Friday, December 14, 2018
<うしろめたい>の語源-2 <めた>、<めちゃくちゃ>
前回のポスト ” <うしろめたい>の語源 ” の最後で次のように書いた。
"
<めた>を探しているうちに、手元の辞書(三省堂)で<めた>をみつけた。 日常よくつかっている。
めためた(めちゃめちゃ) - 事態はもう<めためた>だ。なまって、事態はもう<めちゃめちゃ>
だ。 その侍(さむらい)は相手を<めためた>に切った。
めちゃくちゃ - 太郎は花子が好きなおもちゃを<めちゃくちゃに>こわした。
めちゃ - このステーキは<めちゃ>うまい。
めった(にない) - こういううまい話は<めったに>ない。
めったやたら - こういううまい話は<めったやたらに>ない。この秘密は<めったやたらに>に人に語るものではない。
この<めた>はおもしろいので別途とりあげることにした。
"
と書いたので、忘れないうちに続けてかくことにする。
手元の辞書(三省堂)によると<めた>は中世の言葉だ。 <めちゃうまい>などの現代語になっているのはおもしろい。<めちゃうまい>と言っている人で<めた>が中世の言葉と知って使っている人はごくまれだろう。手元の辞書には語源説明がないが、語源は漢語(仏教語らしい)の<滅多>だろう。<めくら滅法>、<滅法つよい>、<滅法もない>という言い方がある。<滅法>の<滅>は<滅(めっ)する>で、<全滅>というのもある。<めっすると、なくなる>ので<ない>という意味につながる。<法がない>は<決まり、規律がない>で<めちゃくちゃ>に通じる。したがって<滅多>は<多くはない>ということになる。<滅多(めった)にない>は<多くはなくはない>になってしまうが、これは二重否定による<否定>の強調で説明できる。<滅多(めった)にない>は<けっして多くはない>。<けっして多くはない>は辞書の説明の<そんじょそこらにない>だ。<法がない>は<方法がない>の意味もあり、これだと<やみくも(闇雲)>になる。これも辞書の説明に似たようなのがある。
さて<うしろめたい>の語源の話にもどって、 <うしろめたい>の<めた>を上記の<めた>とすると、<い>を形容詞語尾として<うしろめた>、<うしろ滅多>を考えてみる。
<うしろ>がめちゃくちゃ、<うしろめちゃめちゃ>
<うしろ>がまったくない
<うしろ>がやみくも、<うしろが>なんだかわからない
が考えられる。<うしろがめちゃくちゃ>の心理を考えてみると少し飛躍することになるが<したことを考えると、もうどうしていいかわからない>となる。状態を示す形容詞語尾<い>を付け加えると、<うしろめたい>で<したことを考えると、もうどうしていいかわからない(こころの、思いの)状態>の形容となる。
sptt
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