Wednesday, October 16, 2024

鳴かず飛ばず、低調

 

<低調>はやまとことばではないが、最近携帯で見ている中国の現代メロドラマで<低調>という二字が中国語の字幕に出てきた。どうも日本語の低調とは意味が違うので調べてみた。日本語の低調は

最近の株式市場は低調に推移している。
巨人軍は昨年は好調 (高調ではない) だったが、今年は低調だ。 

のように使う。

日本語Wiki辞典では


調 (ていちょう)

  1. 調子が低いこと。
  2. 調子が悪いこと。物事の進捗が遅いこと。
  3. 内容が不十分であること。
  4. 盛り上がりに欠けること。

対義語

 ”

とある。低調の意味では、例文のように、2番目の<調子が悪いこと。物事の進捗が遅いこと>や4番目の<盛り上がりに欠けること>の意での使用頻度が高いだろう。この低調の意味では<鳴かず飛ばず>という慣用語がある。<高調>はほとんど使われない。英語の low key は少し意味が違い、これから出てくる中国語の低調の意味に近い。日本語では low key の直訳と思われる<低調>と<ローキー>は使い分けられている。

一方簡単な日本人向け中国語ネット辞典では

低調 (中国語) =目立たない

が出てくる。<調子が悪いこと。物事の進捗が遅いこと>、<盛り上がりに欠けること>、<鳴かず飛ばず>と<目立たない>は意味は似ているが、日本語と中国語では意味にズレ、違いがあるので<要注意>語だろう。また中国語の方は一般に人の形容で形容詞で使われるようだ。

中国語の低調の方は<目立たない>というよりは<(自分を) 目立たなくする>。より正確には<身分や地位が高いのを隠して目立たなくする>の意だ。<ひかえめ>、<さしひかえる>、謙虚が類語だが<能ある鷹は爪を隠す>という諺も中国語の<低調>に近い。<できる (能はある) が、鳴かず飛ばず、目立たない ようにしておく>が<能ある鷹は爪を隠す>だ。

さて中国の現代メロドラマの方だが、役者やストーリが少し違うバリエイションがあるが、基本的には同じようなパターンで

大金持ち、大富豪の御曹司で大会社の青年社長 (总裁で、<xx总>と呼ばれる) と普通の家庭の娘の恋愛劇。御曹司は美人で善良な普通の家庭の娘と<ひょんな>ことから出会い、御曹司はその<低調>な性格から素性を隠している。そしてある事情からすぐに結婚してしまう。一方御曹司には小さいころにすでに親が決めた婚約者がいて、こちらの方は御曹司の家庭の金と世間的地位を目当てにしている。そしてそこそこの金持ち、社会的地位の家庭の令嬢で、こちらの方は低調ではななくひけらかし屋。御曹司が素性を隠していることからいろいろ矛盾や不具合が出現してきてドタバタ劇的にストーリーが進む。

 

sptt

 


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