Sunday, March 16, 2025

やまとことばの Yes と No

 やまとことばの <Yes> と <No>はいろいろあって、

<Yes> と <No>を やまとことばの日本語に訳せ。

という試験問題があったとしたら、 いろいろな答えがでてくるだろう。

1) Yes: はい、No: いいえ

2) Yes: そうだ、そうです、No: そうじゃない、そうではない

この場合、 Yes は

 はい、そうです。

とも言うが、、長くなり、かつ完結した文。

No は< Yes ではない>と Yes の否定形になり

 3)いいえ、そうじゃない、そうではない、そうではありません。

ともいう。  これまた、長くなり、かつ完結した文。No の一語とは単純に比べられない。ほかの言い方もあろう。

<はい>は純やまとことばらしくない。 <はい>は広東語由来の可能性が高い。日本軍は1941年12月25日から1945年8月15日まで香港を占領しいていた。4年半余りで長くもないが短くもない。広東語で Yes を<ハイ、係>という。北京語の<是>相当。<ハイ>は簡潔だ。当時日本の軍隊でYes をなんといってたか調べていないが、一般的には

そうです。

命令に従う場合は

わかりました。

とか言っていたのだろう。これに比べると広東語ではどちらの場合も簡潔な<ハイ>で済む。簡潔な<ハイ>を軍隊で使いはじめたのでないか。

 <いいえ>も純やまとことばらしくないが、こちらの方は<いや>という  Yes に対するNo 相当の否定語があり、<いいえ>にかなり近い。

上で<やまとことばの日本語>と書いたが、漢語の<Yes> と <No>はほとんど使われない。

昔、武士は

4) Yes: しかり、さよう、No:しかあらず、しからず、さにあらず、いな

で漢語っぽいのがあるが、いずれも<やまとことば>だ。

中国語の<Yes> と <No>もいろいろあるが、一般的、よく使われるのは

1) Yes: 是、No:不是

 これは

 Yes: はい、No: いいえ

相当。<是>は基本的に動詞だが、

 Yes: そうだ、そうです、No: そうじゃない、そうではない

 の<そう>が含まれていえる。また、命令に対して、従う場合は

ー 是。

の一語で答える。 従わない場合は

ー 不是。

ではなく、ケースバイケースのようだ。

ー 我反对。我不同意。不服从 bù fúcóng

2) Yes: 对、No:不对

Yes:对 正しい、 そうだ、 No:不对 正しくない、間違っている。

一方西洋語の方は

英語:Yes / No
ドイツ語:Ja ( 発音はヤー/ Nein)
フランス語:Oui / Non
イタリア語:Sì / No
スペイン語:Sí / No
ロシア語:Да / Нет (Da ダ / Net, ニエット)

否定形はすべて<N>で始まる。

日本語の否定は<ない>、昔は<なし>で、やはり<N>で始まる。<ない>、<なし>は形容詞で活用がある。<な>が後にくるが<いな>というのもある。

連用形 なくて、なしで
連体形 ない時、ないこと
仮定形 なければ

だが<ない> 、<なし>だけでは No にならず、普通は

そうではない

で<そう>の 否定形になる。では<そう>は Yes かというと、<そうではなく>、Yes は

そうだ

<だ>必要。イタリア語、スペイン語の Yes は<Sì / Sí >で<S 音>。英語、ドイツ語には<そう>の意に近い<so>があり、日本人はこれに引きづられて、

It is so。   そうです。
Is that so ?  そうでですか?

を多用しがちだ。

一方否定の<ない>に<だ>をつけた

ないだ

はダメ。<ない>が形容詞だからだろう。

美しいだ。
青いだ。

は基本的にダメ。一方<そうだ>の<そう>は、いわゆる<こそあど語>で

こうだ
そうだ
ああだ
どうだ ?

の<そうだ>。上の四つは言い換えると

このようだ
そのようだ
あのようだ
どのようだ ?

<そうだ>、<そのようだ>は<it looks like it> の意がある。頭の<it>は<それ>ではなく、<to look like it>の不定文を<定文>にするための仮主語のようなもの。意味を持つ<to look like it>の不定句を<定文>にするための仮主語のようなもの。日本語でこのようにする必要はない。だが<定文>にするには<だ>が必要。(これは新しい発見だ。別途検討)
 
<そうだ>、<そのようだ>の意味は、場合によりけりだが、
 
1)to identify.   肯定的な確認(を示す)
2)同意(を示す)
 
<こそあど語>は指示語とも言い、肯定指示の表示。つまりは Yes なのだ。だがこれは、堂々巡り的な言葉の遊びのようでもある。
 
 
sptt

 


 


 


 

 

 

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