Thursday, December 13, 2018
<うしろめたい>の語源
<うしろめたい>、<うしろめたさ>はシリアスに考えると良心の呵責(かしゃく)、罪悪感、罪の意識となる。西洋では教会で告解(こくげ)をすると罪の意識(うしろめたさ)が薄らぐことになっている。だがこれはカトリックで、これをやめてしまったプロテスタントとは相いれないという由々しき問題なのだ。さてやまとことばの<うしろめたい>の語源はなにか? 似たような言葉に<うしろぐらい(暗い)>があるが語源をさぐるというほどのことはない。意味はズレるが<後ろ髪を引かれる>というのもある。
<うしろめたい>の語源で問題は<めたい>だ。古語は<うしろめたし>でこれが<うしろめたしい>-><うしろめたい>になったもにだろう。<めたい>、<めたし>は何か?<xxたい>、<xxたし>は願望でつかわれるが<め+たい>とすると<め>はなのか。少し違う<見(み)たい>では<うしろ見たい>となり何のことだかわからない。むしろ<うしろ見たくない(が見えてしまう)>とう思いだ。だが<うしろ見たい>も否定はできない。何かの事情で<うしろめたい>の意に変わってしまったのだ。
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<め>は<めっす(る)、滅する>の<め>。<うしろ滅(めっ)したい>-><うしろ滅め(っし)たい>と変化した。意味は<うしろ(過去のまちがい)を消したい>で意味が通じる。だが<滅(めっ)する>は漢語由来だ。しかも促音便で関東方言だ。めくら滅法の滅法(めっぽう)という漢語がある。元来は仏教用語だろう。<めっす(る)、滅する>は意味がようく伝わらない(イメージがわかない)まれな言葉ではなかっただろう。
やなとことばに<消す>というような意味の<めつ>という動詞があり、これに<たい>がついて<めちたい>。<ち>がぬけて<めたい>。
<みたす(満たす)>がなまって<めたす>。だが<うしろ満たす>はナンセンスだ。
あるいは<めたす>という動詞があり、この連用形は<めたし>で、連用形には体言(名詞)用法があり、<うしろ+めたし>ー><うしろめたし>で、元来は体言(名詞)だったが、修飾語(形容詞)になった。だがほかの<xxxめたし>がみつからない。
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<めたい>、<めたし>とい形容詞、形容詞語尾があった。<めでたし>ではない。<うしろめでたし(い)>ではこれまた何のことだかわからない。だがほかの<xxx めたし(い)>がみつからない。
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<めた>を探しているうちに、手元の辞書(三省堂)で<めた>をみつけた。 日常よくつかっている。
めためた(めちゃめちゃ) - 事態はもう<めためた>だ。なまって、事態はもう<めちゃめちゃ>
だ。 その侍(さむらい)は相手を<めためた>に切った。
めちゃくちゃ - 太郎は花子が好きなおもちゃを<めちゃくちゃに>こわした。
めちゃ - このステーキは<めちゃ>うまい。
めった(にない) - こういううまい話は<めったに>ない。
めったやたら - こういううまい話は<めったやたらに>ない。この秘密は<めったやたらに>に人に語るものではない。
この<めた>はおもしろいので別途とりあげることにした。
sptt
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