前回のポスト”<ばら>、<ばらばら>、<ばらつく>の語源>”の最後の方に
でっち上げに近い推測語源
として<ばら>、<ばらばら>、<ばらつく>の語源を書いた。<でっち上げ>は<でっち上げ語源>という表現も含めてわたしの好きなやまとことばのひとつだ。<でっち上げ>の語源を調べて見たが、手ものと辞書にはなかった。<でっち上げ>は吃音(きつおん)なので<でち上げる>、さらには<でつ>(末尾:注)など関連がありそうな語も手もとの辞書で調べてみたが語源らしきものは見つからなっかた。ネットで調べてみたら、次のような解説があった。
https://www.weblio.jp/content/でっち上げ
”
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/05/01 08:39 UTC 版)
捏造(ねつぞう(慣用読み)、でつぞう)とは、実際になかったことを故意に事実のように仕立て上げること。「捏」の読み方は古くは「デツ」であるため、でっち上げの語源ともなっている。
”
<「捏」の読み方は古くは「デツ」であるため>も調べて見たが、現代語では
普通話: nie(1)
広東語:nip (広東語は古い中国語の発音を多く残している)
で<捏(ねつ)造>の n 音だ。捏造(ねつぞう(慣用読み)、でつぞう)、< 古くは「デツ」>と説明しているが<捏造(ねつぞう)-慣用読み>は間違いといえるのではないか?つまりは<ねつぞう>は<正式読み>なのだ。昔<でつぞう>と発音していたとは思えない。
上のわたしの推測が正しいとすると、百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)の解説は<でっち上げ>になる。だが幸い悪意はまったくない、といっていい。悪意のない<でっち上げ>は悪くないし、意外な発見や創造がある。
<でっち上げ>の語源は別のところにありそうだ。
追記
<でつ>とう動詞があったとすると、<でちあげる>の<でち>は連用形になる。これから活用を推測すると
現代の五段活用から類推
でたない (立たない)
でちて (立つ)
でつ (立つ)
でて (立てば) - むかしは已然形だ。
あるいは
現代の下二段活用から類推
でちない (起きない)
でちて (起きて)
でつ (でちる) (起く、起きる)
でちて (起きて)
<現代の下二段活用から類推>の活用の方が自然だ。いづれにしても<でつ>という動詞が使われたとは思えない。<捏造>という漢語が使われその音読み(ねつぞう)は今でも使われる。いつごろからか知らないが昔も使われたろう。<捏造>の<捏>だけを使って、意味を残してやまとこば化すると<ねつる>、<でつる>になる。現代の<ミスる>の類だ。
末尾
(注)<でつ>
落ちる(おちる) 古語は<落(お)つ>からの類推だが
さちる <- サチュレート
とちる <- (とつ)、とちめんぼう
というおもしろい口語がある。
sptt
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