Thursday, September 4, 2014

<でこぼこ>は何(なに)詞か?


<でこぼこ>は何(なに)詞か。

平らだ(OK)
でこぼこだ (OK)

平ら道(ダメ)、平らな道(OK)
でこぼこ道(OK)、でこぼこの道(OK)、でこぼこな道(これもOKのようだ)

平らがある(ダメ)
でこぼこがある(OK)

<平らな>で形容動詞といえるが(静かな、静かだ、静かで)、<でこぼこ>はいったい何(なに)詞なのだ?


sptt

Tuesday, September 2, 2014

図形のやまとことば - 2、次元


このポストは前々回のポスト ”図形のやまとことば -1、 うつる、うつす” と前回のポスト ”<きわだつ>、<きわだたせる>” の続編。前々回のポストの冒頭で

"

I must admit that the geometrical world in ancient Japanese (say more than 1,500 yeas ago) were very poor as compared with the Chinese and Western worlds. 

(中略)

0) 0D - point                     Chinese    点       Native Japanese め(me; 目 or eye)

1) 1D - line                       Chinese  線      Native Japanese すじ(su-ji; 筋 or stripes in muscles, veins)

2) 2D - surface or area      Chinese  面      Native Japanese おもて(o-mo-te; 面 or face)

3) 3D - solid or volume     Chinese  体(立体)  Native Japanese かたまり(ka-ta-ma-ri; 塊 or lump)


いわば大和言葉の幾何用語は貧弱なのだが、 ......



と書いたが、もう少し検討してみる。幾何学上、<点>は<大きさ>がなく、<線>は<はば(幅)>がなく、<面>は<厚み>がないことになっているが、ゼロ(0)もそうだが、これはまさに画期的なコンセプトで、言い換えればとんでもない世界。このコンセプトがない世界の方が普通だろう。大和言葉の幾何用語は貧弱さはこれに関係する。

点 - め(目)には当然ながら<大きさ>がある。<大きさ>はあるが(目に見える)が小さいものに、芥子粒(けしつぶ)がある。粒子とか素粒子というのもがあるが、この目で見たことがないのでわからないが、極限に近い小ささのようだ。小さくても大きさのある点を並べると線になる(0次元-->1次元変換)。


線 - すじ<筋>には当然ながら<はば(幅)>がある。

前回のポストでは次のように書いた。


<端(はし)> のやまとことばの関連語はかなりあり、なぜこうも多いのか自体おもしろい調査対象だ。

きわ(際)、へり(縁)、ふち(縁、めがねの縁、<淵>は意味が違うが、まったく関連がないとも言えないようだ)、がかなり<端(はし)>の意に近いが、さらに範囲を広げれば、すみ(隅)、かど(角)、はて(果て)、さかい(境)もある。



<はば(幅)>がある線を考えると、へり(縁)、ふち(縁)、さかい(境)が該当しよう。さかい(境)は特別で、二つの異なったモノ、場所が線状に合うところで、あえて線を引かなければ、線がなくても存在する(見える、見えるように感じる)。輪郭(outline)もこの仲間だ。<がっけぷち>の<ふち(縁)>は<さかい(境)>に似て、幅がない線と言えそう。細い線や糸は幅があまり意識されない。純粋の線は幅がないので横のいくら並べても面にならない、細いとはいえ幅のある糸は横にたくさん並べると面にはなる(1次元-->2次元変換)。


面 - おもて(面)は<当然ながら厚みがある>というわけではなさそう。

面は英語では area よりは surface, face, plane (発音が同じ plain も仲間だろう)が適当。中国語の<面>も face の意がある。 大和言葉の<おもて>は多義語で、顔(かお)以外に裏表(うらおもて)の<おもて(表)>の意がある。表面は<おもておもて>、裏面は<うらおもて>になってしまうが、このような意味で使われるのは聞いたことがない。<水面(みなも)>の<も>は手もとの辞書では<おもて>の略という解説があるが、<お>も<て>も接辞で、はさまれた<も>が<おもて>特に<面>の意があったのではないか。顔の縦に長いの馬面(うまづら)とも面長(おもなが)とも言う。紙は厚紙以外はうすく、裏面(うらおもて)は意識されるが、厚みはあまり意識されない。しかし、薄くても紙はたくさん重ねると立体になる(2次元-->3次元変換)。


