Friday, April 25, 2025

<魚を釣る>の<釣る>の語源

 

 <魚を釣る>の<釣る>の語源はなにか?

<釣る>は<つる>だが、漢字を使うと意味が極めて似た<吊る、吊るす>がある。水の中の生きた魚は<釣る>だが、とった(獲った) 魚を糸やひもで<つる、つるす>場合は<吊る、吊るす>だ。漢字で書くとこの区別があるが、口で言う場合、耳で聞く場合はこの区別はない。生きた魚は<釣り上げる>、獲った魚の場合は<吊り下げる>。もっとも、生きた魚も<釣り上げた>後は<吊り下がって>いる。

<釣る>の語源は<つる>動作の一般的な<吊る> だろう。いづれにしてもやまとことばとしての元は<つる>だ。

ところで、<魚を釣る>を英語ではどう言うか ?

ネットでは

to catch (a) fish

と出てくくるが、手や網で魚をとる (獲る、捕る) 感じだ。動詞の to fish の一語で<魚を釣る>だ。 to fish a fish とは言わない。また fish の複数形は fish で、a lot of fishes とは言わない。

さらにところで、以下はこじつけなのだが、<連れる、つれる>は関係ないか?

<連れる>は高頻度使用語。

連れて行く
連れて来る

引き連れる

はよく使う。 

だが複合動詞は意外と少ない。

連れ歩く
連れ込む  いまは Love Hotel というようだが、昔は<連れ込むみホテル>と言っていた。
連れ添う
連れ立つ
連れ出す
連れ戻す

さらに関係、相関関係を示す

xxにつれてyyになる

という重要表現がある。

現代語では

連れない (これはほとんど聞かない)
連れて
連れる
連れること、連れる時 (これはほとんど聞かない)
連れれば (仮定形)(これはほとんど聞かない)

と下一段活用だが、昔は下二段活用で (終止形<連る>)

連れず
連れて
連る
連るること、
連るる時 
連るれば (已然形)

<連れる>の意味は

デジタル大辞泉

読み方:つれる

一緒について来させる。ともなう。同行する。「を—・れて散歩出かける

一方状況変化するとともに他方状況変化する。「年をとるに—・れ忘れっぽくなる

1は英語で to accompany という動詞があるが、<同行する>の意で<連れて行く>、<連れて来る>には使えない。

  1. go somewhere with (someone) as a companion or escort.
  2. be present or occur at the same time as (something else).

2は日本語解説の2に似ている。

漢字の<>は<金ヘン>で針、hook>が関係しているのではないか? 調べてみると

似たような字の<钩>が to hook で、<魚>は<魚を釣る、to fish、fishing>の意で、<島>は<うおつりじま>と訳されている。もともとは中国領だろう。中国語版 Google の Baike-baidu では

 diào 以钩饵取鱼。
 用饵诱鱼上钩:钓鱼。钓饵。垂钓。钓具。

という解説で、<>、<>、<>が出てくる。

このように、<魚を釣る>には餌を使うが、魚は餌に<られて>くる。られる>は古語<連る>の受身形になるが、られる>を派生動詞と見てもいい。れる>の受身形は<れられる>。

また<餌で魚をつる>は<餌で魚を連る>。実際<魚をつっている>場面をを想像すると<魚を餌で水から連れ出している>感じがないでもない。


sptt


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