<失望する>のやまとこばは大方<がっかりする>だろう。だが<がっかりする>は擬態語の<がっかり>に<する>がついたもので、感覚的にはこれでもいいが、文章にする場合には少し気がひける。
英語では他動詞の disappoint というのがあり、
to be disappointed
が<がっかりする>に相当する。頭に dis- があって<当てが外 (はず) された>といった感じで、わるくない。私はよく使う。<(当てが外 (はず) されて)残念だ>の意味にもなる。
<当てが外れる>だけでは<失望する>にならない。ここが肝心。
<失望する>は文字通りでは<望みを失う>のようだが、細かく言うと<望みを失った時の感情の表現>ともいえる。<絶望する>はもっとシリアスで<まったく望みを失った時の感情>で、心は<空虚>になる。これに比べると<期待外れ (になる) >はそれほどシリアスではない。
その他では
気が抜ける
気落ちする だが、自分のことの場合はあまり使わないようだ。私は気落ちしている。(X) 太郎は気落ちしているようだ。
<気が落ちる>でもよさそうだが、ほとんど聞かない。
<気を落とす>も自分のことの場合はあまり使わないようだ。私は気を落としている。(X) 花子は気を落としているようだ。
もっとも日本では<失望する>も自分のことの場合はあまり使わないようだ。
私は失望している。
私は花子が返事をくれないのに失望している。
なにか他人ごとのようだ。
私は花子が返事をくれないのにがっかりしている。
私は花子が返事をくれないのでがっかりしている。
が自然で、これが<がっかりする>が使われる理由だろう。
ところで、香港では、広東語では
我好失望 sat mong。
といって問題なく、よく耳にする。
また中国ネットで<失望>をチェックしていたら、<希望落空>という語が出てきた。中国語だが悪くない表現だ。心が<空虚>になるのだ。
sptt
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