<勉強する>の<勉強>は中国語由来で、もとの中国語の意味と関連はあるが、大きなズレがある。中国の Wiki相当 の baike.baidu の解説を利用すると
baike.baidu の冒頭の解説は
勉强 miǎn qiǎng:能力不够,还尽力做、不是心甘情愿的、使人做他自己不愿意做的事、将就或凑合、不充足等。出自《礼记·中庸》。
で、大体察しがつくが、なじみのない心甘、将就、凑合は、これまた baike.baidu の解説を利用すると
<心甘>は<甘い心>ではなく<心甘>または<甘心>で
甘心:
(1) 情愿 [willingly; readily]
つまりは、甘んじる、甘んじてxxする。
将就は
将就 jiāng jiu:对事物不太满意,勉强适应,凑合。 出自《诗·周颂·访落》
ことは不満だが無理して合わせる。
凑合は
3)で将就、4)で勉强(适应)が出てきて堂々巡りだが、これが冒頭の<将就或凑合>の意味で1)、2)は凑合のもと意味だろう。<凑>自体は
『礼記』の成立
『礼記』は雑然とした内容を集積した書物であり、篇によって成立時期は異なる。例えば、「中庸」篇は孔子の孫の子思の作。
とあり、
(その内容は、政治・学術・習俗・倫理などあらゆる分野に及ぶ、雑然とした記録の集積である。)
反義語はおもしろい。
情愿 qíng yuàn:志愿;愿望。心里愿意。宁愿。
したい、やりたい
充分は<不十分>の反義語で、上の例では<十分できる>の反義語<能力不足>で出てくる。
乐意 lè yì:も多義語と言える。baike.baidu の解説。
- 甘心愿意 even if being taken advantage of, to be still willing
- 愿意提供…
- 满意、高兴
- 快意;高兴
- 愿意。
基本的には<よろこんでxxする>の意だが、無理することなく自然に to be satisfied, to be content の意もある。。快乐がないが、 生日快乐 (Happy birthday)、新年快乐 (Happy New Year) などよく使われる。乐意= 快乐 (happy) ではない。
さて中国語の話が長くなってしまったが、 日本語の<勉強する>について再考してみる。というのは日本語のネットの<勉強する>、<勉強>の語源の多くの解説では、中国の語源を反映して<勉強する>がワルモノ扱されているのが少なくない。<勉強する>ではなく<学習する>であれば中立になるが、親が子供に<遊んでばかりいないで学習しなさい>というのはまず聞いたことがない。現代中國では<好好学习>、<努力学习>とよく言う。日本語の<勉強する>には<やりたくはないが、無理にする、無理やりさせられる>の意がつきまっとているようだ。調べてはいないが今の<勉強する>は明治時代以降の使用だろう。もし遣隋使、遣唐使の時代であれば<能力不够,还尽力做;能力は不足だがせいいっぱいやる>の意で使われてきたはずだ。日本で中国語の<勉強>と同じような意味の変遷があったとは思えない。 だが明治時代以降の輸入使用とすると<やりたくはないが、無理にする、無理やりさせられる>の意味での輸入使用になるが、そうではない。おそらく知識人の文献からの輸入使用だろう。つまりは
《礼记·中庸》:“或安而行之,或利而行之,或勉强而行之,及其成功一也。”
稲森和夫は
いやな仕事とでも、実際やってみるとおもしろいことがある。
やりたくない仕事とでも、やっているうちおもしろくなることがある。
というようなことを言っている。
<問題に対処する>、<困難に立ち向かってのり越える>は今は<チャレンジする>と positive な言い方に代わっている。稲盛和夫も Steve Jobs もそれまで世の中にないものを並々ならぬ苦労をして(あるいは経営者として並々ならぬ苦労を社員にさせて)製品化し、世に出して成功した創業者だ。ネットで調べてみると
稲盛和夫「経営の神様」10の名言
の一番目に
という意のがある。関連する名言には
「八方ふさがりの状態で、いつまでもすねて、毎日ぶつぶつ言っていても、どうなるものでもない。自分の人生をうらんでみても、天に唾するようなものだ。たった一度しかない貴重な人生を、決して無駄に過ごしてはならない。どんな環境であろうと、常に前向きに生きよう」
『人生と経営』(稲盛和夫 致知出版社) p24
どんな分野でも、成功する人というのは自分のやっていることにほれている人です。仕事をとことん好きになれ─それが仕事を通して人生を豊かなものにしていく唯一の方法といえるのです。
「最初は多少無理をしてでもいいから、まず「自分はすばらしい仕事をしているのだ」「なんと恵まれた職業についているのだろう」と心の中でくり返し自分にいい聞かせてみる。すると、仕事に対する見方もおのずと変わってくるものです」
というのがある。一方 Steve Jobs は
こどものような遊び心と好奇心が重要
というようなことをいっている。
Steve Jobs の<10の名言、Steve Jobs 10 quotes>の中では
7. “Your work is going to fill a large part of your life, and the only way to be truly satisfied is to do what you believe is great work. And the only way to do great work is to love what you do.”
As programmers, we have the lucky fortune to often be extremely into our work. By following our passions, we can produce truly excellent products. Many people are locked into jobs that they didn’t want simply because they found themselves going down the path of least resistance. You can never truly succeed if you resent where you are.
というのがある。
個人的には1番目が好きだ。
1. “Simple can be harder than complex; you have to work hard to get your thinking clean to make it simple.”
Any programmer worth their salt knows the difference between something that works and something that is elegant. Steve Jobs built a fortune on creating simple designs that may have had the same functionality as other designs, but did it better. In programming, the simpler solution is always the best solution, as it carries with it fewer potential complications.
<勉強>では The 14 Best Steed Jobs Quotes (上の 10 Quotes と overlap するのが多い) の中に
13. "I'm convinced that about half of what separates successful entrepreneurs from the non-successful ones is pure perseverance."
と言うのがある。
<Steve Jobs 10 quotes、Steve Jobs 14 quotes>の中には
この<こどものような遊び心と好奇心が重要>
がないのだが、他のところでこのようなことを言っているようだ。これは中国の<勉強>にも日本の<勉強する>にもない。<好奇心>の方は<好奇心から自主的に勉強、学習する>方が positive でいい、また効率もよく、ドンドン頭には入ってくる。
問題は<遊び心>で、
特に<遊び心があると>自主的に勉強、学習するわけではなく、効率もよく、ドンドン頭には入ってくる、わけでもない。
<遊び心>は難しく、英国のユーモア、日本語の落語と関連があろうが、これらは主に言葉上の<遊び心>で行動は伴わない。ネットで少し調べてみると
sptt
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