Sunday, July 14, 2024

うらむ、うらやむ

 

<うらむ、うらやむ>はコンピュータの自動漢字変換では<恨む、羨む>と出てくる。

<うらやむ>の英語は to envy でいいが、<うらむ>の方はやっかいだ。 

太郎は次郎が<金が必要ならいつでも貸してやる>といったのに、何度頼んでも貸してくれないので、次郎を恨んでいる。grudge という語があるが、<うらむ>の英語をネットで調べてみると

a)have [bear] a grudge against somebody; feel bitter about somebody;
形式ばった表現】 think ill of somebody; feel resentment at something.

b)blame ~ on · (人)を恨む. hold a grudge against · BのことでAを恨む. blame A on B.

c) ① resent

resent は、特定の行動や状況に対する負の感情を指す動詞。

例文:
She resented her co-worker for taking credit for her idea.
(彼女は同僚が自分のアイデアの功績を取ったことを恨んだ。)

(名詞の resentment は<いきどおり>などと訳される。sptt)

② grudge

to hold a grudgeというフレーズで使われることが多い。

例文:
He couldn't help but hold a grudge against his friend after the betrayal.
(友達の裏切りの後、彼は恨みを抱かざるを得ませんでした。)

 "

自分の立場(たとえば金を借りる行為)は別にして、対象の人に対して否定的、批判的な感情(負の、negative な感情)を持つことと言える。

形容詞の方の<うらめしい>と<うらやましい>は使い分けはあるようだが、似かよったところがある。

花子は美代子が美人なのがうらめしい。
花子は美代子が美人なのがうらやましい。 

<うらめしい>は嫉妬心がかなり前面にでてくるが、<うらやましい>のほうも嫉妬心がないわけではないようだ。

名詞形では<うらみ>はよく聞き、<うらみつらみ(注)>という言い方もある。一方<うらやみ>はほとんど聞かない。<うらやましいと思うこと>は長すぎる。羨望という漢語はたまに聞く。

注:ネット辞書では<「つらみ」は、形容詞「つらい」の語幹に「み」をつけて語調を整えた語>とある。しかし<つらむ>(つらく思う)という動詞があれば、その連用形でいい。

うらむ ー うらめしい (うらましい、のなまりか?)。日本のお化け(おばけ)は<うらめしや>と言って出てくる。<うらめしや>は<うらめしいぞ>といった意味だ。

うらやむ ー うらやましい

の形式では

いたむ ー いたましい
うとむ ー うとましい
(おぞむ)ー おぞましい
このむ ー このましい
たのむ ー たのもしい (たのましい、のなまりか?)
ねたむ ー ねたましい (これが嫉妬の意に近い)
のぞむ ー のぞましい
めざむ (めざめる) ー めざましい

負の、negative な感情表現が多いが、positive な感情表現もある。<xxむ>の感情表現を探してみると

いむ (忌む)  ー いまわしい

おしむ ー おしい
くやむ ー (くやしい)
くやしむ ー くやしい
くるしむ ー くるしい
こばむ ー
そねむ ー
(つらむ) - つらい
にくむ ー にくい、にくらしい、にくたらしい (にくましい、ほとんど聞かない)
ひがむ ー

口語、方言だが

やっかむ ー

というのもある。以上はすべてnegative な感情表現だ。

 

さてこのポストを書き始めたのは、嫉妬、羨望と違って日本では見かけない中国語の<委屈 (wěi qu) >を中国の小説ではよく出くわすからで、<委屈>の意味をはっきりさせたい、と思ったからだ。

ネット辞書の解説では

白水社 中国語辞典

形容詞いわれのない非難不当処遇により)悔 (くや)しい,残念である,つらい.

用例

  • 做了好事却受到批评,他心里十分委屈。〔述〕=よい事をしたのに批判されたために,彼は悔しくてやりきれない
  • 辛苦了半天还受埋怨,觉得很委屈。〔目〕=散々苦労したあげく文句を言われ,とても悔しい.


