<古い>、<新しい>を少しまじめに考えてみた。
<古い>は<古くなる>が自然な言い方で、時間の経過にしたがった自然な流れだ。<古くする>はやや変だ。<新しい>、<新しくなる>は人の場合には<若い>、<若くなる>となるが、時間の経過にしたがった自然な流れを考えると<若くなる>は変だ。ひとの場合は<古くなる>でもいいが<老いる><年老いる>が普通だ。だが<老いる>は形容詞ではなく動詞だ。
英語と比較してみると
old (古い) - new (新しい)
to age (老いる) aging というのがあるので age は動詞用法があり、<原形>は to age。
日本語と同じで<新しくなる><若くなる>に相当する一語の動詞が見つからない。あるとすれば<原形> to new だが、あるのは
to become new, to get new; to become young, to get young
という言い方なのだ。
<あたらしい>は<あらたし>の変化というので、もとは<あらたし>で<あらたになる>、<xx をあらたにする>という言い方がある。<あらたになる>と<あたらしくなる>、<xxをあらたにする>と<xx をあたらしくする>は同じような意味だが、まったく同じというわけではない。
<あらた>の同類で<あらたまる>、<あらためる>があり、<まるーめる>の自他動詞コンビになる。漢字にすると<改まる>、<改める>になり<新たな><新しい>の感じがうすれてしまう。<改まる>、<改める>はいくつか違った意味があるが、話がずれていきそうなので別に検討する(末尾参照)。
to new という動詞はないが new がつく英語の動詞には
to re-new 名詞形 renewal
to renovate 名詞形 renovation
to innovate 名詞形 innovation
がある。これは特徴的なのだ。英語の形容詞の動詞化にはいくつかのパターンがある。一般的なのは
short - shorten
strong - strengthen
weak - weaken
wide - widen
special - specify
simple - simplify
これらからすると
new - newennew -newfy (newify)
があってもいいのだがこういうのはない。なぜなら上で述べたようにモノ、コトは自然には
to become new, to get new; to become young, to get young
にならなず、自然には
to become old、 to get old
になるのだ。 これはいきものだけではなく、たとえば事業会社にも適用される。ではいきものや会社が
to become new, to get new; to become young, to get young
になる、するにはどうしたらいいのか?ここで少し前にもどって
new がつく英語の動詞には
to re-new 名詞形 renewal
to renovate 名詞形 renovation
to innovate 名詞形 innovation
がある。
to re-new、to renovate は文字通りでは<再度新しくする>で<再度(ふたたび)>がつく。何故か?なぜなら新しくなる、新しくするには<別のモノやコトで入れ替える>必要があるからだ。
日本語では<新しくする>だけでよさそう。<新しくなる>も使えるというか、これが普通だ。<新しくする>、<新しくなる>には<re = ふたたび>がないが、
あの店は最近新しくなった。 (<あの店は最近新しされた>とはいわない。)
で大幅な<別のモノやコトで入れ替え>が想定される。
to innovate、innovation は<re>がないので<再、ふたたび、もとにもどって>ではない。一時(いっとき)会社論で<破壊と創造>というのがあったが、to innovate、innovation はこのこの創造に近い。<in>は必ずみ<入れる>ではなく動詞化接頭辞だ。to improve, improvement もこの類だ。
(末尾)
改まる
<年が改まる>でも<年が新たまる>でもいいようだ。
体制(組織)が改まる。
<やり方が改まる>はあまり聞かないが<新しい上司のもとで社員の仕事のやり方が改まった>とは言いそうだ。
なにもそうあらたまることはない。 <改まる>も<新たまる>も何か変だ。
改める
<年を改める>はあまり聞かないが<年を改めた2021年>はOKだ。
体制(組織)を改める。
<やり方を改める>は<やり方を変える>に近い。
改めてもう一度おうかがいしましょう。(<改まって>はダメだ)
sptt
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