
あとから 太郎に金を 与える
以上のうちで<ゆずる>、<あきらめる>と関係があるのはどれか?読者をからかっているようだが、これまたどうもすぐには答えが出てきそうにない。だが<ゆずる>の場合は
あとで 太郎に金を 与える
あとから 太郎に金を 与える
が少しは関連がありそう。始めは与えなかったのだが、<後になって一歩ゆずって太郎に金を与えた>と解釈できなくもない。
ところが<金>のところを<許し>、<承諾(しょうだく)>、<OK>に換えてみる。
あとで 太郎に 許し(承諾、OK)を 与える
あとから 許し(承諾、OK)を 与える
<ゆずる>の意味合いが出てきたようだ。<あとで>、<あとから>(nach)は重要で
太郎に<許し(承諾、OK)を 与える
では<ゆずる>の意味が出てこない。では<あきらめる>の方はどうか。ここは<一歩ゆずって>、ドイツ語が母国語の人たちと同じく<ゆずる>も<あきらめる>も大差はない、と思い切ったらどうか。納得できないひとのためには、次のような連想ができないものか。
ゆずる -> 屈する(負ける) -> あきらめる
これでも納得できないひとのためには、中間の<屈する(負ける)>には説明がいる。<屈する(負ける)>は相手(太郎)に<許し(承諾、OK)を与える>のではない。
<自分自身が持っている要求、要望、さらには欲望>を<(自分自身に)後(あと)から与える(与えようとする)> -> <後回しにする、nach-geben>、<棚上げにする、to give up>
以上の説明で、まやかしの手品のようだが、<あとで(あとから)与える(nachgeben)>が<ゆずる>、さらには<あきらめる>になる。
さて、この nach は vor (xx の前で(に、へ))との対比だが、位置(空間)の<後(うし)ろ>に関してはは hinter (英語ではbehaind か)、zurück (英語では back とか to return)というのがある。違いは
nach - 前を見て後(あと)、後(うし)ろを言う。したがって時間関連だが<遅れ(る)>は nach になる。
hinter - これは主に位置(空間)関連で、<前を見ながら>があまり関与しない。
zurück - 後ろ見て(ふり返って)後(あと)、後(うし)ろを言う
詳しくは<やまとことば>とはあまり関係がない文法事項なので別のところで別途検討。
sptt
darf ich Ihnen noch etwas Gemüse nachgeben? may I give you a few more vegetables?
er ließ sich ($) Fleisch nachgeben dat he had another helping of meat
つまりは第一義として一番目に<to give away>、そして二番目に<to give up, in>がでているのだ。 to give away、それに to give in は日本語では<ゆずる>、to give up は<あきらめる>だ。ドイツ語では、あるいはドイツ語が母国語の人たちの頭の中では<ゆずる>も<あきらめる>も大差はないのだ。これは私にとっては大きな発見だ。nachgeben の geben は英語の to give と同源で、よく使われる動詞だが基本的な意味は<与える>だ。一方前にある nach は接頭辞だが元来前置詞、副詞で<xxの後(あと)で(に、へ、から)>、<後(うし)ろで(に、へ、から)>が基本的な意味だ。話は込み入ってくるが、<後(あと)>は位地(空間)と時間の両方に関係し、<後(うし)ろ>はだいたい位地(空間)に関係する。
簡単な組み合わせだが、nachgeben は
あとで 与える
あとに 与える
あとへ 与える
あとから 与える
うしろで 与える
うちろに 与える
うしろへ 与える
うしろから 与える
以上のうちで<ゆずる>、<あきらめる>と関係があるのはどれか?どうもすぐには答えが出てきそうにない。なぜかと言うと<与える>は他動詞で<何かを与える>の<何か>がないと具体化しないのだ。<後(うし)ろ>はだいたい位地(空間)に関係し、今検討している<ゆずる>、<あきらめる>とはあまり関係なさそうなので、以下は冗長さをさけるため<後(うし)ろ>はの方は省いておく。
あとで 金を 与える
あとに 金を 与える
あとへ 金を 与える
あとから 金を 与える
ドイツ語の nachgeben は分離動詞なので、日本語の方も分離してみた。以上のうちで<ゆずる>、<あきらめる>と関係があるのはどれか?これまたどうもすぐには答えが出てきそうにない。<与える>は他動詞だがやや複雑で<誰々にで何かを与える>の<誰々>がないと具体化しない場合がある。手品のようだが<誰々>を加えてみる。
あとで 太郎に金を 与える
あとに 太郎に金を 与える
あとへ 太郎に金を 与える
あとから 太郎に金を 与える
以上のうちで<ゆずる>、<あきらめる>と関係があるのはどれか?読者をからかっているようだが、これまたどうもすぐには答えが出てきそうにない。だが<ゆずる>の場合は
あとで 太郎に金を 与える
あとから 太郎に金を 与える
が少しは関連がありそう。始めは与えなかったのだが、<後になって一歩ゆずって太郎に金を与えた>と解釈できなくもない。
ところが<金>のところを<許し>、<承諾(しょうだく)>、<OK>に換えてみる。
あとで 太郎に 許し(承諾、OK)を 与える
あとから 許し(承諾、OK)を 与える
<ゆずる>の意味合いが出てきたようだ。<あとで>、<あとから>(nach)は重要で
太郎に<許し(承諾、OK)を 与える
では<ゆずる>の意味が出てこない。では<あきらめる>の方はどうか。ここは<一歩ゆずって>、ドイツ語が母国語の人たちと同じく<ゆずる>も<あきらめる>も大差はない、と思い切ったらどうか。納得できないひとのためには、次のような連想ができないものか。
ゆずる -> 屈する(負ける) -> あきらめる
これでも納得できないひとのためには、中間の<屈する(負ける)>には説明がいる。<屈する(負ける)>は相手(太郎)に<許し(承諾、OK)を与える>のではない。
<自分自身が持っている要求、要望、さらには欲望>を<(自分自身に)後(あと)から与える(与えようとする)> -> <後回しにする、nach-geben>、<棚上げにする、to give up>
以上の説明で、まやかしの手品のようだが、<あとで(あとから)与える(nachgeben)>が<ゆずる>、さらには<あきらめる>になる。
さて、この nach は vor (xx の前で(に、へ))との対比だが、位置(空間)の<後(うし)ろ>に関してはは hinter (英語ではbehaind か)、zurück (英語では back とか to return)というのがある。違いは
nach - 前を見て後(あと)、後(うし)ろを言う。したがって時間関連だが<遅れ(る)>は nach になる。
hinter - これは主に位置(空間)関連で、<前を見ながら>があまり関与しない。
zurück - 後ろ見て(ふり返って)後(あと)、後(うし)ろを言う
詳しくは<やまとことば>とはあまり関係がない文法事項なので別のところで別途検討。
sptt
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