動詞  悔しい思いをさせる,つらい思いをさせる,気の毒なめに遭わせる迷惑をかける

委屈(英語) Cambridge Dictionary

grievance
a complaint or a strong feeling that you have been treated unfairly:
 
本場の中国では
 
baike.baidu

委屈,漢語詞語,拼音wěi qu,意思是曲意遷就;受到不應有的指責或待遇而心裏難過;猶虧待,不好的待遇;曲折,彎曲。出自《後漢書·鄭孔荀傳論 》
 
とあり、かなり古い語だ。<>(屈折)、<>、<>、<>の語がでてくるので、相当<ねじれた、ねじけた>気持ち(心理状態)のようだ。最初に書いた
 
<うらやむ>の英語は to envy でいいが、<うらむ>の方はやっかいだ。 
 
なのだ。一方<>は多義語で、<ゆだねる>が原意だが
 
“委”也表示曲折、委蛇,用作形容詞,又引申為委靡、委頓。
 
という意味もある。
 
不應有的指責或待遇而心裏難は<いわれのない非難不当処遇により)悔 (くや)しい,残念である,つらい.>の意に近い。これが本命に近い。
 
手元の辞書で<うらむ>を調べてみたが
 
ひどい仕打ちをした人に対して、機会があれば仕返ししてやろうと思う気持ちを、いつまでも忘れないで持ち続けること。
 
とある 。ここでは<つらい気持ち>がでてこない。また>、<>、<>を考慮すると
 
ねたむ ー (ねたましい)
ひがむ ー 
やっかむ ー
 
委屈の方は<つらい気持ち>がかなりある、というか<つらい気持ち>(心裏難過)が主のようだ。したがって
 
委屈 = 名詞では<うらみつらみ>、日本語になっていないが動詞形の<うらみつらむ>がかなり近い。白水社 中国語辞典では委屈は形容詞扱いだが、例文の
 
他心里十分委屈
觉得很委屈
 
委屈は日本語の感覚ではすぐに<形容詞>とはいえない。
 
ーーーーー
 
 <ひがむ>は別の角度からの見方、言い方で、
 
 
物事素直に受け取らないで、曲げて考える。自分不利なようにゆがめて考える。「じゃま者扱いされたと—・む」
 
 
 
 
sptt
 

Friday, July 5, 2024

おじゃまする

 

<お邪魔>は<じゃま、邪魔>に丁寧語の接頭辞<お>がついたもの。

おじゃまします。おじゃましました。

はよく聞き、よく使う。

<じゃま、邪魔>だけだと障害 (物) 。

じゃまになる。
じゃまだ、どけ。
じゃまだ、どけろ。

などと使う。

<お>のない<じゃまする>だと< 障害になる><阻害する>だが、<お>がついた

おじゃまします。おじゃましました。

だと、文字通りでは

おじゃまします =  お障害になります、お阻害します
おじゃましました =  お障害になりました、お阻害しました

になるが、こうはいわない。だが、<お>のない

障害になります、阻害します
障害になりました、阻害しました 

の意の<丁寧>表現といえる。ネットで調べてみると

おじゃまします。おじゃましました。

謙譲表現、謙遜表現、つまりは<ヘリくだり表現>としているものがある。 だがどうも<ヘリくだり表現>ではないようだが、<ヘリくだり表現>とすると

実際は、<じゃま>をする、したわけではないが、一歩(一段)下がって

じゃまをします。じゃまをしました。

以上の<お>または同じような丁寧語の<ご>に働きははパターン化ができるようで


じゃまする ー おじゃまする
世話になる ー お世話になります
めんどうをかける ー ごめんどうをおかけします
苦労をかける ー ご苦労をおかけします
やっかいになる ー ごやっかいになります

で<お>、<ご>が謙譲表現、謙遜表現に変えている。さらには<おじゃまさま>、<お世話さま>、<ごめんどうさま>、<ご苦労さまです>と<さま>をつけた言い方もある。

だが謙譲表現、謙遜表現、<ヘリくだり表現>というのは普通


小生=私のこと(男の場合),古語だが<拙者>も謙譲表現、謙遜表現。拙者=つたない者。
つまらないものですが、(粗末なものですが)お収めください。
へたな作品ですが、ご覧ください。

というような言い方だ。

 

英語では to disturb が同じような使われ方をする。I am sorry to disturb you, but please help me to move this desk.

I am sorry to disturb your study, but please tell me what this English word means.