体(立体) - 目、すじ(筋)にならうと、大和言葉のかたまり(塊)には必ず3方向(たて、よこ、かさ(高さ)、あるいは厚み)以外の大きさがある、ということになるが、これだと<第4次元目>を考えなくてはならないが、これはいわゆる常識的には存在しないのだ。しかたなく、進行方向を反対にして、立体を切る(切断)すると、面があらわれ、大和言葉では<きりくち、切り口>という。この<切り口>、元来は<切り口>の面のまわり(周囲、へり、ふち)を <くち、口>のようだと見たためだろう。だが、現在は<切り口>は立体を<切った>後の面といえる。これは<3次元-->2次元変換>と言える。かたまり(塊)は solid を連想させるが、液体でも入れ物(立体)に入れると立体になる。厚み以外に<かさばる>という動詞(自動詞、連体詞、かさばる本)がり立体と結びついている。体言(名詞)の<かさ>は<川の水かさが増す>というので、いわば<深さ>だ。立方体(直方体)でもいいがの二つの面が合うところは線になる(線がみえる)。これは大和言葉では<へり>が使われるようだ。この場合は<へり>でも <はば(幅)>がないといえ、<へり>か幾何学上の線にあたるが、面上に<へりを引く>とは言わない。一般性で線に及ばない。


動詞

線は<伸びる、伸ばす>、<ちぢむ、ちぢまる、ちぢめる>、面は<広がる、広げる>、<せばまる、せばめる>、立体は<ふくらむ、ふくれる、ふくらます、ふくらす>、<すぼむ、すぼめる>、<かさばる>と言う動詞が使われる。 名詞(体言)を調べてみる。

線 - 伸(の)び、ちぢみ
面 - 広(ひろ)がり、せばまり
立体 - ふくらみ、ふくろ(袋)、すぼまり、かさばり

線、面、立体のそれぞれに名詞があるが線、面、立体の代替はできない。


形容詞、形容動詞を調べてみる。

線 - 長い、短い、(まっ)すぐな(形容動詞)、曲(まが)がった(英語の過去分詞ガタ形容詞)
面 - 広い、せまい(狭い)、たいらな(形容動詞)、でこぼこな((形容動詞)。<たいら>、<でこぼこ>。<でこぼこ>は何(なに)詞か。平ら道(ダメ)、でこぼこ道(OK)。たいらがある(ダメ)、でこぼこがある(OK)。(次回検討予定)
立体 - 大きい、小さい、固(かた)い(solid)、かさばる(形容詞 / 連体詞、かさばる本)


以上の名詞(体言)を調べてみる。

線 - 長さ、(まっ)すぐさ、曲(ま)がり、曲(ま)げ (curve)
面 - 広さ、たいらさ、でこぼこ(さ)
立体 - 大きさ、固(かた)さ、かさ

<さ>は形容の度合いを示してしまうので、線、面、立体の代替はできない。<さ>をとってみる。

線 - 長(なが)、(まっ)すぐ、曲(ま)がり、曲(ま)げ
面 - 広(ひろ)、たいら、でこぼこ
立体 - 大き、固(かた)、か

線、面、立体に代替でき出来そうな語はない。

やはり線、面、立体は画期的なコンセプトなのだ。人によっては次元にかかわる大問題だ。言葉の上で、気がつきにくいが、おもししろいのは<さ>と<み>の違いだ。

点関連
大きい - 大きさ - 大(おお)み(ダメ) - 古代にはあったか?
小さい - 小ささ - 小(ちい)み(ダメ)

線関連
長い - 長さ - 長(なが)み(ダメ)
短い - 短さ -短(みじか)み(ダメ)
線に幅があったとして
太い - 太さ - 太(ふと)み(ダメ)
細い - 細さ - 細み(ダメ)

主に面関連

広い - 広さ - 広(ひろ)み(ダメ) - 古代にはあったか?
狭い - 狭さ - 狭(せま)み (ダメ)
面に<厚み>があったとして
厚い - 厚さ - 厚み
たいら - たいらな(形容動詞) - たいらみ (ダメ)

主に立体関連
高い - 高さ - 高(たか)み(ダメ)- 古代にはあったか?
深い - 深さ - 深(ふか)み

動詞関連の<xxみ>は連用形の体言化で、たまたま<み>が現れる。
ふくら(ふくらんだ) - ふくら 
(縮んだ) -縮(ちぢ)

