だいぶ前に
<広がり>についてー2 Apr 16, 2015
というポストを書いたことがある。<広がり>は響きのいい言葉で内容もある。このポストの冒頭で
”
<広(ひろ)がり>はいいやまとことばの一つだ。<末広がり>というやや俗っぽい言葉もあるが、<空間の広がり>、<時間の広がり>、<時空の広がり>は物理学で使うが、哲学的でもある。詩的でもある。
”
と書いている。 さて最近べつのブログで "<を>とる自動詞、移動動詞 " を再チェックしていたが、<越える>、<過ぎる>、<通る>に加えて< 渡 (わた) る>をチェックしている時に< 渡 (わた) る>が<広がり>を表わすことに気がついた。その箇所を抜き出すと
”
日本語の方は<は基本的に自動詞で
鶴が渡って来る季節
昔は船で中国へ渡った。
鐘の音 (ね) が響き渡る。
問題は多岐にわたる。<渡る>は何か変だ。
これらは to cross はおかしい。
鶴が海を越えて渡って来る季節
昔は船で海を越えて中国へ渡った。
なら to cross が使える。
ところで、この<渡る、わたる> は<広がり>が感じられる動詞だ。
”
鐘の音 (ね) が響 (ひび) き渡る。
響 (ひび) き渡る:hibiki wataru は耳で聞いてもいい。
似た表現を探してみると
ベルが鳴り渡る。
とどろき渡るおたけび (ハリマオの主題歌
澄 (す) み渡った空
晴れ渡った空
ここは涼しい風が吹き渡って来る。
自然現象以外では
食べ物 (資料) が皆に行き渡る。長きにわたって校長をつとめた。 <渡る>はややおかしい。<わたって>と平仮名でいいだろう。
他動詞の<渡す>も
見渡す
は<広がり>を感じさせる。
sptt
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