同じような言葉では

どうぞおかまいなく、おかまいもせず 

というのがある。<お>のない<かまい>は<かまう>の連用形名詞用法で

<かまう>はネット辞書 (小学館)では


多く打消し表現伴って用いる)その事柄や存在を気にかけて、規制された状態になる。

㋐気にする。気をつかう。「時間に—・わず押しかけて来る」「私に—・わないで先に行ってください」「なりふり—・わず働く」

㋑他の事とかかわって差し支え生じる。「費用かかっても—・いませんか

世話焼いたり、相手をしたりする。「私のことなんか誰も—・ってくれない

自分より弱い者や動物などを、相手にしてふざける。からかう。「を—・う」


とある。こちらの方は英語では to care が相当するが、

どうぞおかまいなく Please do not care   ダメ。Pleas do not care much about me. で何とかなるか。

 おかまいもせず    I am sorry I did not care much, (enough) とでもなるが、いまいち。

<かまい>に丁寧語の<お>がついた<おかまい>を使うと謙譲表現、謙遜表現になる。

 

さて、このポストを書き始めたのは、今精読中の中国の大小説<紅楼夢>で次のような表現に出くわしたからだ。第八回

 他二人道了擾

前後を加えると

寶玉道:「我們倒等著他們!有丫頭們跟著就是了。」薛姨媽不放心,吩咐兩個女人送了他兄妹們去。他二人道了擾,一徑回至賈母房中。

 紅楼夢は難しい。

 <擾>が<じゃま>、<じゃまする>相当。発音は rǎo で 簡体字は<扰>。日本語でも死語に近いが擾乱 (じょうらん) と言う漢語がある。

⒈ 攪亂:擾亂。擾害。擾攘(騷亂,紛亂,如“干戈擾擾”)。干擾。
⒉ 增添麻煩:打擾(客氣話,表示給別人添了麻煩)。困擾。叨擾。庸人自擾。
 
1.は<じゃまする>だが
2.は<おじゃまする>相当の使われかた。<打擾>ともいい

“当我们走进屋的时候,走的时候,或借用东西的时候,我们总是很客气地说:‘打扰你们’,或者‘麻烦你们’。” 

当我们走进屋的时候,走的时候,或借用东西的时候 ー 他人の家に入るとき、去るとき、ものを借りるときに<很客气地=謙譲的に、謙遜的に>言う時に使う。

日常会話では<麻烦>は<打擾>以上によく使われる。<麻烦>は<じゃま、じゃまする>というよりは<めんどう、めんどうをかける>。特に<お>相当の語がつくわけではない。

さて紅楼夢にもっどて<>が出てくる

他二人道了擾

だが、一読目は何のことだかわからなかった。さらに何度か読んでもわからなかった。チェック方法を変えて、<道擾>で調べてると

道擾

說了叨擾他人的客氣話。《紅樓夢》第八回:「他二人道了擾,一逕回至賈母房中。」

 でそのものが例文として出て来る解説がでてきた。叨擾 tāo rǎo=打擾。

他二人道了擾 はつまり

” 彼ら二人は<おじゃましました>と言って ”

という意味になる。<道>は<説>の古語、文章語。<彼ら二人>というのはここでは贾宝と黛玉のこと。

上で很客气地=謙譲的に、謙遜的に>と書いたが、中国語には客气客套话 kè tào huà というのがある。だがこれは英語で polite greetings と訳されているように<あらたまった、丁寧なあいさつの決まり文句>で謙譲的、謙遜的とは限らない。だが<打擾>、<麻烦>は謙譲的、謙遜的な表現とは意識されず、客气客套话、つまり<あらたまった、丁寧なあいさつの決まり文句>扱いになっている。



sptt


 


Monday, June 3, 2024

<ヤケになる>の<ヤケ>の語源

 

<ヤケになる>は<ヤケクソになる>という言葉があるくらいなじみがある。<ヤケになる>の<ヤケ>の語源は不詳で、ネットで検索してみると

 domani.shogakukan.co.jp/563268

1)今までに築いた財産や家が火事によって焼かれてしまい、気力も失せてしまった説
2)物が焼けた際に形や性質そのものが変わることからきた説
3)思った通りにいかず、心が焼けるように苛立つことからきた説

