Monday, September 1, 2014
<きわだつ>、<きわだたせる>
このポストは前々回のポスト ”<言葉(ことば)>の<葉)>とは何か?” の続編-2で<はし>に関連した話だ。<端(はし)> のやまとことばの関連語はかなりあり、なぜこうも多いのか自体おもしろい調査対象だ。
きわ(際)、へり(縁)、ふち(縁、めがねの縁、<淵>は意味が違う)、がかなり<端(はし)>の意に近いが、さらに範囲を広げれば、すみ(隅)、かど(角)、はて(果て)、さかい(境)もある。
<きわ(際)>は応用範囲がひろい。
場所 - 窓ぎわ
時間 - まぎわ、帰りぎわ、死にぎわ
複合語 - きわだつ(自)-きわだたせる(他)、きわまる(自)-きわめる(他)、きわめて(副詞)、きわどい(形容詞)
<きわ、ki-wa>は<かわ(皮、側、川)、ka-wa>と関連があろう。窓ぎわ-窓がわ
<きわだつ、ki-wa-da-tsu>、<きわだたせる, ki-wa-da-ta-se-ru>は意味だけではなく、<-a>音が多く、聞いてもいいやまとことばだ。<きわだつ>の意味は文字通り<きわ(際)>が<たつ(立つ)>で、<目立つ>の意に近いがニュアンスがちがう。英語に outstanding という形容詞があるが(動詞は to stand out)、これはどちらかというと<目立つ>で<きわだつ>には及ばない。もっとも英語の outstanding は90%方良い意味で使われるが、日本語の<目立つ>は90%方悪い意味で使われるようだ。<きわ>は outline といえそうで outline を<目立たす>、<目だ立たせる> と<きわだつ>ことになりそうだが、少し違うようだ。個人的な意見だが、<きわだつ>はいいが<きわだたせる>は意図が感じられて<きわだつ>ほどはよくない。自然と、おのずから<きわだつ>のがいいようだ。そしてこれは努力なしで得ることは難しいようだ。
広告コピー(例)
きわだちの一品
際立ちをきわめた一品
香りがきわだつ xx コーヒー
目立たずに際立つ xx アイシャドウ、口紅(化粧品)
かすかに際立つ xx ワイン(吟醸)の香り
などはどうか?
話は大和言葉から離れてしまうが、英語も<へり>関連の語が多い。ドイツ語はあまり分化が進んでいないようで、(das)Rand が<へり>関連の代表語で、独英辞典では
Rand: edge, rim, brim, margin, ring, verge (on the verge of xx), brink, outskirt
となっている。最後のoutskirt の skirt は女性がはくスカートとおなじで、男性はショートスカートの<へり>に目が行く。英語では以上の他に、frill, fringe というのもある。
ちなみに相良独和大辞典では
Rand: ふち、へり、きわ、はし、(Ecke)すみ、 かど、(Ende)きわみ、はて, が冒頭に記載されている。
sptt
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