Tuesday, November 26, 2024

<うんざり>の語源

 

<うんざり>の語源をネットでチェックしてみた。諸説あり、定かではないようだ。大和言葉の<倦 (う) む >由来は間違いないだろう。<倦む>は現代語でも<倦む>で、<飽 (あ) く>由来だが、現代語では<飽きる>に変身して活躍している<飽きる>と対照的だ。<倦現代では<倦む>は単独ではほとんど使われず<倦むことなく>、<倦まず撓まず (うまずたゆまず.)>で使われるくらいか。(<たゆむ>は死語だろう、単独使用は聞いたことがない)。

さて<うんざり>だが 私の見るところ

<倦む>は原型で、実際には<倦みて>の使用が多かったのではないか。使用が多いと<なまり>やすく, あるいは地方によって<なまり>、<倦んで>に変化 (撥音便)。場合によって<倦んだり>の使用が多く、これが<うんざり>となった。

 

sptt

 

Sunday, November 24, 2024

<あくまで>と<飽きるまで>

 

<あくまで>, <あくまでも>の<あく>は<飽きる>の古語<飽く> の残骸。

<あくなき>も<飽くなき>で終止形は<飽くなし>。<あくことなき、なし>も残骸のようだが生きている。<悪 (あく) >ではない。ネット辞典でチェックしてみると、<あくまで>は<飽きるまで>由来だ。だが意味の変遷はかなり長いようだ。

 "

あく‐まで【飽く×迄】

読み方:あくまで

[副]動詞「あ(飽)く」の連体形副助詞「まで」から》

物事最後までやりとおすさま。徹底的に。「—(も)自説を貫く」

どこまでも。全く。「—(も)青い海

 "

という簡単な解説と例文があるが、

 発言の前に、これはあくまで私の個人的な見方と意見であることを申し上げておきます。

 といった、言い方はよく聞く。この<あくまで>は、上のネット辞典の解説にない。いわば<責任逃れ>を意味する。この<あくまで>の意味は、元来<飽きるまで、徹底的に詳しくやれば、やったなら、落ち度もあろう>、さらには否定が入って<飽きるまで、徹底的に詳しくやってはいない、だから落ち度もあろう>が暗示、内包されている (implicit) 、持って回った言い方の前口上と言える。


sptt

<じっくり考える>の<じっくり>の語源

 

決断と実行は重要だが、<じっくり考える>ことも、 少なくとも机上、椅子の上では重要だ。この<じっくり>とは何か?

ネットで語源をチェックしてみたが、ヒットしない。似たような言葉に

ゆっくり、とっくり

がある。

<ゆっくり>は<弛 (ゆる) む>、古語は<ゆる>。

 

 

Wednesday, November 20, 2024

お見それしました

 

別のブログ sptt Notes on Grammar の方で2012年に<見る、 見える、見せる、見止める、見なす> のタイトルで<見る>複合動詞<見 (み) XX>を列挙しているが、おもしろいものが少なくない。<目は口ほどにモノをいい>と言える。その中で<見それる>というのがある。<それる>は<脇 (わき) 道にそれる>の <それる>で、<外れる、外れていく>の意。<見それる>はほとんど使われないが<お見それしました>という表現は時々聞く。<お見それしました>をネットでチェックしてみると

1.省略(次の2に比べる、あまりつかわれない)

2. 相手才能手腕などに気づかないでいること。自分のまちがった見方をわびるときに用いる。「これほどお詳しいとは、—しました」

出典:デジタル大辞泉(小学館)

同じような意味の<見 (み) XX>では

見誤 (あやま) る
見過ごす
見損 (そこ) なう
見逃す

などがあり豊富だ。しかし

見過ごしておりました。
見逃しておりました。

は可能だが、<お見それしました> という言い方の代替はダメだ。 <見それる>のは発話者だが、<見それる>の連用形の体言化<見それ>に<お>がついている変な言い方だ。

お見過ごし
お見逃し

は相手のことを言っていて、<お>は理にかなっている。

 