1)は<気力も失せてしまって>も<ヤケになる>とはかぎらない。

2)はほとんど説明になっていない。

3)は<苛立つ>ー><ヤケになる>のプロセスは妥当だが、<苛立つ>ことを<心が焼ける>というだろうか?<胸が焼ける>はまた別だ。

<ヤケになる>、<ヤケクソになる>は大体言動(主に行動)がともなう。 <ヤケになって(ヤケクソになって)>xxするのだ。

さて上記の語源はいずれも<焼ける>がもとになている。これにとらわれなければ<いやけ(嫌気)>というのがある。<いやけ>の頭の<い>はアクセントがない、高いピッチ(イントネーション)ではないので落ちやすい。

いやけがさす ー> ヤケがさす
いやけを起こす ー> ヤケを起こす

はいいが、

いやけになる ー> ヤケになる

は少し具合が悪い。 

<イヤケ>は対象(出来事、結果、人)に嫌悪感があり、往々にして対象に反抗的になる。これが語源上肝心だ。

<ヤケになる>の英語は、ネット辞書によると

to become desperate
to abandon oneself (up) to despair (自暴自棄になる)
to lose one's temper
to lose one's reason (理性を失う)

などがある。これらは現象で理由、原因がない。<ヤケになる>理由、原因は色々あるが、大体自分の落ち度で不具合が生じ、他人から指摘された場合が多い。ここには甘えがある。

入学、就職試験に落ちた。
彼女にふられた。
小さなミスを上司に指摘された。

などで、気の短い人は <ヤケになる>、<ヤケをおこす>。

これを書いているのは今精読中の中国の大小説<紅楼夢>で<赌气>という言葉に出くわしたからだ。

 赌气(繁体字では賭氣)は<ギャンブル中毒>ではない。<紅楼夢>の主人公贾宝玉は時により赌气ぎみになることがある。他の登場人物でも<ヤケになる>男女がいる。<紅楼夢>で出くわしたのは、金釧という女性が<ヤケをおこして(実際にはそう簡単ではないが)>井戸に飛び込み自殺する場面だ。 <紅楼夢>のクライマックス場面の一つ。赌气の意味をチェックしてみると

baike.baidu

赌气 dǔ qì,意思是因不满或受指责用任性行动来表示心中有气

不満や間違いや失敗の責任を指摘された時にな破れかぶれな行動をとるようになる気質

といったところだ。

英語訳では

angry, to get angry (これは比較的単純で、生气, 脾气 というのがある)
to act rashly out of a sense of injustice

to act rashly due to wrong blame, often regardless of the consequences
to feel wronged and act impetuously (- in a sudden way, without considering the results of your actions)

二番目の<out of a sense of injustice>は注意が必要で、自分だけがout of a sense of injustice>の場合は<ヤケになる>でいが、第三者からみても、社会的に見てもout of a sense of injustice>の場合は、取る言動は、復讐、仇討になる。<イジメ>はかなりのinjustice>だが複雑で、すぐには<ヤケになって>復讐、仇討にならない。復讐、仇討はうまくいった場合は<Justice is done>となる。

三番目の<often regardless of the consequences> は往々にして<ヤケになった>時の言動だ。

話はずれるが、予想外の様子あらすのに<ヤケに>、<イヤに>と言表現がある。

今朝はヤケに寒い。 今朝はイヤに寒い。
今日はヤケに人が多い。 今日はイヤに人が多い。

 いづれも<イヤケ>由来だろう。

 

 sptt




 

Wednesday, May 15, 2024

<こだわる>の語源

 

<こだわる>の語源は不明だ。ネットで検索してみると

『大言海』によると、少しという意の「こ」に、差し支える、支障があるという意味の「さわる(障る)」が転じた「たわる」からなる語だとのこと(以下略)

 ”

というのがあるが、<少し障る、少し差し支える、少し支障がある>どうして<こだわる>になるのか。

最近は<こだわりの味>とか<こだわりのコーヒー>のように肯定的よく使うようになっているが、ひと昔前は主に<こだわるのはよくない>とか<こだわるのはもうやめよう>というように否定語と一緒に使われ、<こだわる>の意味というか含みは否定的 (よくない) に使われていた。つまりは

