Sunday, June 30, 2013
取る、とらえる、探す、求める
このポストは、別のポスト ”ドイツ語の接頭辞(prefix)-1、<er->” の挿入部に手を加えたもの(ほぼそのコピー)。コピーだけでは独創性がないので、これに<探す>、<求める>を加えた。
<取る>は<手に取る>が具体的だが<手に入れる>としてはじめて<得(え)る>、<獲得する>になる。<取る>, <手に取る>は<手に入れる>、<得る>、<獲得する>とはあまり意識しないが大きな違いがある。この違いをかなりはっきり分ける民族、言葉がある。これを調べているうちに日本語に関して同じような関係を探し当てた。
取(と)る - とらえる (捕らえる、と漢字を使うと見えなくなる)
掴(つか)む - つかまえる (捕まえる、と漢字を使うと見えなくなる)
押(お)す - 押さえる (抑える、と漢字を使うと見えなくなる)
踏(ふ)む - ふまえる(踏まえる、とはあまり書かない)
思う(古くは、おぼゆ、おもほゆ) - おぼえる(覚える、と漢字を使うと見えなくなる)
以上はいずれも五段活用の動詞で<動詞未然形+える>の形式。意味としては、
とらえる - 取って得る
つかまえる - つかんで得る
押さえる - 押さえて得る
ふまえる - ふんで得る
おぼえる - 思って得る
(<ふまえる>の辞書の解説に<すでに得たもの、現在直面すものや将来の成り行きをよく見た上で、何かをする>というのがあったが、<ふまえる>に<何かをする>の意味はない。)
やや微妙だが
かかえる - か(掻)いて得る(持つ)
くわえる - (食(く)って持つ (ほとんど使わないが、銜える、と漢字を使うと見えなくなる)
も同類だろう。
いづれも<xxて(して)<得る>、<持つ> の意だ。
一方可能形は
取(と)る - 取れる (とりえる、ともいえる)
掴(つか)む - 掴める
押(お)す - 押せる
踏(ふ)む - 踏める
思う - 思える
食う - 食える
掻(か)く - 掻ける
となり、<動詞仮定形+る>の形式。
かなり微妙(あるいは?マーク)だが、また<得る>、<持つ>とあまり関係がなさそうだが、
ひかえる - 引く - 引ける
ささえる - 差(さ)す - 差せる (<差す>は<差し上げる>の<差す>だ)
たたえる - 立つ - 立てる
かまえる - かまう(噛(か)む、は違いすぎる)
むかえる(迎える、と漢字を使うと見えなくなる) - 向かう
つかえる - 尽く(尽きる、の意)
こらえる - 凝(こ)る
も<得る>に関係ありそう。
単なる偶然の一致だが<er->と<える(eru)>は発音も似ている。
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<探す>、<求める>は特殊な動詞だ。
<探す> は<探し当てる>と違う。英語の to find は<探す> ではなく<探し当てる>、<見つける>だ。
きのう一日中探したが、見つからなかった(探し当てなかった、探し当てられなかった)。
きのう一日中探したが、探さなかった(探せなかった)、は特殊な状況以外変な日本語だ。
きのう一日中探そうとしたが、探さなかった(探せなかった)、もやや変だ。
きのう一日中探そうとしたが、探そうとしなかった、は変な日本語だ。
英語は、I tried to find it all day yesterday but did not (was not able to) find it.
<探す>の英語は<to look for, to search for、 to search something for> で look 自体は自動詞。 search は to search for では自動詞、to search something for では他動詞。for に<求めて>の意がある。逆にいうと、日本語では<xx を求めて yy を探す>で<求める>という<を>をとる他動詞を使う。
<求める>はどうか?
