Sunday, July 4, 2021

<侮辱しないで>と<お気を悪くなさらないで>


<侮辱しないで>と<お気を悪くなさらないで>は一見関係なさそうだが

女性がよく使いそう

という点では共通なところがある。また、発話者でなく第三者からみると

侮辱しないで - バカにされた、見くだされた、見下げられた思った、感じたときの発話

お気を悪くなさらないで - バカにした、見くだした、見下(さ)げるような発言をした、またはするのではないかと思ったときのお詫び、またはお詫びの前置きの発話(の可能性がある)。

では共通している。

<お気を悪くなさらないで>は、これ以外では希望に添えない、がっかりさせるようなこと伝える時にも使いそう。

なぜこんなこんなことを調べる、再チェクする気になったのかは<ピノキオの冒険>にでてくる次の表現と関連がある -下線部。



第3章

http://ercoleguidi.altervista.org/pinocchio/pin_3.htm


Geppetto, vedendosi guardare da quei due occhi di legno, se n'ebbe quasi per male, e disse con accento risentito:

"Occhiacci di legno, perché mi guardate?"



英訳


Geppetto, seeing himself regarded by those two wooden eyes, took it almost to heart, and said in a resented tone:

"Why do you look at me, you ugly wooden eyes?"


下線部は、イタリア語も英語も難しい単語はないのだが、フレーズとしては難しい。 male、 per male では辞書に出てこない。しかし難しいのは私だけではでないようで、ネットで調べてみると Pinocchio " se n'ebbe quasi per male " のフレーズで解説がある。原形(不定形)、標準形は aversene a male (aversene の sene はむずかしい)で、どうも<気を悪くする>の意味に近そうだ。<気を悪くさせる>ではない。英訳も調べがつかなかったが、苦心の訳だろう。to heart は<胸にくる、胸に突き刺さる、いらつかせる>とった意味か?<胸にくる>という言い方はないが<頭にくる>(<しゃくにさわる>に近い)というのはある。

<バカにする>は広く使われる。to tease、to make fun of というのもあるが、意識しなくとも to insult の意味で使われているだろう。

<気を悪くする>は他動詞を使ったちょっと日本語らしくない表現だが、しゃれたやまとことばだ。

sptt

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