Saturday, April 5, 2014
<創造>のやまとことば
<創造>のやまとことばについて考えてみる。
だいぶ前のポスト<つく、つくる、つかむ; <つくる>の語源>で<つくる>の語源を考えて次のように書いた。
”
ところで、<つく(tsu-ku)>は人の活動としては重要な動詞<つくる(tsu-ku-ru)>、<つかむ(tsu-ka-mu)>と関連ありそうだ。<つくる>の語源はおそらく<もちをつく>の<つく>からきている。もち以外について<つくる>ものに刀(かたな)がある。刀は<焼いてたたいて>つくる(鍛造)がこの製造工程の一部は<つく>だ。もちや刀はついて<かたちつくる> のだ。つくる(tsu-ku-ru)は重要な動詞だと思うが、<つく(tsu-ku)>に比べると3音節、さらに<-u>が連続するため発音しにくいし、 聞きずらい。<こしらえる>、<こさえる>はそれぞれ5音節、4音節だが発音しにくい、聞きずらいことはない。<こしる>、<こす>の語源は?マークだ が、<える>が続くので可能とともに<得る>の意がある。<つくって>、<つくった>モノを得るのだ。
”
<作る>がいちばん<創造>(creation, to create, to make)に近い。体言(名詞)は<作り>だが創造にならない。<作る>以外に他動詞では
生む - to yield
<こどもを生む> の英語は<to give birth to (a baby)>とか<to delivery (a baby)>でやや特殊。一般的な<生む>は<to yield>だろう。少し長くなるが<生み出す>がいい。体言(名詞)は<生み>で、創造に関連して<生みの苦しみ>というのはあるが<生み>だけではイマイチ。<生み出し>の方がいい。<作り出し>よりいい。
もたらす - to bring
<生む>は他動詞で<xx を生む>でいかにも主体性のある他動詞らしいが<もたらす>は<xx は(が)yy をもたらす>という表現で他動詞だが<生む>の主体性はなく、因果関係を客観的に述べている感じだ。また<被害をもたらす>、<危機をもたらす>のように好ましくないできごと、現象と相性がいいようだ。また<to bring>の翻訳調も否めない。<もたらす>は<もつ->もた>+<ら>+<す>だろう。<もつ(持つ>は<取る>が動的、積極的であるのに対して静的、現状維持的だ。どこか別のポストで書いたが<ある(有る、在る)>と通じるところがある。また<もたらされる>と受身でもよく使い<つくる>、<うむ>というよりは<あたえられる>だ。
<創造>は基本的には他動詞の行為、作業だが、実際の<創造>の過程は主体的でない場合が少なくない。創造が<もたらされる>のだ。
<創造>の自動詞を考えてみる。
いちばん<創造>(creation, to create, to make)に近いやまとことばの自動詞は<できる>だろう。<できる>は漢字で<出来る>と書くが、まさしく<出て>+<来る>だ。<出て来る>は<現(あらわ)れる>だ。基本的には<ある(有る、在る)ようになる>だ。
基本動詞-行く、来る;出る、入る-の組みあわせ
出て行く (to go out) - 出て来る (to come out)
入って行く (to go in) - 入って来る (to come in)
<出て来る(to come out)>と<入って来る (to come in)>は似通っている。
出て来る(to come out)> - 現れる
<入って来る (to come in)> - もたらされる
<出す>、<出る>は創造関連のやまとことばが多い。
作り出す、生み出す、描き出す(絵画、小説)、彫(ほ)りだす(彫刻)、 考え出す、紡(つむ)ぎ出す(比喩)、引き出す(比喩)(特徴を引き出して描き出す)、打ち出す(比喩)(新機軸を打ち出す)
湧(わ)き出る(新しいアイデアが湧き出る)
芸術は創造と表現だが、表現関連の言葉は
<表現>は文字通りでは<あらわす-あらあす>で、<あらわす>が相当する。<あらわす>は<見せる>で見世物は<見せモノ>だ。
一方発見は<見え出す>、<見えて来る>で<xx が出て来る>のを<見る>だ。
sptt
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<つく、つくる、つかむ; <つくる>の語源>(https://www.blogger.com /blogger.g?blogID=3551482075237373903#editor/target=post; postID=7449345650754587398;onPublishedMenu=allposts; onClosedMenu=allposts;postNum=35;src=link)
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