きのう一日中求めたが、求めなかった(求められなかった)、は変な日本語だ。
きのう一日中求めようとしたが、求めなかった(求められなかった)、も変な日本語だ。
英語は、I was asking for it all day yesterday but did not asked for it. これは変な英語だ。
<to ask for >は<to try to obtain by requesting>の意で、
I was asking for it all day yesterday but did not get (was unable to get) it. が正解。
この場合、英語の ask 自体は自動詞。
日本語では<さがす(探す、捜す)>も<求める>も<を>とり、ともに他動詞。
刑事は手がかりを求めて部屋中を捜した。
一般の動詞は次のようになる
<とる>
きのう一日中取ろうとしたがたが、取れなかった。
きのう一日中取ろうとしたがたが、取らなかった 、は変な日本語だ。
きのう一日中取ったが、取れなかった 、も変な日本語だ。
<見る>
きのう一日中見ようとしたが、見られ(見れ)なかった。
きのう一日中見ようとしたが、見なかった、は変な日本語だ。
きのう一日中見たが、見なかった(見られなかった)、も変な日本語だ。
sptt
Friday, April 26, 2013
さす-刺す、差す(挿す)、指す
<さす>は刺す、差す、挿す, 指すと漢字を使うと多義語だが、やまとこどばの<さす>は広い意味で(一般化、抽象化すると)<点>にまつわる動詞だが動きがともなう。<指す>の英語はいくつかあろうが、 to point で表わせる。
以前のポスト(sptt Notes on Grammar)で<つく>について次のように書いた。
”
突く
着く
付く 、 関連語:付ける
就く
衝く (的を絞って突く、攻撃する)
尽 く 、関連語:尽きる、尽くす
憑く (もののけが(とり)つく)
搗く (こめ、もちなどをつく)
点く (火がつく、電気がつく)
漢字を使うと意味が違う、あるいは微妙に違うようだが、大和言葉としての<つく>はかなり大雑把な動詞、よくいえば、かなり一般化、抽象化された語だ。もとの大きな意味は共通している。<ある点のようなものに近づく、近づける>といったような意味だ。
<点を打つ>という表現もあるが<点をつける>はより大和言葉的だ。 <つく>、<つける>は点(0次元)関連の動詞だ。
”
<さす>は <刺す>の場合<つく>の<衝く (的を絞って突く、攻撃する)>の意味と重なるところがある。
<差す>と<挿す>はほぼ同じようだが、 <挿す>がほぼ物理的な to insert の意にせばめられるが、<差す>はかなり意味が広く、心理的な表現も多い。
傘を差す (この<差す>はどういう意味か? <差しかける>参照)
刀を差す
魔が差す
水を差す - 水差し
物差し - これは<物指し>の方がいいようだ。
差し金
差し当たり- <差し当たる>と言う動詞は使わないようだ。
差し入れる - 差し入れ 慣用あり
差し置く - この意味での<差し置き>という名詞(体言)は使わないようだ。
差し押さえる - 差し押さえ
差し替える - 差し替え
差し掛ける - 傘を差し掛ける ->傘を差す。
差し交わす- 差しつ差されつ
差しきる - 競馬用語
差し込む - 差込み
差し障(さわ)る - 差しさわり
差し迫る
差し出す - <差出す>という名詞(体言)はな使わないようだ。<差出人> は郵便用語。<モノを差し出す>とは違う。 (*2)
差し支(つか)える - 差し支え
差し出がましい (形容詞) <差し出る>は使わないようだ。
差し止める - 差し止め
差し伸べる
差し挟(はさ)む - 実際には何かを狭いすき間に差し込むことで、何かが<はさまれる>ことになることを表わすようで、<はさむ>という感じではない。ところで<はさみ>は洗濯ばさみのようなものもあるが、ふつうの<はさみ>は切る道具で、正確には<裁(断)ちばさみ>。カニの<はさみ>もほぼ同じ。
差し控える
差し引く - 差し引き(*1)
差しまねく - これは<指しまねく>ではないか?
差し向かう - これは<指し向う>だろう。<指し向かい>だろう。(*3)
差し向ける(*2) - 差し向け
差し戻す- 差し戻し(*4)
差し渡す(*2) - 差し渡し(直径)
(*) この<さす>は中国語の<差>(cha, 四声は無視)に由来するようで、やまとことばの<さす>とは関係ないようだ。
(*2)も <点>または<スキマ>にまつわる動詞とは言いがたく、どちらかというと<送(おく)る>に関連した語だ。中国語(少なくとも香港の広東語)では 郵便配達(員)(postman、mailman) のことを<郵差>と言う。
(*3) <指す>ははじめに書いたが、 英語の to point に相当する。上記の<差し向ける>と<指し向く>は違う。<指す>は英語の to point と同じく方向を示すことができる。
(*4)<差し戻す>は<いったん前に出したもの(こと)を戻す>の意だ。
<差す>と<指す>と<刺す>と漢字を使うと意味が微妙に違うようだが、基本的な意味は同じ。
差す - <何かを少し前に進める(出す)> といった動作を指す。将棋(の駒)を差す(少し前に進める)。碁は<打つ>だ。上記の<差す>の例は大体この意味で説明がつく。
指す - 物理的には指(ゆび)を<少し前に進め(出し)て>その方向を示す動作だ。
刺す - 上記の指(ゆび)を<針、ナイフのような先がするどいモノ>とすれば<刺す>になる。
いずれにしえも漢字を使わない、または話したり聞いたりするときにはすべて<さす>だ。
ところで<とげを刺す>というが、文法的には<とげが刺さる>が正しいだろう。
また、<刺身(さしみ)> の語源は何か?
sptt
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