<けち>の語源は、ざっとネットで調べた限りでは
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https://zatsuneta.com/archives/006156.html#google_vignette
「けち」は元々「けじ」であり、漢字では「怪事」と書いていた。「怪事(怪しき事)」とは「縁起の悪いこと、不吉なこと」を意味する。この「怪事(けじ)」の音が変わって「けち」となった。
「けちをつける」とは「相手に縁起が悪くなるようなことを言う」という意味であり、後に「欠点をあげてけなす、難癖をつける」のような意味でも使われるようになった。そして、「けち」は現在のように「粗末なこと、いやしいさま」などの意味を持つようになった。
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これには<けちんぼ>の<けち>の説明がない。「粗末なこと」はすぐには<けちんぼ>にならない。「いやしい」は多義語だが、<金にいやしい>という言い方がある。(末尾)
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[名・形動]
1 (「吝嗇」とも書く)むやみに金品を惜しむこと。また、そういう人や、そのさま。吝嗇 (りんしょく) 。「何事につけても—な男だ」
2 粗末なこと。価値がないこと。また、そのさま。貧弱。「—な賞品をもらった」
3 気持ちや考えが卑しいこと。心が狭いこと。また、そのさま。「—な振る舞いをするな」「—な料簡」「—な根性」
4 縁起の悪いこと。不吉なこと。また、難癖 (なんくせ) 。
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これには<けち>の語源が書かれていない。
3 気持ちや考えが卑しいこと。心が狭いこと。また、そのさま。「—な振る舞いをするな」「—な料簡」「—な根性」
は<けち>に通じるところがある。
4 縁起の悪いこと。不吉なこと。また、難癖 (なんくせ) 。
は https://zatsuneta.com/archives/006156.html#google_vignette での<けち>の語源のようだが、
"
「けじ」であり、漢字では「怪事」と書いていた。「怪事(怪しき事)」とは「縁起の悪いこと、不吉なこと」
"
が<けち>に変わるには相当のステップが必要で、クエスチョンマークと言える。発音の容易さ(口、舌の動かし方の怠け具合)からすると
けち -> けじ
は可能性が高いが
けじ -> けち
は可能性が低い。
<不吉>は日本語では<ふきつ、hu-ki-tsu>と言い、<きつ> の字がある。<きつ>が<けち>に変わった可能性はあるか? <不吉>の反意語は<吉、きち>で<大吉 だいきち、小吉 しょうきち>で<きち>の音が残っているので、意味からして<吉、きち>が<けち>に変わった可能性は小さい。
<不吉 ふきつ> ー> ふきち
の変化は可能性がある。<不吉 ふきち>は<不吉>の意味が残っている。
だが、<ふきち>の<ふ>が落ちて<きち>、これが<きェち> ー> <けち>
も相当の無理がある。
ところで、漢語に<欠、けつ>というのがある。欠点、欠陥、欠乏、欠席で<十分、満足な>状態に対して何かが<欠けている>ことだ。分解して言う時は、上の欠点など<けってん>の<けっ>ではなく、<けってん>の<けつ>と言い、促音にならない。
この意味では、やまとことばで<欠く、欠ける>があるので、わざわざ<欠、けつ>を使うことはないのだが、落語でご隠居が権威づけのために漢語を使うことがあるが、権威づけのために老人や武士が
お前の言うこと、することには<欠く、欠ける>ところがある
というところを
お前の言うこと、することには<欠、けつ>がある。
というような言い方をしたすると、これは
お前の言うこと、することは粗末だ、価値がない。
3 気持ちや考えが卑しいこと。心が狭いこと。
お前の言うこと、することは気持ちや考えが卑しい、心が狭い。
の意になる。
<欠>は中国語にもあり、qiàn と発音するが、あまり見ない。<欠>は日本語の簡体字もどきで、中国では <缺 quē>が一般的にこの<欠く、欠ける>の意味で使われる。
Baike-baide
<缺>の<quē>は現代の北京語発音で、古い中国語の発音を残すと言われる広東語の発音は<kyut>で<キュッ (と) >に近い。<缺点 kyut dim>などは今でも日常よく聞く。日本が <缺>を輸入したころの発音はこの<キュッ (と) >に近かったと思われる。<キュッ (と) >は促音だが、促音を避ける地域からの<缺>の発音は<キュエツ>のような音で、これが<キエツ>、<ケツ>に聞えた。あるいは促音を避ける地域での輸入であれば<キュッ (と) >を<キエツ>、<ケツ>のような音で発音した。これが、<けってん>などの<けつ>だ。
これが<ケチ>なる可能性は高い。なぜなら<ケツ>より<ケチ>が発音しやすいのだ。さらには、イントネーションが違うが<ケツ>は<おしり>の<ケツ>に通じてしまう。したがって
お前の言うこと、することには<欠、けつ>がある。
は
お前の言うこと、することには<ケチ>がある。
になる可能性は高い。さらには、もっと簡潔に
お前には<ケチ>がある。
お前は<ケチ>だ。
一方、意味の方だが
この<ケチ>が <欠、けつ>、<欠く、欠ける>、<何かが欠けている>の意味を保っていたとすると、上の解説の
むやみに金品を惜しむこと
は
ケチな人は、自分には<何かが欠けている>と思うと、<何かが、例えば金銭が、さらに減らないようにする>。
金持ちに<けち>は少なくない。金は余るほど持っているのだが<金が欠けている>と思う>のだ。そして金を使うのを惜しむ。
また、
お前のすることには<欠、けつ>がある
は
お前のすることには<何かが欠けている>がある
になるが、これは往々にして
お前のすることには<良いことが欠けている>
で、かなりの飛躍、こじつけになるが、
お前のすることには<気前の良さが欠けている>
で<けち>になる。
末尾
[形][文]いや・し[シク]
2 品位に欠けている。下品だ。「—・い言葉遣い」「根性が—・い」
4 飲食物や金銭に対して貪欲である。さもしい。「口が—・い」「金に—・い」
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