形容詞関連では<さ>で名詞化するが、<さ>は形容<程度>を表わし、純抽象化されていない。例外は<あつみ>と<ふかみ>で、この二つは<厚さ>、<深さ>より抽象化されている。そして関連がある。類推すると<たかみ(高み)>が古代にはあったかもしれない。これはまた、面 - おもて(面)は<当然ながら厚みがある>というわけではなさそう、と関連があるかもしれない。

-----

以下、暇のある人は読み続けてください。

繰り返しのようになるが、


点 - 


線 - 大和言葉の<すじ>、<へり>、<ふち> には基本的に<はば(幅)>がある、<はば(幅)>をなくした極限の線と同等にはならない。糸、ひも、つな(綱)は線状だがモノから離れていない。線を切ると二つの大きさのある点になり、1次元-->0次元の関係がある。だが、この二つの点に注目する人は少ない。


 面 - おもて(面)には<当然ながら厚みがあるという>わけではなさそう。厚さにもよるが、ある程度厚くなると立体になってしまう。二つの厚みのない面がある角度で交差するところは線だ。また面を切ると、切断したところに二つの線がみえる。2次元-->1次元の関係がある。だが、この二つの線に注目する人は少ない。また面を二つにおると線ができる(見える)。 厚みがある二つの面がある角度で交差すると線ではなく面になる。


体(立体) - かたまり(塊)には必ず3方向(たて、よこ、かさ(高さ))の大きさがある。面を積み重ねると立体になりそうだが、厚みのない<おもて>や面(めん)いくらら重ねても立体にはならない。厚みのある面を積み重ねると立体になる。一方立体を切る(切断)すると、面があらわれる。3次元<-->2次元の関係がある。




sptt


Monday, September 1, 2014

<きわだつ>、<きわだたせる>


このポストは前々回のポスト ”<言葉(ことば)>の<葉)>とは何か?” の続編-2で<はし>に関連した話だ。<端(はし)> のやまとことばの関連語はかなりあり、なぜこうも多いのか自体おもしろい調査対象だ。

きわ(際)、へり(縁)、ふち(縁、めがねの縁、<淵>は意味が違う)、がかなり<端(はし)>の意に近いが、さらに範囲を広げれば、すみ(隅)、かど(角)、はて(果て)、さかい(境)もある。

 <きわ(際)>は応用範囲がひろい。

場所 - 窓ぎわ
時間 - まぎわ、帰りぎわ、死にぎわ

複合語 - きわだつ(自)-きわだたせる(他)、きわまる(自)-きわめる(他)、きわめて(副詞)、きわどい(形容詞)

<きわ、ki-wa>は<かわ(皮、側、川)、ka-wa>と関連があろう。窓ぎわ-窓がわ

<きわだつ、ki-wa-da-tsu>、<きわだたせる, ki-wa-da-ta-se-ru>は意味だけではなく、<-a>音が多く、聞いてもいいやまとことばだ。<きわだつ>の意味は文字通り<きわ(際)>が<たつ(立つ)>で、<目立つ>の意に近いがニュアンスがちがう。英語に outstanding  という形容詞があるが(動詞は to stand out)、これはどちらかというと<目立つ>で<きわだつ>には及ばない。もっとも英語の outstanding は90%方良い意味で使われるが、日本語の<目立つ>は90%方悪い意味で使われるようだ。<きわ>は outline といえそうで outline を<目立たす>、<目だ立たせる> と<きわだつ>ことになりそうだが、少し違うようだ。個人的な意見だが、<きわだつ>はいいが<きわだたせる>は意図が感じられて<きわだつ>ほどはよくない。自然と、おのずから<きわだつ>のがいいようだ。そしてこれは努力なしで得ることは難しいようだ。

広告コピー(例)

きわだちの一品
際立ちをきわめた一品
香りがきわだつ xx コーヒー
目立たずに際立つ xx アイシャドウ、口紅(化粧品)
かすかに際立つ xx  ワイン(吟醸)の香り

などはどうか?


