Friday, January 18, 2019
<いのり>、<のろい>、<なのり>
<いのり(祈り)>と<のろい(呪い)>は古語の<のる>関連語だ。
いのり <- いのる
のろい <- のろう
<のる>は今は使わないが
<なのる(名+のる)>で今も使われている。<なのり>は<なのる>の連用形の名詞(体言)用法。<名を名のれ>はおかしいが使われるのは<なのる>の元の意味が薄れてしまったためか、語呂がいいためからだろう。その他では
のりと (祝詞)
みことのり <み+ことのり>の<ことのり>の<のり>
<のたまわく>(<- のりたまわく) の<の(り)>
にからくも残っている。
<のる>は単なる<言う、語る>ではなく神がかった><言う、語る>と言える。
漢字の話になってしまうが、<呪う>は違うが
祈り
神
社(やしろ)
祭り
祟る(たたる)
祠(ほこら、と読む)
禰宜(ねぎ、と読む)
はいずれも<示>がつく。さらには
祝う
福
禄
禍い(わざわい)
禁じる (北京の紫禁城)
は<示>がつく。
いまは名刺交換などで簡単にすませているが、<名のり>は一種の儀式で昔はく神がかった>ものだったろう。<問われて名のるもおこがましいが>と言う決まり文句がある。日本のむかしの戦記物での<名のり>は勇ましく、自慢げなのが多い。水滸伝では<名のり>の場面が随所にでてくるが、<問われて名のるもおこがましいが>と同じくへりくだった言い方が多い。とくに主人公の宋江の場合がそうだ。水滸伝の時代背景は宋の時代だが、水滸伝が書かれたのは明の時代。中国、日本で謙譲の美徳が出てきたのはいつごろからか?
sptt
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