さて、以上は最近よく見ている中国のドラマ (一種のドタバタ劇) で <不知泰山>という字が字幕に出てきて、意味がよく分からないのでチェックしてみた。

Baidu。 Baike に詳しい解説がある。 本来は

有眼不识 (識) 泰山(拼音:yǒu yǎn bù shí tài shān)

で、

目があっても泰山を知らない、知らなかった、泰山が見えなかった。 

といった意味だ。 


中国のドラマ (一種のドタバタ劇) ではほとんど<相手の才能、手腕 >ではなく、高い経済的地位 (大金持ち、大富豪) に気づかないでいたこと、そしてそれが分かった時に深くわびる>場面に限らている。

有眼不识は<見れども見えず>とも言える。<不知泰山>の日本語版は<富士山が見えなかった>とでもなるか。


sptt

 


Tuesday, November 19, 2024

ずうずうしい(図図しい)、厚かましい、恥知らず

 <ずうずうしい(図図しい)>、<厚かましい>、<恥知らず>は似たようだが、微妙に違う。語源をチェックしてみると

<ずうずうしい(図図しい)>は意図の<図>、図 (はか) りごとの<図り>が関連しているようだが、よくわかっていない。

その昔<ずうずうしい奴>とかいうテレビドラマがあって、主人公はその<ずうずうしさ>で出世していく、少なくとも金持ちになっていく、といった内容だったような記憶がある。

<厚かましい>は厚顔無恥の厚顔の<厚い>で、<面の皮が厚い>という言い方もある。

<恥知らず>は文字通り<恥を知らない>、<恥じることを知らない>、<恥をかえりみない>。

<ずうずうしい(図図しい)>は恥の意識が一番薄く、恥の意識がないと言ってもいい。

<厚かましい>は厚顔無恥が関連しているが、<無恥>がない分、恥の意識が薄いが、まったくないわけではない。

 

さて、以上は最近よく見ている中国のドラマ (一種のドタバタ劇) で <不要脸>という字が字幕に出てきて、意味がよく分からないのでチェックしてみた。

<不要>は普通<xx(不要xx(動詞)>で<xxするな>だが、脸は頬 (ほほ)、面 (つら) のことで動詞ではない。また脸は往々にして面子 (メンツ) のことだ。<不要脸>の<不要>は<不必要>のことだ。つまりは<面子など必要とせずに>、<面子なしで>の意となる。

Baidu では

不要脸

释义 
不顾面子,不知羞耻
 
示例
偷窃还诬指他人,简直是不要脸的行为。

偷窃 [tōu qiè](或盗窃偷盗),是基于自己或第三人的无正当权利占有(包括管领、支配、处分等),而擅自取走他人财产的行为,是违反社会道德规范,法律上,偷窃也是刑法规定的刑事犯罪行为。作出这个行为的人被称为“小偷”、“窃贼”等。

诬指:诬指是一个汉语词语,读音是wū zhǐ,指无中生有地指控。<でっちあげ>のことか。<诬>は誣告 (誣告、ぶこく) の誣。

释义では<面子>、<羞耻>が出て来るが、例文からすると<不要脸的行为>に恥の意識は薄く、<ずうずうしい>に似ている。

  

sptt

 

 

Friday, November 8, 2024

月光仮面、ハリマオ、少年探偵団の主題歌

 月光仮面、ハリマオ、少年探偵団は、今は昔、テレビが一般家庭にも普及し始めたころの男の子向けのテレビ番組。一部は暗唱できるが、主題歌をチェックしてみた。どうということもないのだが、特に月光仮面の主題歌が暗唱してみるとイマイチなので気になっていた。

月光仮面 

どこの誰かは 知らないけれど
誰もがみんな 知っている
月光仮面の おじさんは
正義の味方よ よい人よ
疾風のように 現われて
疾風のように 去って行く
月光仮面は 誰でしょう
月光仮面は 誰でしょう

どこかで不幸に 泣く人あれば
かならずともに やって来て
真心こもる 愛の歌
しっかりしろよと なぐさめる
誰でも好きに なれる人
夢を抱いた 月の人
月光仮面は 誰でしよう
月光仮面は 誰でしょう

