Wednesday, November 20, 2024

お見それしました

 

別のブログ sptt Notes on Grammar の方で2012年に<見る、 見える、見せる、見止める、見なす> のタイトルで<見る>複合動詞<見 (み) XX>を列挙しているが、おもしろいものが少なくない。<目は口ほどにモノをいい>と言える。その中で<見それる>というのがある。<それる>は<脇 (わき) 道にそれる>の <それる>で、<外れる、外れていく>の意。<見それる>はほとんど使われないが<お見それしました>という表現は時々聞く。<お見それしました>をネットでチェックしてみると

1.省略(次の2に比べる、あまりつかわれない)

2. 相手才能手腕などに気づかないでいること。自分のまちがった見方をわびるときに用いる。「これほどお詳しいとは、—しました」

出典:デジタル大辞泉(小学館)

同じような意味の<見 (み) XX>では

見誤 (あやま) る
見過ごす
見損 (そこ) なう
見逃す

などがあり豊富だ。しかし

見過ごしておりました。
見逃しておりました。

は可能だが、<お見それしました> という言い方の代替はダメだ。 <見それる>のは発話者だが、<見それる>の連用形の体言化<見それ>に<お>がついている変な言い方だ。

お見過ごし
お見逃し

は相手のことを言っていて、<お>は理にかなっている。

 

さて、以上は最近よく見ている中国のドラマ (一種のドタバタ劇) で <不知泰山>という字が字幕に出てきて、意味がよく分からないのでチェックしてみた。

Baidu。 Baike に詳しい解説がある。 本来は

有眼不识 (識) 泰山(拼音:yǒu yǎn bù shí tài shān)

で、

目があっても泰山を知らない、知らなかった、泰山が見えなかった。 

といった意味だ。 


中国のドラマ (一種のドタバタ劇) ではほとんど<相手の才能、手腕 >ではなく、高い経済的地位 (大金持ち、大富豪) に気づかないでいたこと、そしてそれが分かった時に深くわびる>場面に限らている。

有眼不识は<見れども見えず>とも言える。<不知泰山>の日本語版は<富士山が見えなかった>とでもなるか。


sptt

 


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