話は大和言葉から離れてしまうが、英語も<へり>関連の語が多い。ドイツ語はあまり分化が進んでいないようで、(das)Rand が<へり>関連の代表語で、独英辞典では

Rand: edge, rim, brim, margin, ring, verge (on the verge of xx), brink, outskirt

となっている。最後のoutskirt の skirt は女性がはくスカートとおなじで、男性はショートスカートの<へり>に目が行く。英語では以上の他に、frill, fringe というのもある。

ちなみに相良独和大辞典では

Rand: ふち、へり、きわ、はし、(Ecke)すみ、 かど、(Ende)きわみ、はて, が冒頭に記載されている。



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Friday, August 29, 2014

図形のやまとことば - 1、うつる、うつす


<sptt やまとことばじてん>の英語版 sptt Native Japanese Dictionary の<Geometry in Native Japanese - 1 - Introduction>で次のように書いた。

I must admit that the geometrical world in ancient Japanese (say more than 1,500 yeas ago) were very poor as compared with the Chinese and Western worlds. 

(中略)

0) 0D - point                     Chinese    点       Native Japanese め(me; 目 or eye)

1) 1D - line                       Chinese  線      Native Japanese すじ(su-ji; 筋 or stripes in muscles, veins)

2) 2D - surface or area      Chinese  面      Native Japanese おもて(o-mo-te; 面 or face)

3) 3D - solid or volume     Chinese  体(立体)  Native Japanese かたまり(ka-ta-ma-ri; 塊 or lump)


1.図形の作成(図形をつくる)

いわば大和言葉の幾何用語は貧弱なのだが、今回は図形の大和言葉について考えてみる。図形(ずけい)は和製漢語だろう。 図(ず)は<え>、 形(けい)は<かたち>と言う和語があるが、<えかたち>はほとんど聞かない。<すがたかたち>は少し長いが響きのいいやまとことばだ。<描く>はほぼ間違いなく<絵(え)がく> だ。<かく>の方は<書く>と言うよりは<引っかく>の意の<かく>だ。もっとも<書く>自体<引っかく>由来だろう。<図をえがく>は<絵をえがく>というよりは<かたちをえがく>の方がいいようだが、あまり使われない。もっとも<えがく>自体に<絵(図)>があるので<えがく>だけでいいのだ。

2.図形の移動(図形を<うつす>)

図形の移動は<図形を移す>が一般的だが、 <図形を写す>、<図形を映す>も可能。 英語では<移す>は to shift、<写す>は to copy (コンピュータ操作では、to copy and paste と二段階になる)、<映す>は to reflect という対応がある。一方大和言葉ではいずれも発音は<うつす>で区別はない。これは日本語の<うつす>という動詞の特徴で、漢字で書けば<移す>、<写す>、<映す>の区別があるが、<うつす>という動詞にはこの区別はないのだ。図形に関していえば、<図形移動>は<図形移し>とはまず言わないが<図面の写し>はよく使う。あまり機会はないが鏡に<うつす>場合は<図面を映す>になるか。

ここで注意したいのは to shift、 to copy、 to reflect は動き、または移動をともなうが<元の図形(かたち)>は変わらないということだ。<うつす>はこの意味をたもっている。未分化とも言えるが一般化が進んだ語とも言える。

<元のかたち>は変わらないが、サイズが変わるのに、拡大、縮小がある。 拡大は<引き伸ばし>と言う語がある。縮小は<ちぢみ>だが、これは使われない。ゲンミツに言うと縮小は<元のかたち>は変わらないことが想像されるが、拡大はそうではない場合が多い。英語では拡大は to enlarge(動詞)、 enlargement(名詞)、縮小は to squeeze(動詞)(名詞も squeeze)。

回転移動も<元のかたち>は変わらないが、<まわしうつす>、<まわりうつる>はほとんど聞かず、<まわす>、<まわる>ですましている。

<元のかたち>は変わる場合は<変形>だ。<かたちがえ>、<かたちがわり>はまず聞かない。変形の英語には to transform, transformation, to deform, deformation がある。もっともやまとことばでは、私が好きなレッキとした物理用語で<ひずむ>、<ひずみ>というのがある。<たわむ>、<たわみ>というのもある。

to transfer, to transmit, to transport も大体<うつす>と訳せる。

日本語の<かわる(かえる)>も未分化の、または一般化が進んだ動詞で、変わる(える)、換わる(える)、替わる(える)がある。

<うつる>は時間次元でも活躍し<時はうつる>のだ。英語は<Time passes>と別の動詞を使う。変化がともなうと<時はうつりかわる>となる。<うつりかわる>、<うつりかわり>は4次元表現と言えるが、いい大和言葉だ。<うつす>は他動詞、<うつる>は自動詞。

