Thursday, November 5, 2020

座標のやまとことば


座標のやまとことばは何か?いったい日常生活、一般の社会生活ではほとんど使わない。数学に興味があればデカルト座標(直交座標ともいうか)が頭の隅にあるかもしれない。さらに興味があればこれはデカルトの大発明というかもしれない。

一方囲碁や将棋に興味のあるひとはすぐに碁盤や将棋盤を連想するだろう。中国の囲碁の歴史は古く、Wikiによると


囲碁の実際の起源ははっきりとはわかっていない。少なくとも春秋時代には成立していたようで、『論語』や『孟子』の中には碁の話題が出てくる。

(中略)

碁盤の交点座標は、先手の黒から見て、横の座標を左から右に1から19の算用数字で、縦の座標を上から下に一から十九の漢数字で表すことが多く、これは数学直交座標系における第四象限と考えるとわかりやすい。

とある。ただ碁や将棋をやる人の興味は勝ち負けが第一で、碁石や将棋の駒の位置や動きに目がいき座標自体の意味を考える人はごく少数派だろう。こういうのを<宝の持ち腐れ>というのかもしれない。

さてやまとことばで座標関連の言葉をさがしてみる。

ますめ

ますめ(升目、枡目))は碁盤の<め>に近い。<ますめ>の<め>や碁盤の<め>は必ずしも<目>ではないだろう。この詮索は別途する予定。

 <ますめ>は座標といえるかもしれないが、座標は<ますめ>ではない。<ますめ>というやまとことばからはデカルトの大発明が結びつかない。むしろ、<ますめ>となっていること、そして囲碁や将棋はもっぱらこの<ますめ>を使うため、もっと自由な座標に発展しなかったのだろう。

これまたWikiからの引用になるが(座標)、 

 ”

起源

座標という概念を初めに考え出したのは哲学者であり数学者でもあるフランスのルネ・デカルトといわれている。ただし、彼の著書『幾何学』では問題に応じて基準となる直線を適宜設定しており、現在のような固定した座標軸を設定する表現は用いられていない。

(中略)

「座標」の由来である"co-ordinate"の用語を初めに用いたのはドイツの哲学者、数学者のゴットフリート・ライプニッツであり、現在の直交座標系の表記もライプニッツのものに由来する。

 ”

 <彼の著書『幾何学』では問題に応じて基準となる直線を適宜設定しており、現在のような固定した座標軸を設定する表現は用いられていない。>の箇所は重要で、これはやや専門的になるが一種の<一般座標(generalized coordinate)>(*) でこれも大発明である。

ものさし

<ものさし>はデカルトの適宜設定の直線に近いが、いわゆる座標の直交座標にはならない。言葉としては<もの>も<さす>も一般的な語で<一般座標(generalized coordinate)>のやまとことばならば<ものさし>がいい。

Wikiの説明によれば、デカルト座標(直交座標)はライプニッツの発明ということになる。デカルトもライプニッツも大哲学者だ。直交座標はあるもの<位置決め(いちぎめ)>に関連している。ここが肝心どころだ。したがって座標のやまとことば第一候補としては<ものさし>から連想しやすい

1)座標 = いどころさし

だが、連想しやすさから一本の直線を連想しやすい。用途はよく知らないが直角定規というのがある。

2)座標 = いどころぎめ

実際には<いどころぎめ>に使う道具といえるが、道具は漢語だ。したがって

座標 = いどころぎめ(につかう)もの

となるが、長すぎるし、これはどちらかというと定義だ。 一方<いどころぎめ>は<座標のはたらき>といえるので、悪くはない。上の<ものさし>と同じで連用形の体言(名詞)用法。これはやまとことば(日本語)の大きな特徴だ。

ライプニッツの直交座標は直線の組み合わせで、直線は軸(じく)ともいう。<じく>はやまとことばに聞こえるが

ネット辞典では


中国語訳轴ピンインzhóu、 【広東語】. イェール式juk6.

となっており、昔の発音を多く残す広東語は juk または zhuk (チョ(ッ)クと発音)で漢語だ。 直線あるいは線のやまとことばは、以前に調べたが、適当なのがなく<すじ>が一番近いようだ。したがってこれらの座標は

いどころぎめすじ
いどころぎめすじかい (かならずしも直交ではないが、交差している二つ以上の直線だ)

となるが、これは受け入れらられそうもない。 


(*)一般座標(generalized coordinate)>を勉強してうるうちに<座標のやまとことばは何か>と考えて、このポストを書き始めた。

 

sptt



 

 

 

 


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