Sunday, December 20, 2020

病(やま)いのやまとことば

 

<やまい>はよくないが<やまいのやまとことば>は語呂がい。

頭が痛い
歯が痛い
腰が痛い
膝(ひざ)が痛い
胃が痛い

頭痛(ずつう)、腰痛(ようつう)、胃痛(いつう)はよく聞くが<歯痛(しつう)>、<膝痛(何と読むのか?)>は聞いてもすぐにはわからないだろう。<痛い>は形容詞だ。英語でいえば painful。動詞は<痛(いた)む>で

頭が痛む
歯が痛む
腰が痛む
膝が痛む
胃が痛む

で問題なく移行する。意味は形容詞よりシリアス、あたりまえだが<動詞的>だ。英語は to pain で My head pains. となりそうだが、My head aches. あるいは My head hurts. とも言えるだろう。英語でも<動詞的>だ。だが My head is painful. が普通だろう。さらには I have a headache. がもっと普通によく聞く。日本語の体言(名詞形)は<痛(いた)み>で

頭の痛み
歯の痛み
腰の痛み
膝の痛み
胃の痛み

でこれまた問題な体言(名詞形)に移行する。英語では、多分

 I have a headache (toothache, pelvis ache, knee ache, stomach ache). だろう。 また<I>以外はあまり使わないだろう。 他人の痛みは基本的にわからない。

<痛み>は<感じたり>、<あったり(存在)>、<出たり(出現)>する。表現方法は

頭の痛み(歯の痛み、腰の痛み、膝の痛み、胃の痛み)感じる

<感じる>は他動詞で、<を>をとるが、形式ばっていてなにか日本語らしくない。

頭に痛み(歯に痛み、腰に痛み、膝に痛み、胃に痛み)感じる

ともなるが、これもなにか日本語としては変だ。存在は

頭に痛み(歯に痛み、腰に痛み、膝に痛み、胃に痛み)ある。

となる。出現は

頭の痛み(歯の痛み、腰の痛み、膝の痛み、胃の痛み)が出る

変なのもあるが<腰の痛みが出る>はなんとかなりそう。

痛み(歯に痛み、腰に痛み、膝に痛み、胃に痛み)出る

も変なのもあるが<腰に痛みが出る>、<膝に痛みが出る>はよさそうだ。

以上ざっと見た限りでは、他動詞を使った<痛みを感じる>より形容詞の<痛い>を使った<xx が痛い>、さらには自動詞を使った<xx が痛む>がやまとことばらしい。<あたま>、<は>、<こし>、<ひざ>はやまとことばだ。 

その他の例

咳(せき)がでる -せきをする
熱がでる - 熱がある
吐き気がする
寒気がする
めまいがする


病ではないが、日常的な生理現象も自動詞表現が使われる。

元気がある - 元気がでる - 元気だ  <元気をする>は<頭痛をする>、<エンジョイをする>に近い。
くしゃみがでる - くしゃみをする
げっぷがでる - げっぷをする
あくびがでる - あくびをする
鼻水がでる
くそがでる - くそをする
おしっこがでる - おしっこをする
へ(おなら)がでる -  へ(おなら)をする
いびきをかく - いびきをする
息(いき)をする 

<xx をする>の<する>は他動詞か自動詞か?

他動詞では

xx を痛める

自分で痛めるわけではないが

頭を痛める  主に比喩用法
腰を痛める

xx をわずらう (長いわずらい=長(なが)わずらい、が多い)

糖尿(病)をわずっらっている

xx を悩(なや)ます 

これまた自分で悩ます、悩まさすわけではないが

頭を悩ます

xx をこわす 

今胃をこわしているのでおかゆを食べている

ためしてみればわかるが、以上の他動詞の受身形は基本的に具合がわるい。

(例) 

腰を痛める ->

だれかに腰を痛められる (の意味ではない。ダメ)

痛められている (ダメ)

 ということは

だれかが<(だれだれの)腰を痛めている、痛めさしている>わけではないということになる。

だが

糖尿(病)をわずっらっている  ->

糖尿(病)をわずらわされている

は可能だが、被害意識がある。


sptt


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