<うつす>の否定形は<うつさない>。可能形は<うつせる>、その否定は<うつせない>。受身形は<うつされる>だが、日本語では被害、迷惑の意がある。<席を後ろの方にうつされる>、<写真をうつされる>、<風邪(かぜ)をうつされる>。使役は<うつさす>だが<うつさせる>も可か。<(だれだれ)の席をうつさせてください>。
<うつる>の否定形は<うつらない>。可能形は<うつれる>、その否定は<うつれない>。自動詞なので受身はないようだが、日本語では<うつらされる>がある。これも受身というよりは被害、迷惑の意がある。使役は<うつらさす>、<うつらさせる>が可能のようだが、ほとんど聞かない。間違いか?

名詞形は<連用形の体言化>の<うつし>、<うつり>でよく使われ、こなれた大和言葉だ。

抽象化が進んだ数学ではトポロジー(topology)というのがあり、日本語では漢字を五個も並べた<位相幾何学>が正式訳語のようであるが、トポロジーも位相もわかりにくい、というかピンとこない。上で述べたような<移す>、<写す>作用が多いようなので<うつし幾何学>としたらどうか?


sptt
 




Wednesday, August 27, 2014

<はしたない>について


このポストは前回のポスト ”<言葉(ことば)>の<葉)>とは何か?” の続編で<はし>についての話だ。

 <はしたない>は<はした>+否定の<ない>の意味ではない。 手もとの辞書によると<はしたない>は<はし>+接辞の<た>+形容詞語尾の<ない>。<はし>は前回のポストで説明した<はしくれ>、<きれはし>、<かたはし(かたすみ)>、<東京のはし(*) (東京のはずれ)>などのように使われ、中心(やまとことばは<かなめ>か)の反義語で、<あまり重要でない>ところ、モノ、コトをあらわす<はし(端)>だ。これで<はしたない>という形容詞になる。

形容詞語尾の<ない(なし)>の例としては次のような形容詞がある。

きたない - これも<き>+接辞の<た>+形容詞語尾の<ない>で<き>に<きたない>の意があるのか? <きらう>の<き>、<きれはし>、<ぼろきれ>の<き>が関連あるかも。
あどけない - 語源不詳 (インターネットの語源由来辞典参照)
かたじけない  - 語源不詳 (インターネットの語源由来辞典参照)
かなし(い) - 語源不詳、というよりは純形容詞 (インターネットの語源由来辞典参照)
はかない(はかなし) 語源不詳。<はしたない>の<は>と関係がありそう。
----
むなし(い) - <む> +<なし>のようだ(インターネットの語源由来辞典参照)

(追加予定)


ところで否定の<ない> は文法書や辞書の文法説明では助動詞と説明されている。他の品詞との接続は

1)動詞につく場合は、動詞の仮定形につく。例) 行かない。

2)形容詞につく場合は<く>活用、<しく>活用のやはり未然形につく。ただし<く>、<しく>は連用形でもあり、<く>、<しく>を無理やり未然形としている感がある。例) 多くない。美しくない。

3)形容動詞は現代語の<だ>活用の場合は適当なのがない。しいてあげれば連用形の<で>につくが、文法的な法則性からすると<ない>は一般動詞とも見れる。(末尾参照) 例) 静かでない、綺麗(きれい)でない。古語では<静かならず>で<静かならば>とともに未然形につき文法的な法則性がある。


 (末尾)

ダ型活用 (wiki-Japan, 2014-08-27)

未然形 だろ
連用形 だっ・で・に
終止形 だ
連体形 な
仮定形 なら
命令形 ×







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<言葉(ことば)>の<葉(は)>とは何か?


