前回のポスト ” 人(ひと)の使われ方 ” で
待ち人 (びと)(きたらず) これは<待つ人>ではなく<待たれている人>。
たずね人 (びと) これも<たずねる人>ではなく<たずねられている人>。
と書いたが、これはおもしろい、というか変な言い方だ。
<待ち人>がなぜ<待たれている人>になるのか。
人を人が待つ場合は<待つ人>と<待たれている人>がいることになる。
<待ち人来たらず>は<待たれている人来たらず> なのだが、これでは長すぎる。
<待たれ人来たらず>で少し短くなるが、こうは言わない。
<待ち人>の<待ち>はどこからきたのか?
<待っている人>と言った場合、実際には二つの違った意味にとれ、曖昧なところがある。
一方<待つ人>はただ一つの意味で間違いない。したがって<待ち人>が<待たれている人>を意味するようにしても間違いは少ない。だが<待ち人>は<待つ人>、<待たれている人、待たれ人>の意味にもなりうる。
<待つ人>は<待つ>の連体形<待つ>+<人>で、普通のつながり方だ。一方<待ち人>の方は<待つ>の連用形<待ち>+<人>で、連用形<待ち>は連用形の名詞 (体言) 用法。つまりは、動詞の名詞形+名詞<人>と言う並び方だ。この並び方はよく見られる。
待ち時間、待ち部屋(待合い室、<会い>は<会う>の連用形)
上の場合も<待つ人>の<待ち時間>、<待つ人>がいる 待ち部屋 (待合い室) だ。
<待ち人来たらず>の場合、後に<来たらず>がくるので間違いは少ないか? また<だが>だが、それでも、曖昧さは残るようだ。
<たずね人>の場合も同じようなことが言える。
sptt
No comments:
Post a Comment