こだわるのは (よくないから) もうやめよう

という使われ方だ。

漢語に<拘泥 (こうでい) というのがある。これも

拘泥は (よくないから) もうやめよう

と使える。だが、実際には

拘泥するのは (よくないから) もうやめよう

となるだろう。

拘泥 (こうでい) と<こだわり>は発音がやや似ている。

<こうでい>は<こでい>あるいは<こだい>になる可能性がある。さて、<こだわる>の<わる>だが、<わる>は<悪>の意があるが、ここは<はる>だろう。<はる>は多義語だが<張る>が第一義だ。

張りつめる
意地を張る <意地っ張り>
見栄 (みえ) を張る
言い張る
突っ張る、<つっぱり>

否定的な意味はうすいが

頑張る (がんばる)
張り切る

 で、いずれにしても余裕、柔軟性がないのだ。 拘泥 (こうでい) と<張る>を合わせると

<こでい><はる>ー>こでいはるー>こではるー>こだはるー>こだわる

<こだい><はる>ー>こだいはるー>こだはるー>こだわる

 

sptt

Saturday, April 13, 2024

バツが悪い、embarrassed、尷尬(gān gà)

 

<バツが悪い>は聞いたことはあるが使った記憶はない。多分意味がよくわからないので使う自信がないためだろう。

<バツ>の確かな語源はわからない。 バツマルの<×(バツ)>の語源は「罰点(バッテン)」とされ (Wiki) ているので、これが関係しているかもしれない。だが<罰点(バッテン)>自体<悪い>ことなので説明がつかない。イントネーションも少し違う。

場都合(ばつごう)の略という説があるが、<場都合>とは言わないので、いまいち。<場>はやまとことばで、<場が悪い>だと<状況が悪い>。<都合が悪い>だと<あいにくだが今日は都合が悪い>というような使い方で、意味が違う。<具合が悪い>は状況によっては<バツが悪い>に近い。さらには<体裁 (ていさい) が悪い>も<バツが悪い>に近い。

もう一つの語源説は<跋文 (ばつぶん) >の<跋 (ばつ)>で、この方が説得力がある。

跋文。北京語では bá wén と発音するが、広東語では bat man (イントネーション無視)。どこかの地域またはある時期は文=bun と発音する / していただろう。跋文の意味は本や長い文章の<あとがき>。内容を短くまとめたり、コメントを書いたりする。<まとめ>、<まとめる>の意とすると、<跋が悪い>は

まとまりが悪い

で<バツが悪い>の意と関連がでてくる。似たような言い方に<きまりが悪い>がある。この<きまりが悪い>は

1) <バツが悪い>に近い意味、はずかしい

2) <まとまりが悪い>、<おさまりが悪い>に近い意味

がある。また<きまっている> は<決まっている>以外に、口語的だが<その場にふさわしい>の意味がある。

以上、<バツ>、<まとまり>、<おさまり>、<きまり>は共通の部分がある。


英語では embarrassed というのがあり、これは聞いたこと、聞くことは少なくない。私も使ったことはあるが、短い upset でもいい。これは to upset の過去分詞で embarrassed と同じ用法だ。

さて中国語では、見ただけで恐ろしげな<尷尬(gān gà)>というのがあり、これはよくお目にかかる。

 

sptt


Friday, April 5, 2024

<よそ>とは何か?

子供のころ<よそ>というのをよく聞いた。

よそゆき ー 普段着とは対照的な<よそ>へ行くときの服。
よその家(うち)に行ったら行儀よくすること。
よそ様のものに手をだすな。
よそ様のことに余計な口を出すな。
よそ様の悪口をいうもんじゃない。
よそ見をするな。

その他<よそ>関連では

よそ者
よそ事 ー これは<よそ事>ではない。  (ひとごと、他人事)
どこかよそ(のところ)にしよう、行こう。 (別のところ)
うちではこうしているが、よそではどうしていいるのだろう?
よそよそしい ー <親しい>の反義語か。unfriendly。

内 (うち) と外 (そと) はかなり明瞭に対比ができるが、内 (うち) と<よそ>の対比は簡単ではない。<よそ>には基本的に<内>に対する<外>の意は薄い。<よそ>はコンピュータでは<他所>、<余所>が出て来るが、<よそ>を<他所>、<余所>と書くには抵抗がある。そもそも<よそ>に相当する漢字はないのだ。<よそ>はやまとことばだ。

 関連する言葉に他人行儀というのがある。これは和製漢語か?

