Friday, April 11, 2025

心置きなく

前回のポスト<心残り、残念、未練>で<心残り>を取り上げたが、<心置きなく、こころおきなく>というやまとことばもある。

<心残り>は<心に残る>で<何かが心に残る>で<残る>は自動詞。一方<心置きなく>の<置く>は他動詞で<何かを心に置く>で大きな違いがある。さらに<心残り>はあるが、<心置き>、<心置く>という言い方は聞かない。

<心置きなく>は<何かを心に置く>、<何かを心に置かない>の<何か>が抜けている。

例文を作ってみると

1)心置きなく楽しんでください。

2)心置きなく楽しんで行ってください。

<行って>とあるが、もう<来ていて>、<ここで過ごす>の意。

3)心置きなく楽しんで来てください。 

<来て>とあるが、どこかえ行って帰って来る。

4)時間は十分あるので、思う存分、心置きなく見て行ってください。

思う存分 (思うだけ、好きなように)= 心置きなく 

<好きなように>は、否定形になるが

他人の思わくを気にせずに、遠慮せずに、気兼ね (気兼ねすること) なしに

だ。

 さて、上に戻って

<心置きなく>は<何かを心に置く>、<何かを心に置かない>の<何か>が抜けている。

だが

好きなようにするのをさまたげるもの、こと

と一般化できよう。 

たとえば、上の

他人の思わく、遠慮、遠慮

さらには、不安、おそれ、etc

一般化できるので、これらの一部、または全部でもいい。(ここが肝心) したがって

<心置きなく>は

<他人の思わく、遠慮、遠慮、不安、おそれ、etc>を<心に置かないで>

となる。

 

 sptt

 

 

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