どこで生まれて 育ってきたか
誰もが知らない なぞの人
電光石火の はやわざで
今日も走らす オートバイ
この世の悪に 敢然と
戦い挑んで 去って行く
月光仮面は 誰でしょう
月光仮面は 誰でしよう

一部を暗唱できるのは1番だけで、2番、3番は記憶にない。1番で気になるのは

月光仮面の おじさんは
正義の味方よ よい人よ

の<おじさん>と<よいひとだ>。 小さなこどもにとっては<おじさん>かもしれないが<にいさん、兄さん>の方がいいだろう。敏捷そうだし友だち親近感がある。<よい人>は一般的すぎる。3番に

この世の悪に 敢然と
戦い挑んで 去って行く

があるので<強い人> がよさそうだが、4音節になって字余りになる。だが歌詞は<よい人よ>の4音節で<よ>をつけなければ問題ない。この箇所2番では<月の人>、3番では<なぞの人>となっている。書き換えると

 月光仮面の にいさんは
正義の味方よ 強い人

となる。

疾風のように 現われて
疾風のように 去って行く

はリフレーンと対句で、わるくない。 

ーーーーー

快傑ハリマオの歌

まっかな太陽 燃えている
果てない南の 大空に
とどろきわたる 雄叫びは
正しい者に 味方する
ハリマオ ハリマオ
ぼくらのハリマオ

天地鳴らし 吹きまくる
あらしのなかも まっしぐら
どとうも岩も うちくだき
かちどきあげて 押しすすむ
ハリマオ ハリマオ
ぼくらのハリマオ

空のはてに 十字星
きらめく星の そのように
七つの海を かけめぐり
正義に結ぶ この勝利
ハリマオ ハリマオ
ぼくらのハリマオ
 
 
これも1番の一部しか暗唱できない。特に2番の
 
天地鳴らし 吹きまくる
あらしのなかも まっしぐら
どとうも岩も うちくだき
かちどきあげて 押しすすむ

動的でいい。

3番の
 
きらめく星の そのように
七つの海を かけめぐり
 
 
きらめく星 (十字星) のように
(ハリマオは)七つの海を かけめぐり
 
という意味だろうが<星がかけめぐる>は想像しがたい。また<そにように>も何か翻訳調だ。<七つの海を かけめぐり>は動的でいいので、代えがたい。一方、星は静的だ。
 
きらめく星を  仰ぎ見て
七つの海を かけめぐり
 
としたらどうか?

 
全般的には勇ましい歌詞で、特に<とどろきわたる 雄叫びは>と<かちどきあげて 押しすすむ>は<音響効果>がある。
 
ーーーーー
 
少年探偵団
 
ぼ・ぼ・ぼくらは少年探偵団
勇気りんりん るりの色
望みにもえる 呼び声は
朝焼け空に こだまする
ぼ・ぼ・ぼくらは少年探偵団

ぼ・ぼ・ぼくらは少年探偵団
力ようよう 海の色
胸も高鳴る 呼び声は
まひるの空に こだまする
ぼ・ぼ・ぼくらは少年探偵団

ぼ・ぼ・ぼくらは少年探偵団
知恵は七色 虹の色
夢もふくらむ 歌声は
夕焼け空に こだまする
ぼ・ぼ・ぼくらは少年探偵団

ぼ・ぼ・ぼくらは少年探偵団
誓いはかたく 鉄の色
あしたをめざす 歌声は
月夜の空に こだまする
ぼ・ぼ・ぼくらは少年探偵団 
 
 
1番と2番は漢語がいくつか使われ<勇気りんりん るりの色>、<力ようよう 海の色>

は意味が分かりにくい。

< 勇気りんりん>は勇気凛凛。

「凛凛」は勇ましく勢い盛んなさま。 りりしいさま。

<るりの色>は<瑠璃の色>で

紫色を帯びた濃い青色。 2.濃い浅葱 (あさぎ) 色 

だが、歌詞からすると<勇気がるり色>となりそうだが、どういう意味か?