 中国語では<客气>が他人行儀に相当し

不客气、别客气 (広東語では唔駛客氣、唔好客氣)

はお礼を言われた時の返答で<どういたしまして>相当で、原意は<他人行儀はなしです、いらない>。これはどこでもよく聞く。

韓国人や中国人には日本人は、一面では親しくなっても他人行儀なところがある、という。これは親しくなっても<よそ>の意識があるためだろう。親しくなっても<よそ様>なのだ。

 

<よそ>に似て非なる言葉に<よす>がある。だが<よそ>となにか関係がありそうでもある。<よす>は動詞で、現代語では

よさない(か)
よして(おこう)、よした方がいい。
よす
よすとき、よす場合には
よせば(いいのに)
よそう 

日本語の連用形には名詞(体言)用法はがあるが、<よす>の連用形<よし>の名詞用法はなさそう。<よし>は<良し>になってしまうのだ。もしあるとすると

<よし>は<よすこと> なのだが

今回は<やめ>にしよう。ー> 今回は<よし>にしよう。(ほぼダメ) 今回は<よすこと>にしよう。OK

 

 sptt


 

Tuesday, April 2, 2024

マネジメントのやまとことば

マネジメントのやまとことばとしては威厳に欠けるが<やりくり>、<きりもり>がある。家庭のマネジメントは主に金銭の<やりくり>、<きりもり>だが、零細、小企業になると金銭だけとは限らない。仕事と人の配分も重要な<やりくり>、<きりもり>だ。中企業、大企業ではマネジメントと言うようで、部署別、階層的にマネジメントされていて、それぞれにマネジャー(課長、部長)がいる。金銭関係は経理部任せだが、部署ごとの仕事と人の配分はマジャーの仕事だ。このマネジメントがうまくいかないと問題発生が多くなる。

英語の to manage は<やりくりする>、<きりもりする>の意で使われる。金銭、時間、仕事、従業員の配分をするのは to manage だ。また個人的に<少し困難なところもあるがなんとかする>を I can manage it. と言う。これもマネジメントだろう。<言うは易く>で、実際はなかなかむずかしい。<配分>は金銭、時間、仕事、従業員を<切って盛る>で<きりもり>に近い。似て非なるのにアレンジするがある。これは<ことがうまく運ぶように段取りをつける>相当か。

英語の to manage はまた、個人的な場合が多いが,<なんとかする>の意にもなる。

I can manage this problem.

一方<何とかなる>、<何とかなるさ>は責任感、実行力に欠け、状況任せで、多くは<何とかならない>結果になる。

個人的な場合では<やりくりする>、<きりもりする>以外に<あつかう>、<さばく>がある。意味はズレるが<あしらう>というのがある。こ<あしらう>はさらに意味がずれて<あしらえる>というのがある。あるいは<あしらう>は<あしらえる>の意味が先で、後から今の<あしらう>の意味が派生したのか。

漢語由来では<管理する>、<処理する>がある。  ネット簡易英中辞典では,

Management = 管理

と出てくる。<管>や<理>は歴史的に見てもそこそこの意味があり、おそらく

Management = 管理

は正しそうだ。

アレンジ、arrange はネット簡易英中辞典では,

安排

と出てくる。 この<安排>日常よく使われる。日本語の<あんばい>も同じような使われ方があるようだが、<適当にあんばいしておく>、<あんばいがいい、悪い>と言う言い方もある。コンピュータでは、塩梅、案、按排がでてくる。

漢語由来らしいのでは<対処する>、<対応する>があるが、<対応する>の<対応>は和製漢語のようで、中国語では見たことがない。ある意味では<問題にうまく対応して解決する>のがマネジメントと言えそう。<応じる>は、<応>の読み<おう>からして、漢語由来。だが、<応じる>だけではマネジメントにならないだろう。

日本ではマネジメント関係で管理、管理者はあまり使われず、中小を含め会社関係で言えば、<とりしまりやく (取締役)>というやまとことばが Management 層になる。実際には簡単な<役員>が多用されているようだ。これからすると<とりしまり>がマネジメントになるが、何か変だ。

 

sptt