<心残り、こころのこり>はいかにもやまとことばらしい。残念ながら<心残り>よりも<残念>が優勢のようだ。<残念>は<思いが残る>の意だろう。一方<心残り>は<心に残る>。似かよってはいる。
心残りがある - 残念だ
でよさそうだが、
<心残りがある>の意の<未練>は<残念だ>にならない。<残念>は和製漢語のようだが、<未練>は<残念>以上に和製漢語だ、演歌で<未練>がよく出てくる。<心残りがある>も使うが、これも<未練がある>が優勢のようだ。<残念>、<未練>が優勢になったわけがありそう。
<心残り>は肯定と否定では意味が違う。
<心残りがない>、<心残りはない>は
残念でない、残念ではない。
でよさそうだが、意味にズレがあるようだ。変な日本語だが<残念がない>、<残念はない>の方が正確のようだ。だが
これまでしてきたことに心残りはない。
はいいが
これまでしてきたことは残念でない、残念ではない。
は変な日本語だ。
これまでしてきたことに残念はない。
も変な日本語だが、シュールな言い方だ。
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中国 Wiki 相当の Baike-baidu では日本語としての<残念>の解説がある。(中国語としてはないから、<残念>は和製漢語だろう)これは大いに参考になる。
”
残念是一个汉语词汇,日语“残念”(ざんねん、zan'nen)所化用的中文新词,原义为可惜、遗憾;懊悔,遗恨。
来源
”
一番目に(1)〔心残り〕がでてくるが、
遗憾 ー 日本語でも<遺憾>という。遺憾ながら
抱歉 ー 申し訳ない (あやまりのことば)
可惜 ー 惜しい
と少し意味がずれている。
<遺憾ながら>は権威は少し落ちるが<残念ながら>でもいい。だが<心残りながら>はダメだ。
<心残り>に <申し訳ない(あやまりのことば)>の意は薄い。
惜 (お) しい、惜 (お) しいことをした。
には<心残り> の意がある。
ニ番目に(2)〔くやしい〕懊悔 àohuǐ, 悔恨huǐhèn.
が出てくるが、<残念>に<くやしい>の意味はありそうだが、基本的に<心残り>に<くやしい>の意味はない。もっとも
良いことをすべきだったのにしなかった場合
あのたのしい時のことが残念だ。
あのいまいまし時のことが心に残っている。
以上が<心残り、残念、未練>のきわめて無意識的な使い分けになっているのではないか。
sptt
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