 <力ようよう>は

力洋々海の色

というい漢字歌詞もある。<洋々たり>で

があふれるばかりに満ちているさま。広々と広がっているさま。「—たる大海

希望満ちているさま。「—として未来広がる」「前途—たる青年

盛んであるさま。

ということだ。

ここでまた<海の色>と色が出てくるが、これは<力が海の色>といことか?あるいは、上の疑問と合わせて、少年探偵団が<るり色>、<海の色>ということか>? 3番では

知恵は七色 虹の色

4番では

誓いはかたく 鉄の色

とあるので、 

1番 ー 勇気がるり色、2番 力が海の色

 なのだろう。<知恵は七色 虹の色>、<誓いはかたく 鉄の色>はなんとかなるが、<勇気凛凛 るりの色>、<力洋々 海の色>はよくわからない。色にこだわりすぎている。何か特別の理由があるのか?

また

1番 呼び声は 朝焼け空に こだまする
2番 呼び声は まひるの空に こだまする
3番 歌声は 夕焼け空に こだまする
4番 歌声は 月夜の空に こだまする

と対句、リフレーンが織り込まれている。3番の

ぼ・ぼ・ぼくらは少年探偵団
知恵は七色 虹の色
夢もふくらむ 歌声は
夕焼け空に こだまする
ぼ・ぼ・ぼくらは少年探偵団

が一番いい。

少年探偵団は歌以外はほとんど記憶がない。歌は勇ましすぎるような気がする。1番、2番はハリマオのようだ。

 

sptt

自暴自棄のやまとことば ー 腐 (くさ) る、腐り込む、やけっぱち

 

漢語の<自暴自棄>を簡易ネット翻訳でチェックすると

自分自身をあきらめる

という翻訳調の日本語が出てきた。やや詳しいネット辞典では、原典を示した解説で

https://www.weblio.jp/content/%E8%87%AA%E6%9A%B4%E8%87%AA%E6%A3%84



自暴自棄(じぼうじき)とは、意図した通り結果にならず失望し自分を駄目なものだと考えて先のことを考えない行動をとることである。

自暴自棄の由来

自暴自棄は、中国戦国時代儒学者孟子語った言葉由来する

 ”

だが、普通<自暴自棄>、あるいは<自暴自棄になる>であれば<先のことを考えない行動をとる>まではいかないだろう。すなわち
 
自暴自棄:意図したとおりの結果にならず失望し、自分を駄目なものだと考える。あるいは上の自分自身をあきらめる>でいいだろう。<先のことを考えない行動をとる>まで行かないとして、やまとことばをチェックしてみた。代表は

腐 (くさ) る、腐り込む

だろう。 <腐る>の原意は腐敗する。食べ物が<腐る>と食べられなくなり、変形したり、色が変わったり、悪臭を放ったりし、基本的に食べられなくなるひどい状態だ。

<腐る、腐り込む>以外では

落ち込む
沈み込む
へこむ、へ込む(凹む)
閉じこもる (籠る)
引き籠 (こも) る(引き籠って出てこない)
弱り込む

の<xx込む>、<xx籠る>動詞が多い。 <込む>は<xxの中に入(はい) る>だが、上記の動詞、複合動詞の例は、それだけでなく、<中に入って出てこない>の意が加わっている。

<xx込む>、<xx籠る>以外では、<意図したとおりの結果にならず失望し、自分を駄目なものだと考える>は<行き詰まり>状態とも言え<xxつまる>、<xxつめる>もチェックしてみた。

行き詰 (づま) る

<xxきる>、<xxきれる>は<xx込む>、<xx込める>と並んで多義語だが、限界を示す言葉がある。

あきらめきる
切れる(緊張がない)
閉めきる
疲れきる

前回のポスと ” <静まりかえる>と<湧 (わ) きかえる>“ で取り上げた

困りかえる  困りきる、困り込む、困りはてる   
しょげかえる  しょげきる、 しょげ込む
よわりかえる  よわりきる、よわり込む、よりはてる、(よわり上がる)

も同類だ。

 

<やけっぱち>、<やけくそ>という口語がある。こちらの方は多分に<先のことを考えない行動をとる>が含まれている。

もうやけっぱちだ、. . . . . 
もうやけくそだ、. . . . .  

