前回のポスト<心残り、残念、未練>で<心残り>を取り上げたが、<心置きなく、こころおきなく>というやまとことばもある。
<心残り>は<心に残る>で<何かが心に残る>で<残る>は自動詞。一方<心置きなく>の<置く>は他動詞で<何かを心に置く>で大きな違いがある。さらに<心残り>はあるが、<心置き>、<心置く>という言い方は聞かない。
<心置きなく>は<何かを心に置く>、<何かを心に置かない>の<何か>が抜けている。
例文を作ってみると
1)心置きなく楽しんでください。
2)心置きなく楽しんで行ってください。
<行って>とあるが、もう<来ていて>、<ここで過ごす>の意。
3)心置きなく楽しんで来てください。
<来て>とあるが、どこかえ行って帰って来る。
4)時間は十分あるので、思う存分、心置きなく見て行ってください。
思う存分 (思うだけ、好きなように)= 心置きなく
<好きなように>は、否定形になるが
他人の思わくを気にせずに、遠慮せずに、気兼ね (気兼ねすること) なしに
だ。
さて、上に戻って
<心置きなく>は<何かを心に置く>、<何かを心に置かない>の<何か>が抜けている。
だが
好きなようにするのをさまたげるもの、こと
と一般化できよう。
たとえば、上の
他人の思わく、遠慮、遠慮
さらには、不安、おそれ、etc
一般化できるので、これらの一部、または全部でもいい。(ここが肝心) したがって
<心置きなく>は
<他人の思わく、遠慮、遠慮、不安、おそれ、etc>を<心に置かないで>
となる。
sptt
No comments:
Post a Comment