Wednesday, December 2, 2020

<ばら>、<ばらばら>、<ばらつく>の語源

 

<ばら>、<ばらばら>、<ばらつく>は兄弟語といえる。 

<ばら>は

いまは既成パック入りの商品が多いいので<バラで買う>は死語になりつつあるが、菓子なども昔は菓子屋ではかりではかって<ばらで買う>のが普通だった。もっとも紙袋に入れてもらって持ち帰ったが。現在の既成パックのごみの量は莫大だ。

 この<ばら>は<パック入り>の反対語とみていい。

バラで買う
既成パック入りで買う。

<ばらばら>は<まとまった>の反対語といえるが、

ばらばらな状態、ばらばらの状態

はいづれも使える。反対語は

まとまった状態

<ばらばらに>は

ばらばらにxxする
まとまってxxする

で<まとまって>が反対語になるが

<ばらばらになる>の反対語は<まとまる>、<ばらばらにする>の反対語は<まとめる>で<まる-める>のコンビ、ペア動詞だ。 

<ばら>、<ばらばら>だと語源は擬態語のようだ。<ばらばら>、<ばらつく>の姉妹語ともいえるものに同じく擬態語と思われる<ぱらぱら>、<ぱらつく>がある。あまり聞かないが

雨がぱらぱら降ってきた。
雨がぱらつき始めた。

とは言うようだ。

だが大昔から<ばら>、<ばらばら>という語が擬態語として使われていいたただろうか?どうもそうではないような気がする。

さて<ばらつき>は日常語として

このクラスの今度のテストの成績はバラツキが大きい。

などのようにつかわれるが、<ばらつき>は数学、統計学では<やまとことば>の正式用語に近いが

分散、標準偏差

という漢(字語が正式用語のようだ。分散、標準偏差は英語の訳と思うが、もとの英語は

分散 - Variance
標準偏差 - Standard Deviation

内容的にはVariance から Standard Deviation が計算されるのだが、なぜか英語もしたがってその漢字語の日本語やくもまったく異なった語がつかわれている。大雑把には分散も標準偏差も<ばらつき>の度合を示す。

Variance の兄弟語には

Variety
Variable
Variation

があり、日本語発音にすると

バラ(ばら)イアンス
バラ(ばら)エティ
バリアブル
バリエーション

バラエティ、バリエーションは日常語になっている。意味はいろいろ異なったものがある、選択肢(し)が多い、と言った意味だ。

でっち上げに近い推測語源

昔ある人(多分エンジニア)が仕事上<バラ(ばら)イアンスが大きい>という機会が多く、<バラ(ばら)イアンス>が長すぎるので<バラ(ばら)が大きい>と言い始めた。さらに進んで<これはバラバラ(ばらばら)だ>とも言うようになった。

だが<バラ(ばら)が大きい>、<バラバラ(ばらばら)だ>からは<ばらつく(ばらつき)>はすぐには出てこない。

似たような言葉に<ふらつく(ふらつき)>、<ぶらつく>がある。 いづれも<ばらつく>に少し似た意味があり、しかも<ばらつく>よりかなり以前から使われてたようだ。ひとところ(中心、平均のところ)にじっとしていないといった意味がある。

<ばらつく>は<ふらつく>、<ぶらつく>に英語のもとの意味を持ったエンジニア用語の<バラ(ばら)>が流用された。

 

sptt


 


 

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