<ふがいない>、<なさけない>は漢字を使うと<不甲斐ない>、<情けない>となる。文字通りでは
<甲斐あらず>ではない ー>甲斐がある
情けがない
で意味が違ってくる。
<不甲斐ない>についてはいくつかの説明があるが、ネットで検索すると
”
「不」は確かに打ち消しの意味を持つものの、「ない」はただの形容詞の接続語(接尾語か)にあたります。「あどけない」の「ない」と同じくひとかたまりの言葉であるため、二重否定であるという意見は誤りなのです。
”
という解説が妥当のようだ。だが<ひとかたまりの言葉>の意味がよくわからない。
<あどけない> は<あどなし>が語源のようだ。
だいぶ前に(2014)<だらしない、だらしがない>の語源をさぐったことがある。<だらしない>は<ひとかたまりの言葉>で、しかも最後の<ない>は形容詞の接尾語、とも言えるかもしれない。
<情けない>は<情け容赦なく>の<情け>を連想すると、意味が分からなくなる。この連想をしやすいように<情けない>は主に
1.思いやりがない。無情である。これはやまとこおばではいろいろあって、つれない、すげない。そっけない、というのもある。日本人の<思いやり>重視の反映ともいえる。だがよく使われるうちに意味のズレ、派生が発生しがちで<情けをかけることはない>に意味では
2.同情の余地なし (無情である、ともいえる)
の意味、用法がでてくる。さらには
3.みじめである、見るにしのびない。
となり、これは<なさけない>に近い。
sptt
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