<言葉(ことば)>は<ことのは>の略といわれているが、<こと>はごく一般的なモノ、コトのコトではなく<ひとこと>、 <かたこと>と言うように<こと>だけで<ことば>の意がある。<こと(koto)>は<かたる(kata-ru)>の音韻変化とも考えられ、関連語だろう。<かたこと>の<かた>は<かたほう(片方>、<かたはし(片端)>の<かた>で、<一方のはし(端)>の意味に近い。それでは<ことのは>の<は>はいったいなにか?<ことば>は漢字で書くと<言葉>で<言 の葉>、すなはち<ことの葉>となるが、<葉>は当て字だろう。<ことば>と<木の葉>は結びつきにくい。やまとことばの名詞の<は>には、葉以外に歯、刃が ある。歯は口にあるので物理的に、または人体器官で関係があるが、<こと>自体に物理的に、または人体器官とは関係のない<ことば>の意があるので、検討の余地がある。するどい言い方や、人を殺したり、傷つけたりする<ことば>もあるが、刃も<ことば>と結びつきにくい。ただし、葉、歯、刃がまったく関係ないとはいえない。もっとも<やまとことば>の特徴でいえば、葉(は)、歯(は)、刃(は)は元来(大昔)は同類だったのだ。

<はし>という言葉がある。<はし>は意味によって橋、端、嘴、箸の漢字が当てられる。最後の箸は東京アクセントではイントネーションが違う。嘴(はし)はほ とんど独立しては使われず、実際使われるのは<口ばし>の<ばし>ぐらいだ。長い<口ばし>は箸(はし)と同じよう役目をする。ところで、手もとの辞書に よると端の<はし>の<し>は接辞で<は>が端の意味をになっている。橋は、川の両岸にかぎらず、離れた二つの端(はし)-を結びつける役目があり、<橋 をつくる>ではなく<橋をかける>という言い方が普通で、<かけ橋>とも言う。<かけ橋>は長すぎるにで<はし>になったと考えられる。<はしけ>という モノがあるが、これは同じ辞書によると<はしけ>の<はし>は<橋>ではな<く端>の意、<け>は接辞という説明だ。話が少しそれたが、<はし>の元来の 意味は<端>の意で 、<し>が接辞であるので、<は>が<端>の意ということになる。<ことのは>の<は>はかなりの高確率でこの<は>だろう。

<はし(端)>は物理的には<線状のものの終わり、または終わりに近い部分>のことを指す。また<はしくれ>、<かたはし(かたすみ)>、<東京のはし(*) (東京のはずれ)>などのように使われ、中心(やまとことばは<かなめ>か)の反義語で、<あまり重要でない>ところ、、モノ、コトをあらわすようだ。こ の<はし(端)>が言葉の<こと>とどう結びつくのか? 実際に言葉を話す場合を考えると、

1)時間の経過とともにいった言葉は過ぎ去っていく。時間軸(線状)で考えれば、端の方へどんどん離れていく。おもしろいのは方向で、前の方でも後ろの方でも言いようだ。

2)面(2次元)、立体(3次元)で考えると、まわりの端の方へどんどん離れていく。

2) の場合は円状、球面状に離れていくのだが(出所からの距離は半径になる)、この場合は<はし(端)>というよりは<へり>というやまとことばがいいが、これ以外にも<ふち>、<まわり>、 <さかい>、<きわ>などがある。もっともこれは円状、球状にかぎらず、四方形、立法体の周辺にも使われる。<窓ぎわ>は<窓のきわ>ではなく、<窓があるきわ>の意で、窓は<きわ>にあるのが普通で、窓は内外(うちそと)の堺(さかい=きわ)になっている。<へり立つ>という言葉はないが<きわ立つ> はある。<きわ立つ>は<アウトラインが目立つ>で、<はっきり見える>ことだ。

あえて結論をいうと、<ことのは>の<は>は<あまり重要でない>ところ、モノ、コトをあらわす<はし>。<言葉の尻をとらえる>という言い方があるが、<言葉のはしをとらえる>ともいう。いい意味ではないが、上で述べた<かたこと>とともに言葉の特徴をうまくあらわている。言葉はウソも本当も伝える、伝えてしまうのだ。言葉は使い、役立てることができる反面使われてしまわれ、害をもたらす面もある。


 (*)<東京物語>(古いほう)の中国語版(ビデオ)を見たことがあるが、足立区か荒川区の住まいの場所<東京のはし>を<東京的橋>と訳していた。<端>は<橋>ほどの具体性がない。


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Tuesday, July 29, 2014

<ひねり>、<ひずみ>、<ずれ>


前回のポスト<回転のやまとことば>で、<ひねる(ひねり)>も回転がらみだが、<ひずむ(ひずみ)>、<ひがむ(ひがみ)>など<ひ>がらみ言葉がおおいので別途検討予定、と書いたので検討してみる。


