少し前のポスト<位相(フェイズ、phase)のやまとことば>のなかで
数学では topology の訳語に位相が使われているよるようだが、 よくわけがわからないまま<トポロジー>も使われているようだ。
位相空間(数学) (Wiki)
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数学における位相空間(いそうくうかん、英語: topological space)とは、集合にある種の情報(位相、topology)を付け加えたもので、この情報により、連続性や収束性といった概念が定式化可能になる。
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と書いた。 よくわけがわからない<トポロジー>のやまとことばを探してみる。<トポロジー>の発音はやまとことばとしてわるくないので、わざわざやまとことばにする必要はないかもしれないが、訳語の<位相>がこれまたよくわけがわからないしろものなので、なじみの意味があるやまとことばあれば<位相>に代えてもいいのではないか。 トポロジー の英語の語源は
Wiki
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位相幾何学(いそうきかがく、英: topology, トポロジー)は、その名称がギリシア語: τόπος(「位置」「場所」)と λόγος(「言葉」「学問」) に由来し、「位置の学問」を意味している。
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とある。位置と場所は関連はあるがまったく違うものだ。したがって「位置の学問」と「場所の学問」は違う。だが、これはトポロジーとはあまり関係はなく、 トポロジー の内容からすると適切ではない。
Wiki解説を続けると
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トポロジーは、何らかの形(かたち。あるいは「空間」)を連続変形(伸ばしたり曲げたりすることはするが切ったり貼ったりはしないこと)しても保たれる性質(位相的性質または位相不変量)に焦点を当てたものである。位相的性質において重要なものには、連結性およびコンパクト性などが挙げられる。
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でこれがトポロジー(の概要)なのだ。これを読んだだけでは、何のことだがわからない。細かいことをいうと
日本語の<何らかの形(かたち。あるいは「空間」)を連続変形 . . . . .>の部分がよくわからない。この箇所のWikiの英語版は
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topology (from the Greek words τόπος, 'place, location', and λόγος, 'study') is concerned with the properties of a geometric object that are preserved under continuous deformations, such as stretching, twisting, crumpling and bending, but not tearing or gluing.
A topological space is a set endowed with a structure, called a topology, which allows defining continuous deformation of subspaces, and, more generally, all kinds of continuity.
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で、日本語では<幾何(学)的対象(geometric object)>が<何らかの形>とやまとことばになっている。訳者はやまとことばファンか。問題は<形(かたち。あるいは「空間」)>の箇所でこれは英語版にない。おそらく<形(かたち)あるいは空間>ということだろう。つまりは形(かたち)だけでなく空間もトポロジーの対象(object)になるということで、これは後から出て来る内容にあっている。
もう一つ細かいことをいうと
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トポロジーは、何らかの形を連続変形しても保たれる性質に焦点を当てたものである。
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からは<トポロジーは. . . . . に焦点を当てたものである。>となるが、ここの<もの>は<焦点を当てて調べ、考え、説明し、記述する学問>と思うが、これではト<トポロジー学>になってしまう。だが
位相幾何学(いそうきかがく、英語: topology, トポロジー)
とすればこれでいい。<-logy>は学問なのだ。学問を除いた<トポロジー>の意味内容だけを抽出すると、英語の
topology is concerned with the properties of a geometrical object that are preserved ......
から関係代名詞句を前にもってきて
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トポロジーは、. . . . .連続変形(伸ばしたり曲げたりすることはするが切ったり貼ったりはしないこと)しても保たれる<何らかの形>の性質 . . . . . に焦点を当てるものである。
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とするとなぜか<もの>は問題がなくなる。上に出てきた空間は位相空間になる。繰り返しになるが
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数学における位相空間(いそうくうかん、英語: topological space)とは、集合にある種の情報(位相、topology)を付け加えたもので、この情報により、連続性や収束性といった概念が定式化可能になる。
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で、これは前回のポスト<<空間のやまとことば-2 (数学の空間)>のなかの
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数学における空間(くうかん、英: space)は、集合に適当な数学的構造を加味したものをいう。
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で数学の<空間>はつまるところ<集合>なのだ。
の箇所とほぼ同じことを言っている。違うのは
集合に適当な数学的構造を加味したものをいう。 (数学の<空間>)
集合にある種の情報(位相、topology)を付け加えたもので、(位相空間: topological space)
すなわち
<適当な数学的構造>と<ある種の情報(位相、topology)>の箇所が違う。抽象度では<数学の空間>が<位相空間: topological space>の上にあるので
位相空間(topological space) とは
集合に適当な数学的構造(ある種の情報(トポロジー))を付け加えたもの
となる。だが情報=トポロジーではないがトポロジーはある種の情報といえる。したがって抽象度を下げてトポロジー内容に特化すると
位相空間(topological space) とは
集合に(数学的構造の)トポロジーを付け加えたもの。
となる。前回のポストでは
(数学的)空間のやまとことば:もとあつまり
としたので位相空間(topological space)のやまとことばは
位相空間(topological space):トポロジーもとあつまり
<トポロジーもと>がすぐにわかれば、これでいい。だが<トポロジー>はやまとことばではない。これではもとに戻(もど)ったことになってしまう。少し前にもどって
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トポロジーは、. . . . .連続変形(伸ばしたり曲げたりすることはするが切ったり貼ったりはしないこと)しても保たれる<何らかの形>の性質(位相的性質または位相不変量)に焦点を当てるものである。(言い換えてある)
位相的性質において重要なものには、連結性およびコンパクト性などが挙げられる。
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連続性は、直観からも、なんとなくわかるが、コンパクト性は、少し調べて見たが、数学的<ナメクジ論法(*)>の推論、定義でこの短いポストでは((実際は理解できていないので)説明できない。ここでは大胆に、大幅にはしょって書き直すと(<はしょり論法>)
トポロジーは、. . . . .連続変形(伸ばしたり曲げたりすることはするが切ったり貼ったりはしないこと)しても保たれる<何らかの形>の性質に焦点を当てるものである
となる。さらに短くすると
トポロジーは、連続変形ができる<何らかの形>の性質
で、大幅にはしょってはいるが意味は保たれる。だが<連続変形>と<性質>が漢語だ。
連続: 切れることのない、なめらか(な) (<なめらか>ナメクジの語源だ)
変形: かたちがえ
性質は<たち>でいいだろう。あるいは省略してもいい。
トポロジー: なめらかかたちがえ(滑らか形変え)(たち)
少し長いが、これでトポロジーでは<コーヒーカップとドーナッツは同じ>が説明できる。
(*)(数学的)ナメクジ論法
ナメクジのように、間違えのないようあたりをよく見ながら(調べながら)進む(動く)、という意味。
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さて言葉について書いておく。
<トポロジー>から連想されるやまとことば
とっぽい
<とっぽい>は口語で、つまる音なので多分東京圏の言葉だろう。聞いたことはあるが、意味がよく分からないので使ったことはない。手もとの辞書やネット辞書で調べてみると、多義語で確定した意味がない。ネット辞書では死語、また昭和時代に使われた、とある。<トポロジー>は死語ではないが導入時、使用全盛期は昭和時代と思われるので<トポロジー>と関連があるのではないか?
とぼける (語源:と+ぼける)
都合の悪いコトを避けるように対応する。<トポロジー>に悪意はないが通常人の理解を避けるようなところがある。
とぼとぼ
とぼとぼ歩く。 <トポロジー>にはジャンプするようなところがない。 <なめらかかたちがえ(滑らか形変え)>なのだ。
sptt
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