<そんじょそこいら>と<案の定>(<案の上>ではない)は何の関係もなさそうだ。<そんじょそこいら>はおそらく東京下町方言で歯切れがいい。使うのは死語のなりつつありヤグシ(香具師)だ。一方<案の定>は<やはり>の意味に近く、むしろ語源がよくわからない<やはり>の理解に役立ちそう。
さて<そんじょそこいら>と<案の定>の関係だが、<案の定>を平仮名で書いて並べると
そんじょそこいら
あんのじょう
これでもまだよくわからない。<そんじょそこいら>を手もとの辞書で調べてみると
そんじょそこいら <- そんじょうそこいら <- そのじょうそこいら
<そこいら>は<そこら> で<そんじょうそこら>とも言う。<そこら>は<ここら><そこら>の組がある。<あこら><どこら>は聞かないので<こそあど>にならない。相当するには<あちら>、<どこいら>だろう。<どこら>はほとんど聞かないが、<どこいら>は聞くし使う。
ここら(ここいら)、そこら(そこいら)、あちら、どこいら(どこら)
で不完全だが<こそあど>になる。
さて辞書の解説は<そのじょう>は<その定(じょう)>由来と書いてある。しかし<その定(じょう)そこいら>がどうして<そんじょそこいら>になるかだ。これは辞書の解説にない。ここで<案の定>が少し助けになる。
<案の定><やはり>の意味は
いろいろあったが、結局のところ予想、考えていた(こと)、<xxのはず>どおりになった
ような場合を示す(暗示する)ときに使われる副詞(句)といえる。正しかった予想、考えていた(こと)、<xxのはず>がある種の定(さだめ)、そうなること(そういう結果になること)が決まっていた、と考える考え方がある。運命説か。
<その定(じょう)>にこれをあてはめると、<そのように定められている>、<おきまりの>で、さらに<普通の>、<どこにでもあるような>となり<その定(じょう)そこいら>で意味が通じる。
sptt
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