ひねる - to twist
ひねり - torsion

<ひねる>は物理的には、ふつう棒上のモノの両端を反対方向に回転させる動作だが、片方の端を固定させ、もう一方を回転させる動作も<ひねる>だ。また、<腰をひねる>は腰の下か上を固定させて上または下を回転させる動作だ。いずれにしても棒上のモノや腰は変形をうけるが、元に戻る場合もあれば、程度の差はあれ元に戻らず変形したままの場合もある。変形のやまとことば物理用語は<ひずみ>だ。<ひずみ>の英語は strain だが物理、力学用語で、stress があると普通 strain (ひずみ)が生じる。変形は deformation がよさそう。 constrain というのもあるが、これは漢語では制約、やまとことばでは<しめつけ>とか<しばりつけ>か。

<ひねる>については前々回のポスト”<ねる>動詞”で取り上げた。

うねる   u-neru
かねる       ka-neru
くねる         ku-neru
こねる       ko-neru
すねる       su-neru
つねる       tsu-neru
はねる       ha-neru
ひねる       hi-neru
まねる       ma-neru

<ひねる>や<ひずむ>の<ひ>は<引(ひ)く>と関連があろう。

反対方向に力を加える動作(ひねり-tortion)では<糸をよる>の<よる>という動詞や<縄をなう>の<なう>と言う動詞がある。現代人は<糸をよる>ことも<縄をなう>こともまずないが、<よる>は反対方向の回転というよりは、並行して反対方向に力を加えるようだ。二本以上の糸を両手に挟(はさ)んで並行して反対方向に力を加えると。二本以上の糸はらせん状にからみあって、一本の糸になる。糸の代わりに四角いモノの相(あい)対する両面を並行して反対方向に力を加える動作の<ずらす>がある。

英語の to shear はこの動作だが、物理用語は<(せん)断>で、やまとことばの<ずらす>、<ずらし>、自動詞の<ずれる>、<ずれ>はどういうわけか使われない。意味がやや違うようだ。<大きくずれる>という言い方があるが、これは<ずれる>が本来<小さくずれる>ことを意味しているようだ。<ずらす>、<ずれる>元の位置、本来在るべき位置から<少しはなす、離れる>ことを意味しているようだ。

一方<前にずれる、ずらす>、<うしろにずれる、ずらす>は間違いではないが、こうはあまりいわず、汎用的な動詞<動く>、<動かす>を使って<前に動く、動かす>、<うしろに動く、動かす>と言うようだ。一方<横、右、左>は<ずれる>、<ずらす>と相性がいい。<上、下>もまあいいようだ。<前、うしろ>と<横、右、左、上、下>はどこが違うかと言うと、少し離れたところを視点とすると、モノが動く(動かす)場合<前、うしろ>では角度は同じだが、<横、右、左、上、下>は角度が違ってくるのだ。<(せん)断>は四角いモノの相(あい)対する両面を並行して反対方向に力を加えた場合の角度の変化との関係を表わしているにで、<ずれ>でよさそうだ。<ずれ>があまり使われないのは、おそらく<ずれ>が本来あるべき位置から<少しはなす、離れる>と言う意味が強く、<角度が変わる>ことがあまり意識されないからだろう。

<ずれる>、<ずらす>は<ずる>由来だろう。<ずる>は五段活用のようだが<ずる>の複合動詞はごくわずかだ。

ずりおろす
駆(か)けずり回る
這(は)いずり回る
---
引きずる
引きずり回す 

<ずれる>は下一段活用だが、これも複合動詞はごくわずかだ。

ずれ込む

<ずる>は<する(擦る、刷る、掏る)>由来だろう。、<こする>は関連動詞だ。

<ずる>関連と思われるのに<じる>がある。

いじる、かじる、くじる-しくじる(し+くじる)、こじる(こじあける)、ねじる、ほじる、もじる(もじもじする)、よじる。

<じる>という動詞は現代語にはないが、昔はあったのだろう。上記の<じる>動詞は大まかにみると共通した意味がある。少し<ひねり>を加えて動かす動作だ。ねじる、ほじる、よじるは簡単な動作のようだが、前後、上下、斜めの直線運動に加えて回転運動が加わるのできわめて複雑な動作、動きだ。

ただし以下<じる>は現代語で、古語は<じる>と関係ない。

とじる - とず、とづ
なじる - なず、なづ
はじる - はず
まじる - まず、まづ
やじる - ?

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