<おこがましい>の<おこ>は<愚か者> のことで、文字通りでは<愚か者のよう (です) >。普通は<<おこがましいですが>として使われ<愚か者のようですが>の意になるはずだが、そうではなく<愚か者のように、事情をわきまえない、のを知りながら>、<愚か者のように、出しゃばりな、のを知りながら>と言った、卑下と言うか、謙遜の意が含まれている言い方で、やや込み入っている、レトリック。レトリックは中国語が得意とするところで、中国語で、日本では聞きなれない<冒昧>という言葉がる。無知蒙昧に<昧>の字がある。<冒昧>は、baike-baidu では
冒昧 mào mèi,指冒犯,无知而妄为,多用于自谦;引申为鲁莽轻率
<指冒犯>は冒昧=冒犯ということで、冒犯をチェックしてみると
冒犯:指言语或行为没有礼貌,冲撞了对方。英語訳では [offend, against; give offence; affront]
で、<礼儀をわきまえない、粗暴者>と言った意味だが、こちらの方は<多用于自谦>がない。<冲撞了对方>は<相手に食って掛かる>といった意味か。
つまりは<冒昧> の方はレトリックとして自谦 (卑下と言うか、謙遜) で多用される、ということだ。さらにつまりは
<おこがましい>は冒昧の意に近いということだ。実際、baike-baidu では
冒昧问一下。
すみません、ちょっと闻いてもいいですか。
という例文と日本語訳がある。
<がましい>の説明は少しむずかしい。 <xxがましい>の例を挙げると
言い訳がましい(ですが)
当てつけがましい
うらみがましい
押しつけがましい
恩着せがましい
さしでがましい
未練がましい
があり、<おこがましい>と同じような言い方で、<xxがましいですが>として本論にはいる前口上として使われる。別の言い方をすると(卑下と言うか、謙遜の意を含めて)
このようなことを言うのは +
おこ (バカ) に見えるのはよくわかっていますが
当てつけと取るかもしれませんが
言い訳になるのは十分承知のうえで
うらんで、うらみから言ういるように聞こえるかもしれませんが
押しつけになるのはよくわかっていますが
恩を着せるようになるのはよくわかっていますが
さしでることになる (でしゃばりになる) よくわかっていますが
まだ未練があるように取るかもしれませんが / あきらめが悪い言われるかもしれませんが
となる。
あまり聞かないが
愚痴 (ぐち) がましい
小言 (こごと) がましい
年寄りの繰りごとがましい
泣きごとがましい
負け惜しみがましい
も可能だろう。
一つ例外がある
はれがましい
おもしろいのでネットでチェックしたところ
”
https://www.waraerujd.com/blank-461
「がましい」は、「未練がましい」「恩着せがましい」「当てつけがましい」のように、「……のように感じられる」という意味の接尾語。もとは「やかましい」という意味の「かまし(囂し)」から来ているように、「差し出」「未練」「恩着せ」「当てつけ」が強烈で、やかましく感じられるというネガティブな意味あいで用いられることが多いが、「晴れがましい」は珍しくいい意味の使い方。
”
とあるので、 <はれがましい>は例外のようだ。偶然だが<かまし(囂し)>の<囂>はこれから出てくる。
さて、以上が<おこがましい>、<がましい>の解説。
話は少しずれて、卑下と言うか、謙遜の意のない<冒犯>の関連語では、最近携帯で見ている中国ドラマで、日本ではなじみのない<放肆>と<嚣张>という語がよく字幕に出てくる。
放肆 fàng sì,(言行)轻率任意,毫无顾忌。
嚣张 xiāo zhāng,意思是喧哗;放肆;跋扈。
ネット中日辞典では
放肆: おこがましい,ほしいままにふるまう,.無礼なふるまい., 勝手気ままで乱れている
実を言うと、 放肆を調べているうちに、おどろいたことに、Google ネット簡易中日翻訳で<おこがましい>が出てきた。そして< おこがましい>をチェックしてみて、このポストになった次第である。
嚣张:もとは<悪い勢力や不正の気風が大きくなること。のさばっている,はびこっている,増長する、尊大である
<放肆>と<嚣张>はドラマでは悪役組に向けにて発せられる。
上で
偶然だが<かまし(囂し)>の<囂>はこれから出てくる。
と書いたが、どうも偶然とは思えない。嚣张に<増長する>、<尊大である>の意がある。もちろん<囂し>の<囂>は借用。話が長くなるので、のbaike-baidu の解説をコピーしておく。
嚣(拼音:xiāo、áo)(中略)古字形用“页”代表人的头部,周围的四口表示发声喧哗,会众口喧嚷之义。嚣的本义即指人声嘈杂,即吵闹、喧哗,读xiāo。
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