<引っ越す>は変な言葉だ。意味内容は<引く>も<越す>もほとんど関係ないように見える / 聞こえる。英語では to move、to relocate というが<引く>も<越す>も全く関係ない。私はは初めて<引っ越す>が<to move>なのを知った時、少しおどろいた。そのためか、以後<引っ越す= to move>は忘れなくなったし、抵抗なく使えるようになった。英語圏の人が<to move= 引っ越す>は理解しがたいだろう。だが <引っ越す>は <モノを引きずって移動する>感じがないではない。<引く>が<引きずる>はまあいいが、問題は<越す>だ。<越す>は少し面倒な動詞で自動詞だか他動詞だかよくわからない。
越える=越す
峠 (とうげ) / 頂上を越える
峠 (とうげ) / 頂上を越す
峠 (とうげ) / 頂上を越す
コロナウイルスは峠を越えた。
コロナウイルスは峠を越した。
コロナウイルスは峠を越した。
の<越える>、<越す>は ”<を>をとる自動詞 = 移動動詞 ” ということになっている。
<越える>と<越す>は微妙に違うようで、<コロナウイルス>の場合は
コロナウイルスは峠が越えた。
はいいが
コロナウイルスは峠が越した。
はダメ。 <越える>は自動詞性が強いと言える。一方<越す>は<が>が使えないので他動詞と見ることもできる。(これは新発見)
意味としては<障害物を過ぎる>だが、<過ぎる>も ”<を>をとる自動詞 = 移動動詞 ” だ。上の例ではわかりにくいが
川を越える / 越す
は<川の一方の岸から他方の 岸 (対岸) へ行くことだ。<行く>は明らかに自動詞だ。
<海を越える>というが<海を越す>はあまり聞かない。海は<越える>、<越す>障害物としては大きすぎる。大きすぎるが、<一方の岸から他方の 岸 (対岸) へ行くこと>は変わらない。
一方<引っ越す>に特に障害物はない。 <一方の岸から他方の 岸 (対岸) へ行くこと>は<一方の旧住所から他方の新住所へ行くこと>だ。旧住所から他方の新住所への距離、道のりを障害物と見れば<障害物を過ぎる>になる。つまりは<引っ越す>は
モノを引きずりながら旧住所から他方の新住所への距離、道のりを越して行く
ことなのだ。to move も<引っ越す>場合は自動詞だろう。
sptt
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