 

sptt

 

Thursday, November 7, 2024

<静まりかえる>と<湧 (わ) きかえる>

 <静まりかえる>と<湧 (わ) きかえる>を比較してみる。

静まりかえる ー すっかり、まったく 静まっている。

湧 (わ) きかえる ー この通りは多くの人で、すごく、ひどく 湧いている
        ー 湯が、すごく、必要以上に、沸 (わ) いている

<湧く>、<沸く>と書き、読み分けているが<<わく>とひらがなで書き、あるいは耳で<わく>と聞けばこの<書き、読み>分けはなくなる。

内容的には<静まる>と<湧く>で反対の内容だ。<かえる>は動詞だが、複合動詞<静まり+かえる> 、<わき+かえる>の後半の動詞。前半の<静まる>、<わく>を主動詞とすれば。<かえる>はいわば副動詞、補助動詞。この<かえる>は" 強調 " の副詞のような働きで、上記にような意味になる。だが、" 強調 "というのは時にあいまいで、言葉の説明にはできるだけ使わない方がいい。 " 強調 " というこで済ましてしまい、意味の掘り下げに進まないのだ。" 強調 の副詞 " はけっこうある。

すっかり、静まっている
まったく、静まっている

すごく、湧いている
ひどく 湧いている

その他、たいへん、確かに、まさに。

一方、" 強調 " の副詞のような働きをする複合動詞用の<副動詞、補助動詞>もけっこうある。例えば

xxきる(切る)
xx込む
xxはてる
xxあがる

静まりきる
静まり込む
静まりはてる
静まり上がる 

<静まり上がる >が少し変だが、その他はOKだろう。<静まり上がる >がおかしいのは<静む>、<沈む>に<上がる>はつきずらい。<湧く>の方は

湧ききる
湧き込む
湧きはてる
沸き上がる

で, 今度は<湧ききる>、<沸き上がる>はいいがその他は変だ。<込む>は基本的に<中に入 (はい) る >、<果てる>は基本的に<終わる>なので<どんどん湧いて出てくる>にそぐわない。<湧ききる>の<きる>は後で出て来る<込む>に似て、多義の複合動詞用の<副動詞、補助動詞>で、<切る>とすると<終わる、終える>というような意味もあるが、ここは<すっかり、まったく、すごく、ひどく>などの " 強調 "としておく。別途くわしく検討予定。

<しっかり>、<すっかり>の意の " 強調 " の副詞のような働きをする複合動詞用の<副動詞、補助動詞>の<込む>がつく言葉はやたら多い。意味が成り立てばいくらでもあるといっていい。


老い込む
探 (さが) し込む
締 (し) め込む
黙り込む
漬け込む
煮込む
寝込む
眠り込む
磨 (みが) き込む
ふさぎ込む
ほれ込む
弱り込む


sptt

Tuesday, November 5, 2024

悲観的、ネガティブな<込む>、<籠 (こも) る>

 

最近<込む>、<込める>をいろいろ調べているが、おもしろい言葉だ。複合動詞の構成動詞として、まさにいろいろある。どこかで書いたが<込む>、<込める>、<籠 (こも) る> 、<こまる>はどこかで通じるところがある。<込む>、<込める>の複合動詞は、実際いくらでもあるといってもいいのだが、<込む>、<込める>の基本的な意味から悲観的、ネガティブな複合動詞グループがある。<こもる>も含めてアイウエオ順に並べてみると

老い込む
落ち込む
こまり込む
沈 (しず) み込む
しめり込む
しょげ込む   
だまり込む
だれ込む
引っ込む
へ込む
へたり込む
負け込む
弱り込む
割り込む <割って、押しのけて入 (はい) る<以外に、<ある水準、基準を下回る>の意がある 
ーーーーー
閉じこもる
引きこも)る 

上の<xx込む>はそこそこあるが、<込む> の多数派ではない。<込む>は自動詞で、基本的には<xxの中lに入 (はい) る、せまい限られた場所にの中lに、場合によっては無理して、入 (はい) る>の意がある。英語で言えば< in、into>

忍び込む
逃げ込む
もぐり込む
乗り込む

ーーーーー

限られた場所にの中に入り込むと、周り、世間から隔離される。開放的でないのだ。これが悲観的、消極的、ネガティブになる理由だろう。反対に開放的なのは<出る、out、開く、open>、積極的、ポジティブなのは<上がる、up>だ。

<出る>は<込む>と並んで複合動詞の重要構成動詞でいろいろ活躍する。

あふれ出る
浮き出る
生 (うま) れ出る
躍 (おどり) り出る
進み出る
抜け出る
走り出る
萌 (も) え出る

ーーーーー
浮き上がる  <ー> 沈み込む
勝ち上がる <ー> 負け込む
立ち上がる    座り込む
のぼり上がる <ー> 落ち込む
立ち上がる    座り込む
舞い上がる    <舞い込む>は別物

ーーーーー

ところで、上の<xx込む>は<xxはてる>で置き換えられるものがある。

老いはてる
こまりはてる
へたりはてる
弱りはてる

 <xxはてる>は<>より程度が進んでいるか。

その他では

疲れ果てる

 

sptt


 

 

Sunday, November 3, 2024

<販売計画>のやまとことば

 

<販売計画>のやまとことばは<売り見込み>。 

<販売計画>はは売上げ、利益重視の一般的な会社では、重要な働きをする。そこそこの規模の会社になると販売部門では<販売計画、販売予想>、生産部門では<生産計画>がある。この<販売計画>、<生産計画>が達成できないと<ゆゆしき>問題となり、販売担当重役、販売部長、生産部長、さらには時に社長の進退にかかわってくることもある重要なものだ。特に景気の悪い時の担当重役、担当部長にしてみれば頭が痛い問題。

さて、 <計画、予想>はやまとことばでは<見込み>が相当し、<販売計画>は<売り見込み>。<売り見込み>は書面や電子資料ではあまり使われないが、<販売見込み>が使われることはある。また口語では<売り見込み>も意識せずに使われる。

<見込み>は<もくろみ>、さらには言葉は悪いが<当て込み>、<決め込み>、<思い込み>に相当し、元来<当てにならない>代物だ。これに振り回されていることになる。<販売計画>の代わりに、やまとことばの<売り見込み>を正式に使ったらどうか。<売り見込み>にはあまり権威や責任が感じられず、聞く、見る方が<当て込み>、<決め込み>、<思い込み>と取れば、頭が痛い問題が軽減されるのでないか。<込む>が重複するが<売り込み見込み>とすれば、頭が痛い問題がさらに軽減されるだろう。

 

sptt

 

Saturday, November 2, 2024

<買い込む>と<売り込む>

 

<買い込む>は<買い入れる>。<込む>の意を強調すると<買い入れて、限られた場所にためておく>といった意味だ。

この意味(入れて、限られた場所にためておく>)では

抱 (かか) え込む
囲い込む
ため (貯め、溜め) 込む
包み込む
閉じ込める
取り込む  <取り入れる>には><ためておく>の意味が薄い。

さらに、少し意味を広げて、<入って、限られた場所にとどまる>を加えると

上がり込む
住み込む
座り込む
泊まり込む

などがある。

一方<売り込む>に<込む>、<込める>の<入れる、in) > の意は全くない。<売り込む>の<込む>は<むりやり(に)xxする>の意の強調。 この<売り込む>に似た<込む>、<込める>では

追い込む
押し込む、押し込める
覚え込む、覚え込ませる
閉じ込める
詰め込む   詰め込み教育
流し込む
ねじり込む
はめ込む
やりこめる
割り込む

などがある。

 

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